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2話
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俺が成宮に告白してから1週間が過ぎた。
成宮は俺の言ったとおりに無視をしてくれてた。うん、これでいいんだ。
「なぁ高瀬。お前さ、成宮となんかあったのか?」
急にそんなことを聞かれ顔を上げれば前の席に座って俺を見てる木戸がいた。
「なんで?」
俺は内心焦りながら聞き返した。
「ここ最近、一緒につるんでないじゃん。だからだよ」
木戸は俺をマジマジと見てくる。
「そんなことないけど…。俺があんまり一緒にいると迷惑だろ?だからだよ」
俺は苦笑を浮かべる。本当のこは言えない。だからこれでいいんだ。
「まぁ成宮は誰にでも優しいからな。だけど迷惑だとは思ってねぇと思うぞ?」
木戸は成宮の方を見て言う。だから俺もつられて成宮を見る。今日も他のヤツらと喋ってる。
「木戸は…木戸はなんでここにいんの?」
それが知りたくて聞いてみた。
「ん?高瀬が気になったから。最近ずっと暗い顔してるからさ。相談ぐらいのるぜ?」
木戸が頭を撫でてくる。
「ありがとう。でも大丈夫。もう解決してる問題だから…自分で吹っ切れてないだけ」
そうとしか言えない。そしたらまた頭を撫でられた。ずっと成宮の方を見てたから視線が合った。でもなんか怒ってるっぽい感じ。
なんかしたかな?
俺はそう思いながら視線を外した。
「結構みんなお前のことを心配してんだからマジで相談しろよ」
木戸はそれだけ言って成宮たちの方へ戻っていた。
「ごめん」
こればっかりはもうどうしようもできないことだから…
いつからだろうか?俺が成宮のことを好きだと思うようになったのは…。
初めは気の迷いだって思ったんだけどな。
成宮は本当に誰にでも優しくて、それが安心できて傍にいて楽しかった。
凄く優しく笑いかけられる笑顔もカッコよくて気が付いたら好きになっていた。
それから成宮のことを意識し始めたんだっけ…。
俺は小さく息を吐き窓の外を見る。
今日もこれで授業が終わりだし後は帰るだけ。俺は帰る準備を始めた。
誰にも気づかれないように立ち上がるとカバンを持って教室を出ていこうとした。
したんだけど…
「あっ、高ちゃん。成の発案でこれからみんなでカラオケに行かないかって話になったんだけど一緒にどう?」
見事に見つかった。なんでバレるんだよ。みんな俺のことを監視してるのか?
「あ~、ごめん。これから俺バイトなんだ」
うん、嘘はいってない。
「へっ?嘘?」
「マジ?」
「なんで?」
「いつの間に?」
あれ?なんでこんな反応が返ってくるの?なんかみんなマジで驚いてるんだけど…
「えっと3日ぐらい前から?親戚の人に頼まれてコンビニでバイトしてるけど?」
何を説明してるんだ俺は…。なんかますますみんなは驚いた顔をする。
「じゃぁ、時間ないから」
俺は驚いてるみんなを振り切って教室を飛び出した。
「あっ…ちょ…高ちゃん」
なんて呼ばれた気もするけど気にしないで帰ることにした。
学校から直で俺はバイト先のコンビニ行く。
「おはようございます」
挨拶をして店の奥に入り店用の制服に着替えて店内に出てくる。今の俺はレジだけ任されてる感じ。だからいつもレジにいる。パートさんと交代して今日も戦闘開始。
ここのコンビニって客入りが結構よくて、わりと混むんだよね。
バイト初めて3日しか経ってないから苦労することも多い。なんで俺は引き受けたんだろうって思うよ。
でもバイトしてるときは余計なことを考えなくてすむからいんだけどさ。
「雅孝くん、お疲れもう上がっていいよ」
不意に名前を呼ばれ時計を見ればとっくに俺の勤務時間は過ぎてた。
「あ、はい。じゃぁ、お先に失礼します」
取り合えずやりかけの仕事だけちゃんと片付けて店の奥に戻り学校の制服に着替えて荷物を持って店を出た。
そこで足が止まってしまう。
「な…なんで…なんで…いるの?」
だってそこにはバイクに跨ってハンドルに凭れてる成宮がいたから…。
「ちょっと話がしたくて。少しいいか?」
成宮の言葉に驚きながら
「ここで?」
聞き返せば
「ここじゃあれだから送る。乗れよ」
成宮は俺にヘルメットを投げてくるから、それを受け取り成宮の後ろに乗った。
成宮は俺が乗るとバイクを走らせた。
で、行き着いた場所は俺の家の近くにある公園。家まで送るって言われたけどここでいいって俺が言った。
「で?…話って?」
俺はバイクから降りて成宮にヘルメットを返す。
「俺なりに考えた結論。俺は高瀬のこと恋愛感情で好きとか思えない。だけど…」
うん、やっぱりな答えだね。そんなことを言うために来たのかな?
