他人の人生押し付けられたけど自由に生きます

鳥類

文字の大きさ
上 下
26 / 83
人生山あり谷あり砂丘あり

ご退場されたようです

しおりを挟む
 クソババァが強制送還され、離宮は閉鎖というか、無人になった。…クソババァは最後までクソババァで…結局騎士団を動かすハメになりましたとさ。

 最後通達しに行ったあの後、お父さまはすぐに私たちを本邸へ迎えたかったみたいだけど、お父さまの弟である血縁上の父の事や、私の属性色の事もあり、何やかや面倒なやり取りがあったらしく、しばらくは元の邸にアルノルトと共に生息していた。

 そんで、数日後に何かうるさいなぁ、と思ってたら騎士服着てるお兄さんに引き摺られてるオバさんが遠目に見えたよ。

 ぐっばいかーちゃんもう二度と現れないでね☆



 結局、私とアルノルトが本邸へと入ったのは半年後だった。あ、食料の供給はちゃんとされたし、お世話してくれる使用人さんも二人来てくれたので快適生活でしたよ。ただ、アルは人見知りが凄まじくて基本私の背中にいたけど。

 幼児on幼児再び。

 理由は私の属性色を知った上で、私の教育係を務めてくれる先生が中々見つからなかったせいらしい。

 …いやいや、いくら何でも言い訳として苦しいから。

 まぁ確かに教育係が見つからないのもあっただろうけど、本当の理由は…

 血縁上の父のせいだ。

 私の属性色がわかった時点でお父さまはすぐに彼を捕縛に動いた。ただ、不貞は確実だが、犯罪かと言われたらそうじゃない。身柄を本邸に留めおいて、何故このようなマネをしたのかと尋問していたらしい。
 結局のところ、公爵位の簒奪が主な目的だったそうだが、あんまり詳しくは教えてもらえなかった。

 頑張ってナイスミドルを脅しつけ…げふんげふん、お願い☆して教えてもらったのにぃ。

 幼児に聞かせる話じゃねぇ!って言われちゃったよー。
 いやいや、そこまでしゃべったんなら全部しゃべろうよ。チラ見せで終わるなんてそれ何て焦らしプレイ…!って訴えたらまたしばかれた。解せぬ。


 何はともあれ、血縁上の父親は、一度も顔を合わせない内に退場した。いや、本当、一回も会わなかったな。私が本邸移ってから重なる時期があったはずなんだが…。まぁいいや、会いたいとかカケラも思わんし。
 母親もグッバイしたし、モデルケースから見たらはるかに早い段階で実の両親は退場した。

 ーーー少なくとも、ここまでの試練は割といい状態でクリア出来たんじゃないかなぁ。

 だって、今、私を必要としてくれる人ができたものーーー






 そんなこんなで現在私は五歳になりましたー。わーぱちぱち。


「いい? アルノルト。ここに種を入れるんだよ」
「はいっ!」

 おぉうアルくん、そこに乗ると畝が壊れちゃうよー。
 そして何か木陰から視線を感じるけどスルー。

「ねえさま、ちゃんといれました!」
「おぉアルは上手だねー! じゃぁお砂かけようかー。ふわっとだよーふわっとねー」

 はい! と非常に返事がいい。可愛い。いい子に育ってくれて姉ちゃん嬉しいよ。
 しかしめっちゃ上からポンポンしとる。砂山作っとる時と同じだね? 固めすぎぃ。



 本邸に移った際、私に専属の侍女がついた。アルノルトには乳母がついたのだが、人見知り大爆発させたために私が大抵の面倒を見る事になった。まぁ、オムツが外れる頃には環境にも慣れてお世話係さんを受け入れるようになっていた。
 …でも、私にべったりなのは変わらない。


…あれ、マザコン&シスコン拗らせかけ? やべぇヤツですか?
しおりを挟む
感想 165

あなたにおすすめの小説

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。 女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。 前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る! そんな変わった公爵令嬢の物語。 アルファポリスOnly 2019/4/21 完結しました。 沢山のお気に入り、本当に感謝します。 7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。 2021年9月。 ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。 10月、再び完結に戻します。 御声援御愛読ありがとうございました。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

処理中です...