38 / 83
人生の黒歴史は大体学生時代に生産される
滂沱、という言葉を使うの初めてです
しおりを挟む
いつか、ここを出ることになるだろうーーー
初めてお父さまに面会し、アルノルトだけでなく、私も『娘』として受け入れてくださり…
居場所ができた。
『この世界』は、私にとって『厳しい世界』だ。
そんな中で『私』が受け入れられた場所。
『モデルケース』のまま進んだのでは決して得られなかった場所だ。
だけど…私が『黒持ち』である以上…『居てはいけない』場所でもある。
いずれ私の存在は隠し通せなくなるだろう。そうすれば、無用なトラブルを引き寄せてしまう。
そうなる前に、『貴族籍』を捨てよう。
大事な『家族』の負担にならないようにーーー
「ノ゛ア゛はっ…! やっばりわだじのごとは『パパ』だとみどめでぐれでながっだんだあぁぁぁーーーっ!!」
…今まで生きてきて…多分前世合わせても…
『滂沱』って表現、使った事なかったなー…
目の前で号泣するお父さま…前後左右に助けてくれる人無し…。むしろ、全方向から非難の視線が刺さる。
えぇ…どうしてこうなった…。
私は…途方に暮れたーーー
『王立ステーラ学園』
プラネタリアの貴族社会への足掛かりとも言える場所である。
…何故…私はここにいるんだろうなーーー
遠い目をしながら廊下を歩く。
理由は簡単だ。
ーーー泣き落としに勝てなかったからだーーー
「お…お父さま…? えぇと…その…お父さまにはこれ以上無いほど良くしていただいて感謝しかありませんよ…?」
別にここが嫌なわけじゃないんやでー。むしろ過分なほどで有り難みしか感じてないんやでー…と伝えてみる。
うわっ、泣き声酷くなった。何でや。
「あの…魔法師系の学科に行かなくても…もし何らかの拍子に『黒バレ』しちゃったりしたら…色んな意味でヤバヤバじゃないですか」
よくわからんがモデルケースでは確か学園入って属性バレするんだよな。んで、クソババァの不貞もバレて二重の意味でやべぇ事になったハズだ。いや、もうクソババァはエターナルグッバイ☆してるが、対外的に私の属性バレはしていない点はモデルケース通りだ。
だったら、私が学園行かなきゃ公爵家安泰じゃん?
まだ社交界デビューもしてないし、誰とも婚約とかしてないから、今フェードアウトしたところでポーラス家が非難されることは無いし。
後、私的にも、今更学生生活とかしたくない。
何か、前世で学生時代の思い出って黒いモノしかなかった気がするんだ。あれ、もしかして特定の年齢頃にかかると言われる病を患ってたのかな、前世の私。知らんけど。
そもそも『学校』とかいうほぼ同年代の集団に入るってだけで、クソのような試練が来そうでマジ怖い。
今の時点でモデルケースから大幅に外れ、公爵家の人たちともめちゃんこいい関係が築けてるのに、降りかかる試練という名の『いちゃもん』で、私だけでなく周りまで傷つけられるのだけは許せない。
「私のせいで…お父さまやお兄さま…ここの人たちみんなが…貶められるのは嫌なんです」
だから…市井へ降ることを許してくださいーーー
「あ、でも許されるならたまに連絡だけはしても…ってうえぇぇぇぇえっ?!!」
下げていた頭を上げた私の目に映ったのは…
『滂沱の涙を流す』公爵家の面々の姿だったーーー
初めてお父さまに面会し、アルノルトだけでなく、私も『娘』として受け入れてくださり…
居場所ができた。
『この世界』は、私にとって『厳しい世界』だ。
そんな中で『私』が受け入れられた場所。
『モデルケース』のまま進んだのでは決して得られなかった場所だ。
だけど…私が『黒持ち』である以上…『居てはいけない』場所でもある。
いずれ私の存在は隠し通せなくなるだろう。そうすれば、無用なトラブルを引き寄せてしまう。
そうなる前に、『貴族籍』を捨てよう。
大事な『家族』の負担にならないようにーーー
「ノ゛ア゛はっ…! やっばりわだじのごとは『パパ』だとみどめでぐれでながっだんだあぁぁぁーーーっ!!」
…今まで生きてきて…多分前世合わせても…
『滂沱』って表現、使った事なかったなー…
