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人生の黒歴史は大体学生時代に生産される
私何もしてないのにーーー!
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「ちょっと! 聞いていらっしゃるの?! 無色のクセに生意気ですわ!」
…あれ? おかしいな? 私、女性では最高位にいるはずなんだが…?
何でわし、絡まれとるんでしょうか…?
「さて、ノア。君の属性色を公表するわけにいかない訳だが…学園に行くに当たって、何かしらの色を決めておこうと思う」
お父さまが入学用の資料らしき物を私に見せる。
「ちなみに行かずに平民化するというのは……あっ、ハイ、冗談でっす!」
ビシッ!っと敬礼しますよ! 凍死待った無しになりそうなので!
「ここで思いっきり『黒☆』って書きたい欲求がムクムクと…」
「要らんところで冒険しようとすんなアンポンタンが」
すぱーん! とナイスミドルのツッコミがキマる。負けない。影モモンガを顔面に貼り付けておく。ふっ、もがくがいい。
「戯れてるところ悪いんだが話を続けるよ? で、どうする?」
「青以外の選択肢が無い気がするんですが」
お父さまのスルースキルがツライ。そしてナイスミドルは私の頭にモモンガちゃんを乗せるんじゃありません。
「私が一応緑も持ってるからね。そちらでも良いが…」
「でも結局どれを持っていても発動できない設定ですからね。割とどーでも良いと言うか…もういっそ『色』を持ってない事にしたら良いのでは?」
私の言葉に二人の眉が下がる。
「うーん…それなんだけどね…。『無色』も…それはそれでマズイというか…」
『無色』と言うのは、その名の通り属性色を持たないことを言う。
基本的に貴族は親や先祖から色を受け継ぐ。しかし、『色持ち』だからと言って、必ずその属性魔法が使えるかと言うと、そうでも無かったりするそうだ。
「あぁ、身体強化特化みたいな」
「バカヤロウ使えるわ! …多少は…!」
魔力も色も持っていても『発動・行使』出来ない貴族は割といるらしい。
「ただ、ここ数十年は戦も起きてないからね。特に発動できないからって問題になる事は無いんだよ。ただし…」
『無色』の場合は違うーーー
「考えてごらん。『魔法』は『貴族』が『属性色』を受け継ぎ行使できる特別な力だ。魔力があれど、『色を受け継がず魔法を使えない』と言うのは…」
「………やっぱ平民になるっていうのは…?」
「「却下っ!!」」
『平民と同じ』なんだから私が平民化すりゃ万事解決だと思うんだけどなぁ…。
結局、一応『青』という事にしといたが、特に問われることもなく平和(?)に学生生活を続けて2年。
割と真面目に勉強しながらひっそりコッソリ大人しく生活を継続していたためか、特に問題もなく過ごせていた。
ーーーついこの間までは。
今年、アルノルトが入学した。
姉ちゃん気合い入れて入学準備手伝った。鬱陶しがられた。何でや。
お兄さまも気合入れて保護者席に座っとった。在学生な上、ちゃんと保護者おるのに陣取ってる兄に、お父さまが困惑しとった。笑う。
ちなみに私は入学式を影トカゲちゃんでリアルタイム視聴したった。ドヤァ…。
アルノルトは魔法師養成科に入ったが、魔法師になりたい訳じゃなく、魔法の研究をしたいだけだ。なので、早々に『魔法研究会』というゼミに突撃した。ちなみに王子もいる。同僚街道まっしぐらである。
だが、そこは『魔法師を養成する学科』なので、当然の如く、必須科目として実技がある。
そこで、弟はやらかした。
言われるままに放った『水球』が、他の人のモノより威力が強過ぎたのである。
そして、一躍ヒーローとなってしまった。
そうなると、兄の威厳というモノが問題となる。
ポーラス家は『青魔法』の第一人者の家系だ。もしや弟の方が当主に相応しいのでは?! と騒ぎ始めた。所属が魔法あんま関係ない『騎士養成科』だしな…。
おいおい、私何もしてないのに勝手に後継問題勃発しおったぞ…! 解せぬ…!
で、ここでさらに兄がやらかした。
騒ぎ立てる魔法師養成科に乗り込んで、そこにいる全員に『水弾』をぶっ放したのだ。
素晴らしい威力と魔力コントロールに一同平伏した。
で、後継問題は落ち着いたのだが…
そのせいで、私に注目が集まってしまったのだーーー
…あれ? おかしいな? 私、女性では最高位にいるはずなんだが…?
