他人の人生押し付けられたけど自由に生きます

鳥類

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やらかしながら進むのが人生だ

やらかしは続くよどこまでも

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「うおぉぉぉ! やったぜぇぇぇえっ!!」

 ポーラス家本邸の一画にある訓練場に、ナイスミドルの野太い雄叫びが響き渡った。

「…めっちゃ嬉しそうやん」
「俺、師匠がはしゃいで走り回ってるの初めて見た」
「思った以上に可愛らしいところもあるんですねぇ」

 そうそう、オッサンのクセにね、何か子どもっぽいというか、たまに可愛い時があるような気がするよね。

「ノアーーーっ! お前やっぱすげぇヤツだったんだな!!」

 おぅよ。崇め奉れ。

「じゃぁ今日のデザート私にください」
「それとこれとは話が別だ」

 やっぱり! 全然! 可愛くない!!






 あの後、属性魔法を使えなかった騎士養成科の学生たちの何人かが弱いながらも『魔法』を発動させた。まぁ、騎士養成科に来る時点で魔力量も大して多くないので、威力とかについては求めてないらしい。『発動できた』事が何より重要なんだそうだ。へぇー。
 …で。


「最初から『無理』って諦めてたから今になったんでしょうが。お父さまたちと一緒に頑張れば良かったんですよ」
「いやその…それは…まぁ…うん…。でもノルディン達は元からある程度使えたから…」

 凹むナイスミドル。まぁわからんでも無いからいいけどな。

 実のところ、弱弱な属性魔法しか使えない事をちょっぴり気にしていたらしいナイスミドルが今になっておずおずと『俺も…使えるようになるかな…』と教えを乞いに来た。で、先程の私の発言になるのだ。

 まぁオッサンのクセに妙に可愛いかったから許すけど。



「うーん、確かに『風』とかって目に見えませんもんねぇ」

 『物質』はイメージしやすいが、存在すれど目に見えない『空気や風』と言ったモノはイメージしにくい。

「だろ? だから、近距離のロウソクを消すくらいしか使えねぇ…」

 実は『緑』の属性色を持つナイスミドルが情けなげに眉を下げる。…確かにその距離だと普通に団扇とかで扇ぐ方が早そう。言わないけど。

「風…風ねぇ…そうだなぁ…」
「いや、俺はもうこのまま身体強化で生きていく…!」

 頭を悩ませる私の横で素振りを始めるナイスミドル。諦めはっや。そして剣振るのもはっや。ちょ、もうちょっと離れてやってくれます?ビュンビュンいってて怖いんですけど。

 ちょっとヤケクソ気味なんじゃなかろうか…と心配になってき始めた頃…ふと、そういや剣から斬撃飛ばす漫画のキャラおった気がするな…と思い出した。

「…ナイスミドルさんや。ちょいと…そうだな、あんさんめっちゃ早ぅ剣振りよりますけど、剣に魔力流しといて…その振った時の風圧…それが飛んでくイメージでやってみてもらえます?」
「…お前本当俺の名前覚えてる? うん…? 振った時の…風圧…? よくわからんが…やってみる」


 結果、斬撃が飛びました☆
 まぁ威力はそこまでじゃ無かったけど…ナイスミドルが祭りました(大笑)


 これにより、魔法は気合いとイメージ力が揃えば使えるようになる、と言うことが立証された。


 そして…私は持てなかった者達を教え導いたということで、『魔法指導者』と呼ばれるようになり、迷惑な事にこの名が学園内に轟いたのであったーーー



 いや、私目立たず大人しくしときたいんですけど?!
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