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やらかしながら進むのが人生だ
いきなりの爆弾発言はご遠慮ください
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「…皆…王家特有の…白魔法についてはどのくらい知っている…?」
「白魔法?『王族しか使えない』ってくらいですかねぇ」
ず…とお茶をすすったらセバスチャンさんからすんごい冷たい視線が飛んできたからお上品に飲む。怖い。
「…あの時…魔法師養成科ではアメリア・ルデバランが発動した魔法が…『白魔法』では無いか、と言う話で大騒ぎになった…」
「はぁ。まぁ何かそんな感じで大変らしいですね?」
「…何かすごくどうでも良さそうじゃ無いか?!」
「そりゃどうでも良いですもん。私には関係ないですし」
ひっ、酷いぃぃぃ! と喚く王子。いや、お前今までの自分の態度思い返してみろよ。わし、迷惑しかかけられとらんし。
むしろ今みたいによーわからんけど進退極まっとるの見てざまぁ、と思っているとも。
「…いや…うん…。そうだよな…。私のせいか…」
うじうじしとる。こっちでもいじけるとのの字書くんやな。新発見。
「殿下。どうでもいいんで本題に入ってください」
パパンは容赦ありません(笑)
ビクッとした後、キリッとした顔されても…。
「すまない。取り乱した。で、だ。彼女を鑑定したところ、属性色は『赤』で、『白』の要素は無かったんだ。だが、『赤魔法』の中に、あれ程白く輝く光を出す魔法が見当たらない事と、『白魔法』自体を誰も見た事がないせいで、一時期収集がつかない状態になった…」
思わず垂れた耳と尻尾の幻覚が見えそうなほどショボーンとした王子。でもな、私らぽかーんよ? ねぇバカなの?
「…殿下。アレのせいで一悶着あるだろうな、とは簡単に予測できた事ですから特に驚きませんけど…」
パパンに青スジが増えた。そりゃそうだ。
「『白魔法かどうか』何ていうのは王家でしか判断できない事でしょう? それとも『新しい技』だからどうしたらいいかわからない、とかふざけたグチを言うためにここへ来たとでも? そもそも、王家特有の魔法は、公の場で確認する事がない魔法です。それを、一臣下である我が家に開示する事で、責を負うのは貴方だけじゃない。我らにも及ぶと分かったうえでの事ですか? もしや…王家は…ポーラス家を潰すおつもりですか?」
お父さまの冷たい声が響く。
「…違うっ…!!」
泣きそうな顔で否定する殿下。でも、それ以上何も言わないと言うことは…バレたらうちにも何かしらの責任が及ぶと言うことはわかっていると言うことだ。ギルティ。
「…お帰りくださ…」
「すまんが…ちょいと待ってもらえるかのぅ…」
お父さまの言葉を遮ったのは、今の今まで一言も喋らなかったおじいちゃんズその3。普段のハイテンションが嘘のように落ち着いた雰囲気を纏っている。
「坊は、負けん気が強すぎてなぁ…。嬢ちゃんに勝手に対抗意識燃やして撃沈するばかりで…拗ねとるんじゃよ…。それはさておいて…今回の事に関しては…わしが全ての責を負うで、話を聞いてもらえんかのう?」
「…いくら研究所の重鎮と言われる貴方でも…王家からの命を覆す程の力をお持ちとは思えませんが?」
「いや…この件に関しては…わしに裁量が任されておる」
意外な一言に王子以外の全員が息を飲む。
「時間も無い事じゃし、話を進めさせてもらってもえぇかの?」
「…拒否権があるなら使わせていただきますが…どうやらそうではなさそうですね?」
「…すまん。その通りじゃ。お主らにはほんに迷惑ばかりかけておる…。じゃが、どうしても嬢ちゃんの協力が欲しいんじゃ」
おじいちゃんズその3…トーレさんが私にひたと視線を合わせる。
「何一つ知識の無いところから、『黒魔法』を探り出し、『魔法』と言うモノを理論を以って解析し、持ち得なかった力を引き出した稀代の魔法師さま。…どうぞ…」
