他人の人生押し付けられたけど自由に生きます

鳥類

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やらかしながら進むのが人生だ

暗雲とは暗黒星雲の事である(違)

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「はーやれやれ…」

 騎士養成科の面々への指導が一段落したことで、以前ほどゴツイ連中に囲まれることも無くなった。たまに様子は見に行くけどね。
 属性魔法を使えなかった者が弱いとはいえ使えるようになったという功績(?)に学園長や一部の教員は沸き立ったが、元々そこまで魔法を重視していない騎士養成科での事であるのと、魔法師養成科でアメリアが学生たちに新たな『技』を身に付けさせたと言う話の方が重要視され、私への関心は一時期に比べて薄れた。
 モンペーズのおかげで絡まれる事も無いが、同時に誰も寄ってこないため、割と平和なぼっち生活を満喫している。

 そして、一時期流行った(?)私の『性格最悪暴力女説』に関しても、思ったより下火なせいか、ヒソヒソも少なくなってきた気がする。

 本日もぼっち生活に何の不便も感じない高位貴族令嬢(笑)の私、影トカゲちゃんと戯れながら中庭でこっそりランチです。ついでに影ヤモリも出してみました。ベンチへの張り付き感がいい感じです。

 うむうむ、と満足しながらお弁当(私ブランドのお野菜入りサンドイッチ)をもぐもぐしていると、近づいてくる足音が…


「ちょっとあんた。どこまでも私の邪魔ばっかりして、本当ムカつくわね」


 …いきなり現れた上罵倒されたぞ? そして私はキサマに近づかないために各種努力を惜しんでいない。それなのに何という言いがかりか。


 普段の『可愛らしさ(笑)』を何処ぞへ忘れて来たと思われるアメリアクソ女が目の前に現れたーーー






 いや、知らんがな。

 私の前に仁王立ちして延々と文句を述べるクソ女。私ぽかんですヨ。何処をどうやっても私のせいじゃない事をなすりつけられても…。
 コイツに会ってまた頭パーーンしたらどないしよ、とガクブルしてたんだが…ぽかんの威力はガクブルを超える。私、知らなかった。

「大体、せっかく私が流してやったあんたのイジメの噂も最近じゃ下火になっただけじゃなく、私が虐めてたって話が実しやかに流れ始めてるのよ?! どういう事よ!」

 いや、だから知らんがな。っつーかそっちは事実やん。

「あんたが居るから私の思い通りにいかないのよ! そもそも、あんたが公爵家に引き取られるとか意味わかんない。私こそが公爵令嬢になるハズだったのよ! この泥棒!」

 意味不明すぎてそろそろしんどい。

「公爵さまが、私を迎えにくるハズだったのに! 何で! 私たちが追い出されて、あんたがその地位に居るのよ!!」

 …あ、実の父のせいか。いやー、あの人『黒持ち』迎えたかっただけですからね。それにあんたが会ったのパパンじゃないですからね。
 そして追い出されたのはお前の母親のせいだよ…。

「魔法にしても、私の功績が目立たないのはあんたのせいだし! 私は前代未聞のすごい魔法師なのに!」

 私も習ったりせずに使えたけどな。


「私は! 特別なの! 誰もに認められて、幸せになれるハズなんだから!」

 だから、邪魔なモノには…消えてもらわなきゃーーー


 悪意しか感じられないその笑みを見た時、一気に血の気が引いた。


「私は幸せになれるハズなの。だって、そうなるために生まれて来たんだもの」



 歌うように呟いたその言葉を残して、アメリアは私の前から去って行った。

 私は…身動きすら出来なかった。



 あいつの嗤った顔が…見た顔に重なったーーー
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