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気づきたくなかった…
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気付きたくなかったこんな想い。
俺と健は所謂セフレ。
健が言い出せば俺が抱かれる。
そんな関係だった。
健には俺以外にもそんな相手がいるのは知ってたしわかってた。
でも俺たちにセフレ以上の感情はない。
そう思ってた。
そう思ってたのに…
「バカだな俺」
ある日、気が付いてしまった。自分の中にある本当の気持ちに…。
俺は健が好きだ。だけどあいつは俺のことを好きじゃない。
「ホント、バカみてぇ」
俺はもう一度呟き歩き出した。
今夜は違う相手を抱いてるところだろう。
そろそろ俺も終わりにするかなぁ。あいつとの関係を…。
「ホント、バカみてぇだ」
何度目かの呟き。
「それどういう意味?」
突然、後ろからそんな言葉が飛んでくる。驚いて振り返ったら健がいた。
「な…なんで?」
驚きで言葉が出ない。どうしてここにいるのかがわからない。
「ん?捜してたから」
なんてあっさり言われた。
「たかがセフレの一人お前が捜す必要ねぇだろ?」
俺は健から視線を外す。
「そうもいかないんだよね。自分で気が付いちゃったからさ」
健はそういうと俺を抱きしめた。
「なっ…なんだよ…」
俺はどうしていいのかわからない。
「有希が好き。こんな気持ちは初めてだよ。俺が一人のことばかり考えるの」
健の言葉に固まる。
今なんと言った?
俺が好き?
「うっ…嘘だろ?」
聞き間違いだろ?だってそんなはずがあるわけがないだろ?
「嘘じゃない。セフレだって全部手を切ってきた。有希が好きなんだ」
健の言葉にますます固まる。この男がセフレと手を切っただなんて…。
「なんで?俺のことが好き?嘘だろ?」
ちゃんと頭が働いてくれない。あまりにも突然のことだから…。
「嘘じゃないよ。全部、本当だし本気。だからねっ?有希の気持ち聞かせてほしい」
健は俺の顔をじっと見つめる。俺は…
「俺は…す…好きだ…俺が健を…好きで…いてもいいのかよ」
そこまで口にしたら力強く抱きしめられた。
「やっと本当に手に入れた。俺の宝物。すっと好きでいてよね」
そんな言葉と共に優しいキスが降りてきた。
気が付きたくなかった…
欲が出るから…
手に入らないと思っていたから…
Fin
俺と健は所謂セフレ。
健が言い出せば俺が抱かれる。
そんな関係だった。
健には俺以外にもそんな相手がいるのは知ってたしわかってた。
でも俺たちにセフレ以上の感情はない。
そう思ってた。
そう思ってたのに…
「バカだな俺」
ある日、気が付いてしまった。自分の中にある本当の気持ちに…。
俺は健が好きだ。だけどあいつは俺のことを好きじゃない。
「ホント、バカみてぇ」
俺はもう一度呟き歩き出した。
今夜は違う相手を抱いてるところだろう。
そろそろ俺も終わりにするかなぁ。あいつとの関係を…。
「ホント、バカみてぇだ」
何度目かの呟き。
「それどういう意味?」
突然、後ろからそんな言葉が飛んでくる。驚いて振り返ったら健がいた。
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驚きで言葉が出ない。どうしてここにいるのかがわからない。
「ん?捜してたから」
なんてあっさり言われた。
「たかがセフレの一人お前が捜す必要ねぇだろ?」
俺は健から視線を外す。
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健はそういうと俺を抱きしめた。
「なっ…なんだよ…」
俺はどうしていいのかわからない。
「有希が好き。こんな気持ちは初めてだよ。俺が一人のことばかり考えるの」
健の言葉に固まる。
今なんと言った?
俺が好き?
「うっ…嘘だろ?」
聞き間違いだろ?だってそんなはずがあるわけがないだろ?
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「なんで?俺のことが好き?嘘だろ?」
ちゃんと頭が働いてくれない。あまりにも突然のことだから…。
「嘘じゃないよ。全部、本当だし本気。だからねっ?有希の気持ち聞かせてほしい」
健は俺の顔をじっと見つめる。俺は…
「俺は…す…好きだ…俺が健を…好きで…いてもいいのかよ」
そこまで口にしたら力強く抱きしめられた。
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