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人生の黒歴史は大体学生時代に生産される
面倒が面倒を呼ぶ
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「…で? 何か申し開きはあるかね?」
「「………」」
正座している兄弟の前で腕を組んで仁王立ちする。ちなみに彼らの頭の上には影猫がへばりついている。どうだ、ぬるっとした猫の感触は。
「あんなに弱っちぃとは思わなかったんです…」
「ちゃんと『水』だけで対応したじゃん…」
二人とも反省の色が無いね☆
「二人が目立ったせいで私に注目が集まっちゃったからこんな事になってるんですよ!」
こうしてやる! こうしてやる!
影バンド(改)の器用性を活かしたくすぐり攻撃じゃあぁぁぁーーーっ!!
笑い悶える二人にちょびっと溜飲を下げ…
「っははっ! ぐぇっ…でもっ…! 今みたいにビビられてるのはっ…! ノアのせいじゃん…!!」
…くっ、痛いところを突いてきやがる…!
「後っ…! ふひゃひゃっ…! 僕らの魔法が強力なのもっ…ひひっ…姉さまのせいですっ…!」
うむ、そこは正直すまんかった…! でもその点は言い訳させて欲しいよね!
元々めんどかった学園生活が…さらに面倒くさくなってしまったよーーー
一躍時の人と相なったポーラス兄弟。それはいい。それだけなら特に問題は無い。今以上に兄たちがモテるくらいで私に実害は無い。
だがしかしっ…!
「ご兄弟がこれだけ優秀でいらっしゃるんですもの。もちろんノアさまも青魔法の使い手でいらっしゃるのでしょう?」
魔法とは無縁の『淑女科』で息を殺していたにも関わらず…! 私も一気に衆目の前へと引き摺り出されてしまったのであるーーー
「いえ…わたくしは…その…」
「あら、青以外ですの? 公爵閣下は青だけでなくもう一色お持ちなんですのねぇ」
「ではそちらのお色が発現していらっしゃるの? まぁ何色かしら?」
「でも…『青』のお家柄ですのに…?」
「そんな事仰ってはダメですわよ。何色でもよろしいじゃありませんの。そもそも…ノアさまは一色しかお持ちで無いのですから」
「まぁ、そうでしたわね。お母さまは他国の方でしたわね。では、アルノルトさまもですわよね。半分しか我が国の尊い血を引いておられないのにあれほどの力をお持ちなんて!」
探りを入れながら尚且つ貶めてくるその根性…嫌いじゃ無いがしばきたい…!
「あの…わたくしはですね…」
「そうだわ! 鑑定していただけばよろしいのよ! ほら、三学年の…どなただったかしら…? お小さい頃に不遇な境遇でいらした方が、ご自身のお色がよく分からないって仰って、改めて鑑定なさるって聞いたわ!」
「まぁ! じゃぁご一緒になさればノアさまのお色も皆さまに知れてよろしゅうございますわね!」
あかーーーん! あかんヤツやでーーー! 回避回避ーーー!
「あのっ…! わたくしも『青』ですの! でも…お兄さまやアルノルトのように発動出来ないんですのよ」
「まぁ…本当に…? ポーラス家の『青』を発現しておきながら…行使できませんの…?」
私に向けられる視線が一気に蔑みの色に染まる。まぁ、『黒バレ』するくらいなら『無能』の謗りを受ける方がマシだわ。小娘どもの嫌味なぞ私にとっちゃそよ風程度だしな!
ちょっと悔しそうな表情を貼り付けておいて、腹の中では『早よ終わらんかいな…』とぼんやりしていたところへ…
「…ねぇ…ノアさま? 貴女本当に…『青』をお持ちなの?」
カウンター食らって一瞬ビクッとしてしまったのが敗因だ。
「お母さまが他国の方で…『ポーラスの青』を継いでいるのに行使は出来ないなんて…もしかして…」
ーーーノアさまは…『無色』でいらっしゃるんじゃありません?
