他人の人生押し付けられたけど自由に生きます

鳥類

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試練の多い人生を歩むらしい

呼ばれて飛び出て…?

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 よーしよしよし、言質取ったぞー! これで弟と安心してあの屋敷で暮らせるわ。あ、教師は派遣でお願いしますね。うちに住み込まれるとお世話できませんから。
 アルノルトー! 姉ちゃん頑張ったぞー!

 背中の弟を揺すってやるとまた嬉しそうにキャッキャと笑う。可愛い。

「…あー…その…だな。背中の…アルノルトだったか…? について…聞きたいのだが…」

 まさに恐る恐る、と言った感じで話しかけてくる公爵さま。美形のおどおど可愛い。ゴチです☆

「このこはわたしのおとうとです。おくさまがいうには、こうしゃくけのあとつぎにするっていってました」

 …おぉ、三人が同時に頭抱えたぞ。すげぇ。

「…あー…ノルディン…? お前…また…?」
「…いや…初夜であんな事になって、ダニエラを離宮へ移してから一度も顔を合わせていない…」
「そもそも…お嬢さまのご出産後、ポーラス家の長女として届けを出すよう連絡を受けて以降…何の音沙汰もありませんでしたから油断しておりましたが…まさか後継を名乗る子を産んでいるとは…」

 んん…? どうやらアルノルトの存在知らなかったみたいですね?
 っつーことは、既成事実もなしに後継名乗らせてんのかよ。
 頭悪そうと思ってたけど本格的に悪かったらしい。兄弟の見た目似てるし、私の時に嫡出子として受け入れられたからイケると思ったのか?

 それとも…公爵位の簒奪を狙ってる…?

 …公爵さまの弟がどう考えてるかはわからんが、あのババァにそんな頭はない気がする。
 多分、私の属性で不貞がバレちゃう事とか知らないんじゃね?
 アルノルトの方は…仕込まれてもないのにどうやって誤魔化すつもりだったのかは知らんけど。アイツの思考回路は読めん。読みたくも無いけど。

 ま、何はともあれ生活と教育の補償はされたし余は満足じゃ。

「その…ノア…?」

 そろそろじゃがいも収穫しないとなー。

「…えっと…。ノ…ノア…ちゃん…?」

 もうしばらくしたらアルの離乳食も考えないとな。昆布とかあんのかな?

「………ゲイル…」
「~~~あぁもぅっ! ノルディン、ちゃんと伝えたろう?! おいチビっ子!」

 考え事してたら小突かれましたよ。暴力反対。

「なんですかナイスミ…じゃなかったゲイルさん? いたいですぼうりょくはんたいです」
「お前今俺のこと何て呼ぼうとした? ちょっと話し合いが必要か? ん?」

 ちょ、ほっぺが伸びてしまいますよ! カ○ーパンマンみたいな形になったらどうしてくれるんですか!

「…ゲイルさま…」
「はいっ! すみません! あのなチビっ子。さっきから呼ばれてんだろ。ありゃお前の事だ。ちゃんと返事しろ」

 流石です有能執事セバスチャンさん!
 そして、私、呼ばれてました?

「…ノア…」

 美形の情けない顔って滾りますね☆

「………ノア…?」

 ーーー資料に記載されていたので記憶としては知っていた呼び名。生まれてこの方一度だって呼ばれた事の無い名前。
 ここに生まれてきて、誰も私に教えてくれなかった『記号なまえ』。

「……はい。なんでしょうか、こうしゃくさま」

 呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーーーン!☆って、古いかな?(笑)
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