他人の人生押し付けられたけど自由に生きます

鳥類

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試練の多い人生を歩むらしい

魔法の先生ゲットだぜ!

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「お前は今、魔力で肉体を強化してる」

 …へぇー…そうなんだ。

 キリッ! とした顔でオッサンが説明してくれました。私、いわゆる『身体強化』を無意識発動してるそうです。わーすごーいパチパチ。

 まぁ確かに言われてみれば、どう考えても一歳児の身体能力ではないな。めちゃくそ幼児体型なのにフラつかず走れるし、椅子とか登れるし。なるほど、私、マジ魔法使いだった。

「あ゛あ゛ぁぁわかるわけねぇよなぁぁぁ!」

 勝手に自己完結して納得してたら、私が理解してないと思ったおっさんが騒ぎ出した。座り込んで頭掻きむしってるけど…ハゲるよ? 大丈夫?
 近寄って頭ぽんぽんしてあげた。私優しい。

「…あー…ありがとな…? うーん…でもこのままにしとくわけにゃいかねぇし…」

 あーだこーだとうだうだ悩み始めたオッサンをこのまま放置して帰るのは簡単だが、この際だから魔力についてもっと知りたい。

 それに…恐らくこのオッサンは貴族階級の人間だ。

 いつもくたびれた格好してるが、決して不潔ではない。早々風呂に入れない私の方が余程汚いくらいだ。

 そして…十中八九、父の関係者だろう。

 マリアンヌが私の乳母としてここへ来た時…初めは父が私を監視するために送り込んで来た諜報員かと思っていた。…全っ然違ったけど。あいつに諜報活動とか絶対無理。
 生まれてすぐに母親は私を見放したが、腐っても元王族、しかも他国から輿入れしてきた女だ。何がしかの監視体制は取っているだろう。

 そんな中での『私』という存在だ。

 多分、乳母のおばあちゃんが居た時も時折り様子見に来ていたのだろうが…乳離れがやっと済んだだろう幼児、まだまだまったり監視してればいいや…くらいに思っていただろうに…

 いきなり魔力発動、しかも使いこなしてる。

 そりゃビビる。
 だが、母親…というか他国の干渉は見えない。じゃぁ乳母がなんかしてるのか? と思えども、何もしてない(虐待はしてるがな)

 放置はできない。でも、私に価値がある事が母親にバレるのもよろしくない。さてどうしよう…となって、頑張った結果が、きっと…

 コッソリ餌付けだったんだろうな…。
 苦肉の策=餌付け。笑う。

 まぁ、何はともあれ、私は魔法の先生をゲットした訳である。






「お前の『身体強化』は本当に凄いな。全身に均等に施せるって事はコントロールが上手いからだし、持続時間も長いって事は、魔力量も多いって事だ。」

 普通は部分的に強化したり、持続時間も短いんだ、とナイスミドルがしみじみと言う。
 魔力を感じ取り、コントロールして魔法という形で行使する貴族階級の者たちでも、身体強化は難しいらしい。
 むしろ、属性魔法を得意とする『魔法師』達は、身体を強化する方へ魔力を回すのは無駄遣い、それより発動する魔法をより強くするために使うわ、というスタンスらしい。
 従って、属性持ちでも上手く魔法を放てないタイプや脳筋タイプしか身体強化は練習しないそうだ。

 …ナイスミドルなこの人は間違いなく後者のうきんだと思う。

 チラッと視線を送っただけなのに、ムッとした顔をしたオッサンに小突かれた。

 何でバレたし。
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