他人の人生押し付けられたけど自由に生きます

鳥類

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人生山あり谷あり砂丘あり

他人が荒ぶってると冷静になるよね

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 本邸でお父さまから紹介されたのは、専属侍女だけではなかった。むしろそちらはついでに近いかもしれない。
 アルノルトを影バンドで背負う私を待っていたのは…

 スーパー元気なおじいちゃんズだった。

 プラネタリア王国が誇る(?)魔法・魔力研究の第一者たちである。
 と、言うのは建前…いや、実際魔法研究をしている機関所属のお偉いさんらしい。そして、専門分野研究の傍ら…密かに行っているのが…

 黒の魔力についての研究なのだ。

 そこそこ長い王国の歴史の中で、表に出る事のなかった…いや、表出させる事を禁じられた属性色。
 いくら主色として発現する者が少ないと言えど、それぞれの時代で一定数は居たはずだし、表立って口に出す事が無いだけで、持っていた者は数多居ただろう。

 ーーー私の実の父親のように。

 口を噤まざるを得ない環境下で、まともに発動出来る者も居ない禁忌の属性色を研究するのは並大抵の事では無かっただろう。しかし、それでも細々と続いていたのは…

 きっと、黒持ちの差別を解消するためーーー



 と、思っていた時期もありました。
 フタを開けてみれば…

 珍しい属性の事を知りたいだけの研究バカマッドサイエンティストどもの集まりだった…!!

「ふぉーっ! コレはすごいのぉ! 見てみぃ、影で紐が出来とるわぃ!」
「何と! よし、嬢ちゃん次はモヤモヤっとしたのだけ出してみてくれ!」
「ふおぉぉぉぉっ! イケる! イケるぞぉっ! わしらコレで属性研究界でテッペン取れるわぃ!」

 ふぉーっふぉっふぉっふぉーーーっ!! という高笑いが連日ポーラス公爵家の一室に響き渡る。

 …私は哀れなモルモット。
 …コレが『試練』だというなら割としばき倒したい。誰をしばけばいいのかわからんけど。とりあえず引き攣りかけた半笑いを浮かべているナイスミドルのズボンで顔を拭いておいた。頭上からの叫び声は無視だ。


 こうして私のモルモット生活は約一年続いた。いや、途中からはポーラス公爵家が黒魔法研究所になっていた。あかんやろ。
 お父さまも、私をモルモットにするだけなら帰って!って言いに来てくださったんだけど…

 ウルトラハイテンションなジジィ共の祭り状態に何も言えずすごすごと引き下がっていった。いや、もうちょっと頑張ってよ、って思ったけど…気持ちはわかる。私も最終的には死んだ魚の目で頑張った。

 で、この有意義(?)な一年で分かった事は…

 記録には残されてないが、やっぱり黒持ちは一定数いる。けど、主色として発現し、なおかつ黒しか持っていないのは現在は私だけ。

 多属性持ちで、サブ属性として黒を持っている場合、発動させられる人はほとんどいない。出来たとしても魔力食いまくるから効率悪過ぎる。多分、イメージ力の問題はあると思うんだけど…イメージ出来ても魔力が足りなきゃダメ。

 おじいちゃんズの中に黒持ちの人が居て、何とか影をカタチにする事が出来たけど、小さい物で、短時間しか原型を止める事が出来なかった。
 …結論




 どうも、世界で唯一の黒の魔法使いです☆
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