「だけど、俺は親友としての高瀬は好きだ。だから高瀬のことを無視しろって言うのはなしにしたい。ダメか?」
成宮の言葉に驚いた。でも…
「ごめん。それはやっぱりできない。だから今のまま俺を無視しててよ。じゃぁ、送ってくれてありがとう」
俺は変わらない自分の意思を成宮に告げると逃げるように公園を後にした。後ろで俺を呼ぶ声がしたけど聞こえないふりをしたんだ。
お願いだから俺の決心を鈍らせないでほしい。
これ以上…俺にかかわらなくていいから…
ごめん…
成宮は俺の言ったとおりに無視をしてくれてた。うん、これでいいんだ。
「なぁ高瀬。お前さ、成宮となんかあったのか?」
急にそんなことを聞かれ顔を上げれば前の席に座って俺を見てる木戸がいた。
「なんで?」
俺は内心焦りながら聞き返した。
「ここ最近、一緒につるんでないじゃん。だからだよ」
木戸は俺をマジマジと見てくる。
「そんなことないけど…。俺があんまり一緒にいると迷惑だろ?だからだよ」
俺は苦笑を浮かべる。本当のこは言えない。だからこれでいいんだ。
「まぁ成宮は誰にでも優しいからな。だけど迷惑だとは思ってねぇと思うぞ?」
木戸は成宮の方を見て言う。だから俺もつられて成宮を見る。今日も他のヤツらと喋ってる。
「木戸は…木戸はなんでここにいんの?」
それが知りたくて聞いてみた。
「ん?高瀬が気になったから。最近ずっと暗い顔してるからさ。相談ぐらいのるぜ?」
木戸が頭を撫でてくる。
「ありがとう。でも大丈夫。もう解決してる問題だから…自分で吹っ切れてないだけ」
そうとしか言えない。そしたらまた頭を撫でられた。ずっと成宮の方を見てたから視線が合った。でもなんか怒ってるっぽい感じ。
なんかしたかな?
俺はそう思いながら視線を外した。
「結構みんなお前のことを心配してんだからマジで相談しろよ」
木戸はそれだけ言って成宮たちの方へ戻っていた。
「ごめん」
こればっかりはもうどうしようもできないことだから…
いつからだろうか?俺が成宮のことを好きだと思うようになったのは…。
初めは気の迷いだって思ったんだけどな。
成宮は本当に誰にでも優しくて、それが安心できて傍にいて楽しかった。
凄く優しく笑いかけられる笑顔もカッコよくて気が付いたら好きになっていた。
それから成宮のことを意識し始めたんだっけ…。
俺は小さく息を吐き窓の外を見る。
今日もこれで授業が終わりだし後は帰るだけ。俺は帰る準備を始めた。
誰にも気づかれないように立ち上がるとカバンを持って教室を出ていこうとした。
したんだけど…
「あっ、高ちゃん。成の発案でこれからみんなでカラオケに行かないかって話になったんだけど一緒にどう?」
見事に見つかった。なんでバレるんだよ。みんな俺のことを監視してるのか?
「あ~、ごめん。これから俺バイトなんだ」
うん、嘘はいってない。
「へっ?嘘?」
「マジ?」
「なんで?」
「いつの間に?」
あれ?なんでこんな反応が返ってくるの?なんかみんなマジで驚いてるんだけど…
「えっと3日ぐらい前から?親戚の人に頼まれてコンビニでバイトしてるけど?」
何を説明してるんだ俺は…。なんかますますみんなは驚いた顔をする。
「じゃぁ、時間ないから」
俺は驚いてるみんなを振り切って教室を飛び出した。
「あっ…ちょ…高ちゃん」
なんて呼ばれた気もするけど気にしないで帰ることにした。
学校から直で俺はバイト先のコンビニ行く。
「おはようございます」
挨拶をして店の奥に入り店用の制服に着替えて店内に出てくる。今の俺はレジだけ任されてる感じ。だからいつもレジにいる。パートさんと交代して今日も戦闘開始。
ここのコンビニって客入りが結構よくて、わりと混むんだよね。
バイト初めて3日しか経ってないから苦労することも多い。なんで俺は引き受けたんだろうって思うよ。
でもバイトしてるときは余計なことを考えなくてすむからいんだけどさ。
「雅孝くん、お疲れもう上がっていいよ」
不意に名前を呼ばれ時計を見ればとっくに俺の勤務時間は過ぎてた。
「あ、はい。じゃぁ、お先に失礼します」
取り合えずやりかけの仕事だけちゃんと片付けて店の奥に戻り学校の制服に着替えて荷物を持って店を出た。
そこで足が止まってしまう。
「な…なんで…なんで…いるの?」
だってそこにはバイクに跨ってハンドルに凭れてる成宮がいたから…。
「ちょっと話がしたくて。少しいいか?」
成宮の言葉に驚きながら
「ここで?」
聞き返せば
「ここじゃあれだから送る。乗れよ」
成宮は俺にヘルメットを投げてくるから、それを受け取り成宮の後ろに乗った。
成宮は俺が乗るとバイクを走らせた。
で、行き着いた場所は俺の家の近くにある公園。家まで送るって言われたけどここでいいって俺が言った。
「で?…話って?」
俺はバイクから降りて成宮にヘルメットを返す。
「俺なりに考えた結論。俺は高瀬のこと恋愛感情で好きとか思えない。だけど…」
うん、やっぱりな答えだね。そんなことを言うために来たのかな?
「だけど、俺は親友としての高瀬は好きだ。だから高瀬のことを無視しろって言うのはなしにしたい。ダメか?」
成宮の言葉に驚いた。でも…
「ごめん。それはやっぱりできない。だから今のまま俺を無視しててよ。じゃぁ、送ってくれてありがとう」
俺は変わらない自分の意思を成宮に告げると逃げるように公園を後にした。後ろで俺を呼ぶ声がしたけど聞こえないふりをしたんだ。
お願いだから俺の決心を鈍らせないでほしい。
これ以上…俺にかかわらなくていいから…
ごめん…
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