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人生山あり谷あり砂丘あり
子どもに丸投げとか酷くない?
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「はいっ! では本日は、アルノルトくんはお水撒き、お兄さまは穴掘り作業です!」
「「はいっ!」」
いい返事の二人に影サンバイザーを装着させると、大分味が出てきた専用鍬を構えた。
異母兄の襲来後、お父さまはすぐさま教師を解雇した。その素早い行動は賞賛に値する。えらい。
だがな…?
アルノルト同様、私を教育係にするんじゃねぇよ(怒)
私のこと何だと思ってるんですかね? 膝突き合わせて小一時間問い詰めたい。
教師からの変なプレッシャーが無くなったせいか、アルが後継の権利を有してない事を聞いたせいか、お兄さまはそう時を経ず青の魔法を使えるようになった。
ただ、魔力量の問題かセンスの問題かはわからないが、アルの方が使いこなしている現実は変わらなかったけど。
それを見て初めの頃は落ち込んでいたようだが、魔力コントロールの過程で身体強化が上手く使えることに気づいてからは、余り気にしなくなったようだ。ナイスミドルに剣を習い始めたせいもあるかもしれない。
…身体強化特化が増殖した気がするが、そこはスルーで。
私を教育係にするにあたって、最初は不満顔&怯え顔だった異母兄。何だかんだで、やはり『黒』は怖い、と言う感覚はあったらしい。
だが、これも早々に解消されたようだ。きっと私の魔法を見て怖さが無くなったに違いない。
黒魔法イズコワクナイ! イエス便利魔法!
「怖くはないが、全体的におかしいからな、お前の魔法は」
「だからナイスミドルは黙って」
あっ、ついに口に出ちゃった☆
ソッコーでしばかれた。
そんなこんなで5年が過ぎて、私は10歳になりました。わーパチパチ。
お兄さまとアルノルトの仲も良く、今更後継争いとか絶対無さそう。
そもそもアルノルトは公爵位に興味無し。いずれ魔法・魔力研究機関に就職したいらしい。
…某おじいちゃんズみたいになったらどうしよう…! 止めるべき…?!
なのに、最近ではすっかり剣に目覚めた兄すら興味を失いつつある。
俺は剣の道に進む! とか眠たい事を宣ってた。
…あれ、ポーラス家ヤバない? ま、いっか。
今日も今日とて魔法練習という名の畑仕事が捗りました。
「いやー、二人ともすっかり立派な農夫になりましたね! この調子で農業極めましょう!」
「いや、俺別に農業極めるつもりはないんだけど」
「僕も」
…二人とも反抗期なの?!
公爵家は今日も平和です☆
「そう言えば、さっき父上の機嫌が悪くてさぁ」
「お父さまの? 便秘かな?」
「…姉さま…例えそうだったとしても、淑女が口に出していいセリフではありません」
可能性として認めてるアルも同罪だと思うの。なのに何で二人してそんな可哀想な子を見る目を向けるのさ?
「アルノルトさまの仰る通りですよ、ノアさま。もう少し淑女教育の時間を増やした方が良いですかな?」
ひえっ! どっから湧いたんですかセバスチャンさん?!
「ノルディンの機嫌が悪ぃのは、王家から通達が来たからさ。多分レイを王子の側近にしたいんだろ」
何せポーラス家は有力貴族だからなぁ、って、あんたも相変わらず湧くんですねナイスミドル氏。
しかしそのトマトは私が後で食べようとアルに冷やしてもらってたヤツじゃないですかね?
処すよ?
「「はいっ!」」
いい返事の二人に影サンバイザーを装着させると、大分味が出てきた専用鍬を構えた。
異母兄の襲来後、お父さまはすぐさま教師を解雇した。その素早い行動は賞賛に値する。えらい。
だがな…?
アルノルト同様、私を教育係にするんじゃねぇよ(怒)
私のこと何だと思ってるんですかね? 膝突き合わせて小一時間問い詰めたい。
教師からの変なプレッシャーが無くなったせいか、アルが後継の権利を有してない事を聞いたせいか、お兄さまはそう時を経ず青の魔法を使えるようになった。
ただ、魔力量の問題かセンスの問題かはわからないが、アルの方が使いこなしている現実は変わらなかったけど。
それを見て初めの頃は落ち込んでいたようだが、魔力コントロールの過程で身体強化が上手く使えることに気づいてからは、余り気にしなくなったようだ。ナイスミドルに剣を習い始めたせいもあるかもしれない。
…身体強化特化が増殖した気がするが、そこはスルーで。
私を教育係にするにあたって、最初は不満顔&怯え顔だった異母兄。何だかんだで、やはり『黒』は怖い、と言う感覚はあったらしい。
だが、これも早々に解消されたようだ。きっと私の魔法を見て怖さが無くなったに違いない。
黒魔法イズコワクナイ! イエス便利魔法!
「怖くはないが、全体的におかしいからな、お前の魔法は」
「だからナイスミドルは黙って」
あっ、ついに口に出ちゃった☆
ソッコーでしばかれた。
そんなこんなで5年が過ぎて、私は10歳になりました。わーパチパチ。
お兄さまとアルノルトの仲も良く、今更後継争いとか絶対無さそう。
そもそもアルノルトは公爵位に興味無し。いずれ魔法・魔力研究機関に就職したいらしい。
…某おじいちゃんズみたいになったらどうしよう…! 止めるべき…?!
なのに、最近ではすっかり剣に目覚めた兄すら興味を失いつつある。
俺は剣の道に進む! とか眠たい事を宣ってた。
…あれ、ポーラス家ヤバない? ま、いっか。
今日も今日とて魔法練習という名の畑仕事が捗りました。
「いやー、二人ともすっかり立派な農夫になりましたね! この調子で農業極めましょう!」
「いや、俺別に農業極めるつもりはないんだけど」
「僕も」
…二人とも反抗期なの?!
公爵家は今日も平和です☆
「そう言えば、さっき父上の機嫌が悪くてさぁ」
「お父さまの? 便秘かな?」
「…姉さま…例えそうだったとしても、淑女が口に出していいセリフではありません」
可能性として認めてるアルも同罪だと思うの。なのに何で二人してそんな可哀想な子を見る目を向けるのさ?
「アルノルトさまの仰る通りですよ、ノアさま。もう少し淑女教育の時間を増やした方が良いですかな?」
ひえっ! どっから湧いたんですかセバスチャンさん?!
「ノルディンの機嫌が悪ぃのは、王家から通達が来たからさ。多分レイを王子の側近にしたいんだろ」
何せポーラス家は有力貴族だからなぁ、って、あんたも相変わらず湧くんですねナイスミドル氏。
しかしそのトマトは私が後で食べようとアルに冷やしてもらってたヤツじゃないですかね?
処すよ?
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