目の前で号泣するお父さま…前後左右に助けてくれる人無し…。むしろ、全方向から非難の視線が刺さる。
えぇ…どうしてこうなった…。
私は…途方に暮れたーーー
『王立ステーラ学園』
プラネタリアの貴族社会への足掛かりとも言える場所である。
…何故…私はここにいるんだろうなーーー
遠い目をしながら廊下を歩く。
理由は簡単だ。
ーーー泣き落としに勝てなかったからだーーー
「お…お父さま…? えぇと…その…お父さまにはこれ以上無いほど良くしていただいて感謝しかありませんよ…?」
別にここが嫌なわけじゃないんやでー。むしろ過分なほどで有り難みしか感じてないんやでー…と伝えてみる。
うわっ、泣き声酷くなった。何でや。
「あの…魔法師系の学科に行かなくても…もし何らかの拍子に『黒バレ』しちゃったりしたら…色んな意味でヤバヤバじゃないですか」
よくわからんがモデルケースでは確か学園入って属性バレするんだよな。んで、クソババァの不貞もバレて二重の意味でやべぇ事になったハズだ。いや、もうクソババァはエターナルグッバイ☆してるが、対外的に私の属性バレはしていない点はモデルケース通りだ。
だったら、私が学園行かなきゃ公爵家安泰じゃん?
まだ社交界デビューもしてないし、誰とも婚約とかしてないから、今フェードアウトしたところでポーラス家が非難されることは無いし。
後、私的にも、今更学生生活とかしたくない。
何か、前世で学生時代の思い出って黒いモノしかなかった気がするんだ。あれ、もしかして特定の年齢頃にかかると言われる病を患ってたのかな、前世の私。知らんけど。
そもそも『学校』とかいうほぼ同年代の集団に入るってだけで、クソのような試練が来そうでマジ怖い。
今の時点でモデルケースから大幅に外れ、公爵家の人たちともめちゃんこいい関係が築けてるのに、降りかかる試練という名の『いちゃもん』で、私だけでなく周りまで傷つけられるのだけは許せない。
「私のせいで…お父さまやお兄さま…ここの人たちみんなが…貶められるのは嫌なんです」
だから…市井へ降ることを許してくださいーーー
「あ、でも許されるならたまに連絡だけはしても…ってうえぇぇぇぇえっ?!!」
下げていた頭を上げた私の目に映ったのは…
『滂沱の涙を流す』公爵家の面々の姿だったーーー
70
お気に入りに追加
3,233
あなたにおすすめの小説
何ちゃって神の望まぬ異世界生活
鳥類
ファンタジー
第一部完。
ちょっと時間かかりそうなので、一度ここで締めさせていただきます。
いつもと変わらない日常が続くと思っていたのに…それはある日理不尽に断ち切られた。
何一つわからないままに放り込まれたハードモードサバイバル生活。『生きる』という目的だけで地獄のような環境を乗り越え…こんな状況に陥れた駄女神に天誅ぶちかましてちょっとスッキリ…と思ったら…。
え?私人間辞めちゃってたの?
理不尽に日常を奪われた元アラサー主婦が、子どもの身体に押し込まれ、いつの間にやら人外化。
余りの事に捻くれまくって人嫌いになったけど、お供の暗黒竜と精霊と共に、異世界を漫遊…せずに、とにかく『生きる』お話。
《注意事項》
怪我描写などがあります。ちょっとでも痛い表現あるとキツいです、と言う方はそっとブラウザバックお願いします。
主人公はかなり口が悪いです。後、大分捻くれてるのと、割と酷いです。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!
アラフォー女、二重生活始めます
桜井吏南
ファンタジー
主人公古都音は、未だオタク末期で恋愛未経験のアラフォー。
ある日高校の同級生でシングルファザー直樹と娘のうさぎ・古都音がファンの声優庵を含めた四人は異世界に召喚されてしまい住民権を与えられ、最初の一週間は冒険者になるため養成所は通うことになる。
そして始まる昼間は冴えないオタクOL、夜は冒険者候補生の二重生活。
古都音の日常は急変する。
なろうにも掲載
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる