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人生の黒歴史は大体学生時代に生産される
やらかしたってわかるのは大抵時間が経ってから
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『白魔法』
プラネタリアの王族のみが行使できる特殊な魔法。
その素養は同じく王族の血筋のみに引き継がれ、王籍を抜けると消えると言われている。
それ故、仔細は王家のみに伝えられ、他へ受け継がれることは無いーーー
『黒魔法』
過去行使できた記録の無い未知の属性。
発現率も極めて低い稀少な属性であるが、見た目も相まって『呪い』の類では無いかと推察される。
王家では発現した記録が無いことから、『白魔法』は『呪い』を打ち消す『聖なる力』なのでは無いかという仮説が立てられているーーー
プラネタリア魔法大全・属性解説
私は、分厚い本を静かに閉じたーーー
「ノアの黒魔法は本当によくわからないね」
今日も今日とて我が家に王子が湧いた。何でだ。お帰りはあちらですヨ☆
私の影トカゲちゃんの尻尾を掴んでプラプラさせている。許すまじ。
「殿下。何の御用ですか」
「ノア。心の声がダダもれすぎるよ」
「学園内で関わってくるのを無くしてくださるなら小指の爪の先ほど妥協します」
「わぁ妥協する気ゼロだね」
あはは、と胡散臭い笑顔のこの王子殿下は、相変わらず我が家にしょっちゅう出入りする。一応『お忍び』と言うか、王族が訪れているとわからないようにしているらしいが…下手な噂立てられても困るし本当『来るな☆』って感じだ。
「何だ、シリス殿下はまた来てるのか」
兄よ。そこで受け入れてしまうからいかんのだ。大事なのは拒絶すると言う強い気持ちだ!
「また『黒魔法』の解析に来たんですか? 姉さましかまともに使えなくて比較対象がない以上無駄だと思いますけど」
アルくんがどんどん辛辣な子になっていく…! 姉ちゃんちょっくら心配だよ!
「…そう。そこなんだよ。ノアしか使えない。でも…逆に考えたら…」
ノアなら使えないと思われてたモノすら発動するように出来るんじゃないかーーー?
またなんかよー分からん事言い出したぞ王子…!
食堂の2階、高位貴族のみが入れるサロンの窓際で本を読みながら静かに過ごす。
窓へと視線をやると、遠くに騎士養成科の訓練場が見える。豆粒ほどの大きさの人間がわちゃわちゃ動いているのを見るのはそれなりに楽しい。アレが脳筋集団だと思うと…一気に楽しくなくなるけども。
そこから視線を右に動かすと、魔術師養成科も見える。こちらはさほど人影は見えないが、訓練場と思われる建物内であちらも真面目に訓練をしているのだろう。
私はテーブルの上に置かれている本に目を移した。
『魔法は、受け継がれた尊き血の導きにより、発現・行使できる神秘の力である。それぞれの色で連綿と伝わる技は、宝とも言える。故に発動できる力量を持つ者は最も尊ばれーーー』
「……」
心を落ち着けるために紅茶を一口。
『青魔法』
水・氷といった系統の魔法。多くは水の球を飛ばしたり、近場に水場があれば波を立てることもできる。ただし、素材が水であるため、殺傷力は低い。さらに強い力を有する者は氷をうむことができる。
目を閉じ、かつての日々を振り返る。
…お兄さま…氷で射撃してるね。木にめり込むくらいの。それ見てたお父さまも嬉々として真似してたよね。
…アルくん…水の鞭で雑草薙ぎ払ってたよね。細かいのは引っこ抜いてたし。
もう一度外へ目を移し、青く澄んだ空を見上げる。
…わし、やらかしたかもしれんーーー
プラネタリアの王族のみが行使できる特殊な魔法。
その素養は同じく王族の血筋のみに引き継がれ、王籍を抜けると消えると言われている。
それ故、仔細は王家のみに伝えられ、他へ受け継がれることは無いーーー
『黒魔法』
過去行使できた記録の無い未知の属性。
発現率も極めて低い稀少な属性であるが、見た目も相まって『呪い』の類では無いかと推察される。
王家では発現した記録が無いことから、『白魔法』は『呪い』を打ち消す『聖なる力』なのでは無いかという仮説が立てられているーーー
プラネタリア魔法大全・属性解説
私は、分厚い本を静かに閉じたーーー
「ノアの黒魔法は本当によくわからないね」
今日も今日とて我が家に王子が湧いた。何でだ。お帰りはあちらですヨ☆
私の影トカゲちゃんの尻尾を掴んでプラプラさせている。許すまじ。
「殿下。何の御用ですか」
「ノア。心の声がダダもれすぎるよ」
「学園内で関わってくるのを無くしてくださるなら小指の爪の先ほど妥協します」
「わぁ妥協する気ゼロだね」
あはは、と胡散臭い笑顔のこの王子殿下は、相変わらず我が家にしょっちゅう出入りする。一応『お忍び』と言うか、王族が訪れているとわからないようにしているらしいが…下手な噂立てられても困るし本当『来るな☆』って感じだ。
「何だ、シリス殿下はまた来てるのか」
兄よ。そこで受け入れてしまうからいかんのだ。大事なのは拒絶すると言う強い気持ちだ!
「また『黒魔法』の解析に来たんですか? 姉さましかまともに使えなくて比較対象がない以上無駄だと思いますけど」
アルくんがどんどん辛辣な子になっていく…! 姉ちゃんちょっくら心配だよ!
「…そう。そこなんだよ。ノアしか使えない。でも…逆に考えたら…」
ノアなら使えないと思われてたモノすら発動するように出来るんじゃないかーーー?
またなんかよー分からん事言い出したぞ王子…!
食堂の2階、高位貴族のみが入れるサロンの窓際で本を読みながら静かに過ごす。
窓へと視線をやると、遠くに騎士養成科の訓練場が見える。豆粒ほどの大きさの人間がわちゃわちゃ動いているのを見るのはそれなりに楽しい。アレが脳筋集団だと思うと…一気に楽しくなくなるけども。
そこから視線を右に動かすと、魔術師養成科も見える。こちらはさほど人影は見えないが、訓練場と思われる建物内であちらも真面目に訓練をしているのだろう。
私はテーブルの上に置かれている本に目を移した。
『魔法は、受け継がれた尊き血の導きにより、発現・行使できる神秘の力である。それぞれの色で連綿と伝わる技は、宝とも言える。故に発動できる力量を持つ者は最も尊ばれーーー』
「……」
心を落ち着けるために紅茶を一口。
『青魔法』
水・氷といった系統の魔法。多くは水の球を飛ばしたり、近場に水場があれば波を立てることもできる。ただし、素材が水であるため、殺傷力は低い。さらに強い力を有する者は氷をうむことができる。
目を閉じ、かつての日々を振り返る。
…お兄さま…氷で射撃してるね。木にめり込むくらいの。それ見てたお父さまも嬉々として真似してたよね。
…アルくん…水の鞭で雑草薙ぎ払ってたよね。細かいのは引っこ抜いてたし。
もう一度外へ目を移し、青く澄んだ空を見上げる。
…わし、やらかしたかもしれんーーー
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