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試練の多い人生を歩むらしい
予備知識はあってもそれが全てでは無い
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…と、いうわけで、新たな人生歩み始めてかれこれ二年経ちました。
今のところ、オバハン(母親)と関わる事もなく生きてます。特に恋しくも無いし、これからもよろしくするつもりも無いからこの時点ですでに試練内容変わってるんじゃ無いかなー。
まぁ、試練とか気にせず自由に生きてますけどね!
「…正直に言いますと…あなたがどう言う生き方をしようとも、その生が終わって消滅することはないでしょう」
話し合いも終わり、さぁ転生しますよー、という時になって所長さんがそう言った。
「…それは…どういう…?」
「あなたのカードは取られてしまいましたが…初ご臨終だったためにカードを新規作成した職員が記録内容をいくらか覚えていましてね」
私自身は可もなく不可もない人生生きたな、という感想しかなかったが、格や質の観点から見た際、初回にしては中々のモノだったそうな。
そんな『それなりに善良』な資質持ちの私が、記憶を持ったまま行くのだから、今以上の下落は起こり得ない…と言う事らしい。
…適当だな?! と思った私、悪くない、絶対。
そうしてやってきたこの世界。
うすらぼんやりとした前世の記憶と現在私が置かれている立場に関する知識、今後起こるかもしれない試練という名の事象…。
これらの与えてもらった武器で今日も元気に生きてます。
「あっちの方が大きい! 替えて!」
…目の前に座る幼児(そういう私も幼児だが)が、私の皿に乗る肉を見て喚く。
「こら、ダメよアメリア。あれはお嬢さまのご飯よ」
「やだやだ! メリおなかすいたもん! 大きいのがいいもん!」
「…もー…仕方ないわねぇ…。お嬢さま、アメリアが食べ終わるまでこの皿に手をつけないでいただけますか? おかわりするかもしれませんから」
んんー…? 私とて腹は空いておるがな…? お前の肉を残せば良くないか…? などとは思えども…面倒くさい&叩かれるのはごめんなので大人しく肉の皿を避け、サラダをモシャる。
今日のサラダもクッソマズイな! 庭の草じゃね?
そんでスープもほぼお湯やんね。
我お嬢さまぞ? やんごとなき身分やぞ?
お前のお仕事思い出せ?
胸中で延々と文句を垂れ流しながら、私用に準備された食事(?)をもくもくと進める。
目の前では私より数ヶ月ほど早く生まれたと言う幼児とその母親がそれなりに美味しそうな食事を摂っている。
…そう。
この非常識親子の母親が、現在の私の乳母である。
生まれた時からお世話をしてくれたおばあちゃん乳母さんは、私が一歳になった頃に腰を痛めて息子夫婦の家に下がった。
退職する間際…おばあちゃんは痛む腰をさすりながら奮闘してくれた。
だってまず間違いなくあの母親は私の面倒見ないもんな。
このままではまだまだ赤子の私は近いうちに死んでしまうだろう。そんな事許されるはずが無い! と鼻息も荒く代わりの乳母を雇うよう直談判しに行ったらしい。強い。
で、やって来たのがこの親娘。ちょっと資金繰りがヤバヤバな子爵家の娘らしい。
…ちなみに未婚の母らしい。
「おかあさま、おかわり!」
「はいはい、しっかり食べて大きくなりなさいね」
ガッツガツ食ってる幼児に優しく微笑む母親…微笑ましい光景なんだろうけど…私の肉なんですけどねぇ…。
サラダとスープ、そして小さな黒パンをもそもそと食べて席を離れる。
…あぁ…今日も空が青いわー…
きゃっきゃと楽しそうな室内から離れて、屋敷の庭へと足を進めた。
今のところ、オバハン(母親)と関わる事もなく生きてます。特に恋しくも無いし、これからもよろしくするつもりも無いからこの時点ですでに試練内容変わってるんじゃ無いかなー。
まぁ、試練とか気にせず自由に生きてますけどね!
「…正直に言いますと…あなたがどう言う生き方をしようとも、その生が終わって消滅することはないでしょう」
話し合いも終わり、さぁ転生しますよー、という時になって所長さんがそう言った。
「…それは…どういう…?」
「あなたのカードは取られてしまいましたが…初ご臨終だったためにカードを新規作成した職員が記録内容をいくらか覚えていましてね」
私自身は可もなく不可もない人生生きたな、という感想しかなかったが、格や質の観点から見た際、初回にしては中々のモノだったそうな。
そんな『それなりに善良』な資質持ちの私が、記憶を持ったまま行くのだから、今以上の下落は起こり得ない…と言う事らしい。
…適当だな?! と思った私、悪くない、絶対。
そうしてやってきたこの世界。
うすらぼんやりとした前世の記憶と現在私が置かれている立場に関する知識、今後起こるかもしれない試練という名の事象…。
これらの与えてもらった武器で今日も元気に生きてます。
「あっちの方が大きい! 替えて!」
…目の前に座る幼児(そういう私も幼児だが)が、私の皿に乗る肉を見て喚く。
「こら、ダメよアメリア。あれはお嬢さまのご飯よ」
「やだやだ! メリおなかすいたもん! 大きいのがいいもん!」
「…もー…仕方ないわねぇ…。お嬢さま、アメリアが食べ終わるまでこの皿に手をつけないでいただけますか? おかわりするかもしれませんから」
んんー…? 私とて腹は空いておるがな…? お前の肉を残せば良くないか…? などとは思えども…面倒くさい&叩かれるのはごめんなので大人しく肉の皿を避け、サラダをモシャる。
今日のサラダもクッソマズイな! 庭の草じゃね?
そんでスープもほぼお湯やんね。
我お嬢さまぞ? やんごとなき身分やぞ?
お前のお仕事思い出せ?
胸中で延々と文句を垂れ流しながら、私用に準備された食事(?)をもくもくと進める。
目の前では私より数ヶ月ほど早く生まれたと言う幼児とその母親がそれなりに美味しそうな食事を摂っている。
…そう。
この非常識親子の母親が、現在の私の乳母である。
生まれた時からお世話をしてくれたおばあちゃん乳母さんは、私が一歳になった頃に腰を痛めて息子夫婦の家に下がった。
退職する間際…おばあちゃんは痛む腰をさすりながら奮闘してくれた。
だってまず間違いなくあの母親は私の面倒見ないもんな。
このままではまだまだ赤子の私は近いうちに死んでしまうだろう。そんな事許されるはずが無い! と鼻息も荒く代わりの乳母を雇うよう直談判しに行ったらしい。強い。
で、やって来たのがこの親娘。ちょっと資金繰りがヤバヤバな子爵家の娘らしい。
…ちなみに未婚の母らしい。
「おかあさま、おかわり!」
「はいはい、しっかり食べて大きくなりなさいね」
ガッツガツ食ってる幼児に優しく微笑む母親…微笑ましい光景なんだろうけど…私の肉なんですけどねぇ…。
サラダとスープ、そして小さな黒パンをもそもそと食べて席を離れる。
…あぁ…今日も空が青いわー…
きゃっきゃと楽しそうな室内から離れて、屋敷の庭へと足を進めた。
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