何でわし、絡まれとるんでしょうか…?
「さて、ノア。君の属性色を公表するわけにいかない訳だが…学園に行くに当たって、何かしらの色を決めておこうと思う」
お父さまが入学用の資料らしき物を私に見せる。
「ちなみに行かずに平民化するというのは……あっ、ハイ、冗談でっす!」
ビシッ!っと敬礼しますよ! 凍死待った無しになりそうなので!
「ここで思いっきり『黒☆』って書きたい欲求がムクムクと…」
「要らんところで冒険しようとすんなアンポンタンが」
すぱーん! とナイスミドルのツッコミがキマる。負けない。影モモンガを顔面に貼り付けておく。ふっ、もがくがいい。
「戯れてるところ悪いんだが話を続けるよ? で、どうする?」
「青以外の選択肢が無い気がするんですが」
お父さまのスルースキルがツライ。そしてナイスミドルは私の頭にモモンガちゃんを乗せるんじゃありません。
「私が一応緑も持ってるからね。そちらでも良いが…」
「でも結局どれを持っていても発動できない設定ですからね。割とどーでも良いと言うか…もういっそ『色』を持ってない事にしたら良いのでは?」
私の言葉に二人の眉が下がる。
「うーん…それなんだけどね…。『無色』も…それはそれでマズイというか…」
『無色』と言うのは、その名の通り属性色を持たないことを言う。
基本的に貴族は親や先祖から色を受け継ぐ。しかし、『色持ち』だからと言って、必ずその属性魔法が使えるかと言うと、そうでも無かったりするそうだ。
「あぁ、身体強化特化みたいな」
「バカヤロウ使えるわ! …多少は…!」
魔力も色も持っていても『発動・行使』出来ない貴族は割といるらしい。
「ただ、ここ数十年は戦も起きてないからね。特に発動できないからって問題になる事は無いんだよ。ただし…」
『無色』の場合は違うーーー
「考えてごらん。『魔法』は『貴族』が『属性色』を受け継ぎ行使できる特別な力だ。魔力があれど、『色を受け継がず魔法を使えない』と言うのは…」
「………やっぱ平民になるっていうのは…?」
「「却下っ!!」」
『平民と同じ』なんだから私が平民化すりゃ万事解決だと思うんだけどなぁ…。
結局、一応『青』という事にしといたが、特に問われることもなく平和(?)に学生生活を続けて2年。
割と真面目に勉強しながらひっそりコッソリ大人しく生活を継続していたためか、特に問題もなく過ごせていた。
ーーーついこの間までは。
今年、アルノルトが入学した。
姉ちゃん気合い入れて入学準備手伝った。鬱陶しがられた。何でや。
お兄さまも気合入れて保護者席に座っとった。在学生な上、ちゃんと保護者おるのに陣取ってる兄に、お父さまが困惑しとった。笑う。
ちなみに私は入学式を影トカゲちゃんでリアルタイム視聴したった。ドヤァ…。
アルノルトは魔法師養成科に入ったが、魔法師になりたい訳じゃなく、魔法の研究をしたいだけだ。なので、早々に『魔法研究会』というゼミに突撃した。ちなみに王子もいる。同僚街道まっしぐらである。
だが、そこは『魔法師を養成する学科』なので、当然の如く、必須科目として実技がある。
そこで、弟はやらかした。
言われるままに放った『水球』が、他の人のモノより威力が強過ぎたのである。
そして、一躍ヒーローとなってしまった。
そうなると、兄の威厳というモノが問題となる。
ポーラス家は『青魔法』の第一人者の家系だ。もしや弟の方が当主に相応しいのでは?! と騒ぎ始めた。所属が魔法あんま関係ない『騎士養成科』だしな…。
おいおい、私何もしてないのに勝手に後継問題勃発しおったぞ…! 解せぬ…!
で、ここでさらに兄がやらかした。
騒ぎ立てる魔法師養成科に乗り込んで、そこにいる全員に『水弾』をぶっ放したのだ。
素晴らしい威力と魔力コントロールに一同平伏した。
で、後継問題は落ち着いたのだが…
そのせいで、私に注目が集まってしまったのだーーー
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