他人の人生押し付けられたけど自由に生きます

鳥類

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人生山あり谷あり砂丘あり

王子さまは白タイツじゃなかった

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「君が、『黒』の属性持ち?」

 目の前に、金髪碧眼の美少年が現れた。

 闘う
 逃げる
 しばく

 どれが正解だ??






「お兄さま、王子さまの側近になるんですか? 当主業どうすんの? 兼業?」
「農家みたいな言い方すんな。父上もまだまだ元気で若いし、当主としての勉強しつつになるだろうな。まぁ、側近なんてなる気無いけど」

 無いのかよ。

「権威的にいいんじゃないですか? 何かカッコいいし」
「じゃぁアルがなれよー」
「あ、絶対嫌です」

 嫌なのかよ。しかも絶対かよ。

「案外側近の話は建前で、ノアとの婚約の話かもしれないぜ? 同じくらいの年齢で公爵家の令嬢…? だし」

 おい、何で今『令嬢』の部分を疑問系にした?

「百パー無いですわー。お忘れかもしれませんけど、私『黒持ち』ですよ」

「…最近馴染み過ぎて忘れてたけど、そういやお前の属性色『黒』だったな…」
「…ただの雑用魔法として景色の一部と化してましたけど…言われてみれば『忌避属性』でしたね…」

 二人ともすっかり『超絶便利魔法』に毒されたのね☆

「ま、何にしても断ると思うぜ? 父上、何か知らんけど王家のことめっちゃ嫌ってるから」

 お父さま、恨み骨髄ですね(大笑)






「うんとこしょーどっこいしょー 出てくるお芋はどろんこお芋ー」

 ゴロゴロと出てくるサツマイモ。
 おぉ、中々いい出来だわー。スイートポテト食べたい。
 本来なら中々に腰にくる重労働だけど、『影バンド改』を使うとあーら簡単☆労せずしてすぽすぽ抜けちゃうんですのよ☆

 どんどん行けちゃうぜぇ! とテンションマックスで収穫してたらいきなり現れた美少年。

 だから何なの? 私の畑、何でこんなにわけわからん人が湧くの?



「…えーっと、何のことかワカリカネマスー」
「誤魔化す気があるならまず作業をやめるべきだよね」

 中々鋭いツッコミですね!

「と言うか、どちらさまデスカー?」
「ところどころ片言になるの何なの? 後わかってて聞いてるよね?」

 笑顔の圧が上がった!

「イエイエ、ワタシ、お家から出た事ないからワカリマセン」
「そろそろ実のある話し合いがしたいなぁ」

 急募! ナイスミドル!



「…我が家に何のご用でしょうか? 王子殿下」

 わぁ、お部屋がとっても冷蔵庫☆
 そしてお父さま、笑顔なのにお声が低ーい(笑)
 ついでに私の両隣からも冷気が出てるわー。お兄さま、冷気出せるようになったんですねー。後アルは微妙に氷粒出てるからしまいなさい。姉ちゃんぬれちゃうよ。

 面倒くさいからとお父さまのところへ美少年を引っ張って来たら寒さに震えることになりました☆
 ちなみにお芋はちゃんと調理場に預けたよ!

「いや、側近候補がどんな者なのか自ら見極めに参じただけだよ」
「その割に屋敷へ声をかけることなく裏に回られるとは…どういうわけでしょうかね?」
「ポーラス家の庭はよく手入れされていると聞いてね。見てみたかったんだ」

 何だろう、この笑顔の応酬。怖いわー真似できないわー。
 やっぱ早よ自活できるようになろっと。

 …何で今一斉に睨んできたんだ? さては全員読心術の使い手か?


「…お帰りください。臣下として尽くしはしますが…それ以外で王家に近づくつもりはありませんので」



 そーだそーだ早よ帰れ☆
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