ーーー失伝せし『白魔法』を…取り戻すためにご助力いただきたいーーー
爆弾発言キタコレ☆
「白魔法?『王族しか使えない』ってくらいですかねぇ」
ず…とお茶をすすったらセバスチャンさんからすんごい冷たい視線が飛んできたからお上品に飲む。怖い。
「…あの時…魔法師養成科ではアメリア・ルデバランが発動した魔法が…『白魔法』では無いか、と言う話で大騒ぎになった…」
「はぁ。まぁ何かそんな感じで大変らしいですね?」
「…何かすごくどうでも良さそうじゃ無いか?!」
「そりゃどうでも良いですもん。私には関係ないですし」
ひっ、酷いぃぃぃ! と喚く王子。いや、お前今までの自分の態度思い返してみろよ。わし、迷惑しかかけられとらんし。
むしろ今みたいによーわからんけど進退極まっとるの見てざまぁ、と思っているとも。
「…いや…うん…。そうだよな…。私のせいか…」
うじうじしとる。こっちでもいじけるとのの字書くんやな。新発見。
「殿下。どうでもいいんで本題に入ってください」
パパンは容赦ありません(笑)
ビクッとした後、キリッとした顔されても…。
「すまない。取り乱した。で、だ。彼女を鑑定したところ、属性色は『赤』で、『白』の要素は無かったんだ。だが、『赤魔法』の中に、あれ程白く輝く光を出す魔法が見当たらない事と、『白魔法』自体を誰も見た事がないせいで、一時期収集がつかない状態になった…」
思わず垂れた耳と尻尾の幻覚が見えそうなほどショボーンとした王子。でもな、私らぽかーんよ? ねぇバカなの?
「…殿下。アレのせいで一悶着あるだろうな、とは簡単に予測できた事ですから特に驚きませんけど…」
パパンに青スジが増えた。そりゃそうだ。
「『白魔法かどうか』何ていうのは王家でしか判断できない事でしょう? それとも『新しい技』だからどうしたらいいかわからない、とかふざけたグチを言うためにここへ来たとでも? そもそも、王家特有の魔法は、公の場で確認する事がない魔法です。それを、一臣下である我が家に開示する事で、責を負うのは貴方だけじゃない。我らにも及ぶと分かったうえでの事ですか? もしや…王家は…ポーラス家を潰すおつもりですか?」
お父さまの冷たい声が響く。
「…違うっ…!!」
泣きそうな顔で否定する殿下。でも、それ以上何も言わないと言うことは…バレたらうちにも何かしらの責任が及ぶと言うことはわかっていると言うことだ。ギルティ。
「…お帰りくださ…」
「すまんが…ちょいと待ってもらえるかのぅ…」
お父さまの言葉を遮ったのは、今の今まで一言も喋らなかったおじいちゃんズその3。普段のハイテンションが嘘のように落ち着いた雰囲気を纏っている。
「坊は、負けん気が強すぎてなぁ…。嬢ちゃんに勝手に対抗意識燃やして撃沈するばかりで…拗ねとるんじゃよ…。それはさておいて…今回の事に関しては…わしが全ての責を負うで、話を聞いてもらえんかのう?」
「…いくら研究所の重鎮と言われる貴方でも…王家からの命を覆す程の力をお持ちとは思えませんが?」
「いや…この件に関しては…わしに裁量が任されておる」
意外な一言に王子以外の全員が息を飲む。
「時間も無い事じゃし、話を進めさせてもらってもえぇかの?」
「…拒否権があるなら使わせていただきますが…どうやらそうではなさそうですね?」
「…すまん。その通りじゃ。お主らにはほんに迷惑ばかりかけておる…。じゃが、どうしても嬢ちゃんの協力が欲しいんじゃ」
おじいちゃんズその3…トーレさんが私にひたと視線を合わせる。
「何一つ知識の無いところから、『黒魔法』を探り出し、『魔法』と言うモノを理論を以って解析し、持ち得なかった力を引き出した稀代の魔法師さま。…どうぞ…」
ーーー失伝せし『白魔法』を…取り戻すためにご助力いただきたいーーー
爆弾発言キタコレ☆
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