寄せ集めの短編集

槇瀬光琉

文字の大きさ
上 下
19 / 31

傍にいる大切さ

しおりを挟む
傍にいる大切さ。
それは俺の幸せなひと時。


傍にいる大切さ。
それは安らぎのひと時。


今日も忙しなく益田が家の中を行ったり着たりと動いている。
俺はそんな益田を見ては本のページを1枚捲る。
そんな状態だから本の内容なんか覚えちゃいねぇ。

「加賀見?俺になんかついてるのか?」
時折、俺の視線に気付いた益田が声をかけてくる。
「別に」
その度に俺はそう答えて視線を本に戻す。

ただもう少し傍に来て欲しいだけ。
できたら隣に座って欲しいだけ。

そんな事口に出していってやらねぇ。
どうせすぐにばれる事だから。

俺はに事もないように本に集中し始める。
でも耳はしっかりと益田が発する音を捉えている。
急に静かになると不安になりキョロキョロと探してしまう。

「ほい。コーヒー」
突然、目の前にコーヒーの入ったカップを差し出される。
「サンキュー」
俺はそれを受け取り口に運ぶ。

「よっこいせ」
そういいながら益田が隣に座り雑誌を広げる。
「終わったのか?」
だからつい聞いてしまう。

「当たり前。今日は天気がいいしどっかいくか?」
益田が見ているのはレジャーの雑誌のようだ。
「いやだ」
聞こえないように呟いてみる。

「わがままなんだから加賀見は…。まぁいいか」
でも益田にはしっかり聞こえてるんだよな。
「るっせぇ」
どうせ俺はわがままだよ。誰のせぇだよ。

「だったら買い物ぐらいは付き合えよ。今夜は加賀見のの好きなもの作るからさ」
ん。それぐらいならいいかな。
「好きだぜ。加賀見」
そういって益田が触れるだけのキスをしてくる。


傍にいるひと時。
それは大切な時間。

 
誰にも邪魔できない…。
俺たちだけの時間。


Fin
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

生意気な少年は男の遊び道具にされる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

助けの来ない状況で少年は壊れるまで嬲られる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

処理中です...