嘲笑を浮かべた顔は…醜いよ?
「「………」」
正座している兄弟の前で腕を組んで仁王立ちする。ちなみに彼らの頭の上には影猫がへばりついている。どうだ、ぬるっとした猫の感触は。
「あんなに弱っちぃとは思わなかったんです…」
「ちゃんと『水』だけで対応したじゃん…」
二人とも反省の色が無いね☆
「二人が目立ったせいで私に注目が集まっちゃったからこんな事になってるんですよ!」
こうしてやる! こうしてやる!
影バンド(改)の器用性を活かしたくすぐり攻撃じゃあぁぁぁーーーっ!!
笑い悶える二人にちょびっと溜飲を下げ…
「っははっ! ぐぇっ…でもっ…! 今みたいにビビられてるのはっ…! ノアのせいじゃん…!!」
…くっ、痛いところを突いてきやがる…!
「後っ…! ふひゃひゃっ…! 僕らの魔法が強力なのもっ…ひひっ…姉さまのせいですっ…!」
うむ、そこは正直すまんかった…! でもその点は言い訳させて欲しいよね!
元々めんどかった学園生活が…さらに面倒くさくなってしまったよーーー
一躍時の人と相なったポーラス兄弟。それはいい。それだけなら特に問題は無い。今以上に兄たちがモテるくらいで私に実害は無い。
だがしかしっ…!
「ご兄弟がこれだけ優秀でいらっしゃるんですもの。もちろんノアさまも青魔法の使い手でいらっしゃるのでしょう?」
魔法とは無縁の『淑女科』で息を殺していたにも関わらず…! 私も一気に衆目の前へと引き摺り出されてしまったのであるーーー
「いえ…わたくしは…その…」
「あら、青以外ですの? 公爵閣下は青だけでなくもう一色お持ちなんですのねぇ」
「ではそちらのお色が発現していらっしゃるの? まぁ何色かしら?」
「でも…『青』のお家柄ですのに…?」
「そんな事仰ってはダメですわよ。何色でもよろしいじゃありませんの。そもそも…ノアさまは一色しかお持ちで無いのですから」
「まぁ、そうでしたわね。お母さまは他国の方でしたわね。では、アルノルトさまもですわよね。半分しか我が国の尊い血を引いておられないのにあれほどの力をお持ちなんて!」
探りを入れながら尚且つ貶めてくるその根性…嫌いじゃ無いがしばきたい…!
「あの…わたくしはですね…」
「そうだわ! 鑑定していただけばよろしいのよ! ほら、三学年の…どなただったかしら…? お小さい頃に不遇な境遇でいらした方が、ご自身のお色がよく分からないって仰って、改めて鑑定なさるって聞いたわ!」
「まぁ! じゃぁご一緒になさればノアさまのお色も皆さまに知れてよろしゅうございますわね!」
あかーーーん! あかんヤツやでーーー! 回避回避ーーー!
「あのっ…! わたくしも『青』ですの! でも…お兄さまやアルノルトのように発動出来ないんですのよ」
「まぁ…本当に…? ポーラス家の『青』を発現しておきながら…行使できませんの…?」
私に向けられる視線が一気に蔑みの色に染まる。まぁ、『黒バレ』するくらいなら『無能』の謗りを受ける方がマシだわ。小娘どもの嫌味なぞ私にとっちゃそよ風程度だしな!
ちょっと悔しそうな表情を貼り付けておいて、腹の中では『早よ終わらんかいな…』とぼんやりしていたところへ…
「…ねぇ…ノアさま? 貴女本当に…『青』をお持ちなの?」
カウンター食らって一瞬ビクッとしてしまったのが敗因だ。
「お母さまが他国の方で…『ポーラスの青』を継いでいるのに行使は出来ないなんて…もしかして…」
ーーーノアさまは…『無色』でいらっしゃるんじゃありません?
嘲笑を浮かべた顔は…醜いよ?
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