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なんで実家なんだよ
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「なんでだよ!」
叫びながら梅村が俺の部屋に突撃してきた。
「うるせぇ、扉を壊すつもりかお前は」
耳を押さえ呆れながら言えばギロリと睨まれた。
「ふざけんなお前!行きなり実家に連れてきやがって!」
実家に連れてきたのが気に入らなかったらしい。かなりご立腹だ。
まぁ、気持ちはわからなくもねぇんだけどな。
梅村の両親は子供の頃と同じで、今でもデロデロの甘々バカップルなのだ。実家に戻って久々にあの2人にあてられて苛立ったんだろう。
「うるせぇな。仕方ねぇだろ。お前は記憶を取り戻してんだから報告しとかねぇとダメだろうが」
そう、今日ここへ戻ってきた理由は梅村が記憶を取り戻したという報告がてらに本人を連れてきたのだ。
それこそ言えば着いてこねぇのをわかってるので有無を言わさずに行き先を告げずにだ。
「クソが!」
そんな言葉と共に飛んでくる拳。相変わらずだなこいつは。
「部屋で暴れんなや。お前の好きなコイツが逃げんぞ」
梅村の拳を受け止めながら小脇に梅村が好きな飼い猫を見せれば
「うわぁぁ!ヤナっちぃおっきくなったぁ」
コロッと態度を変えて俺の飼い猫のヤナギを俺から奪い取って抱き締める。
「なぁん」
ヤナギはひと鳴きして梅村の頬をペロんと舐める。
「あぁぁぁ、ヤナっちぃ可愛いぃ」
ヤナギの腹に顔を埋めて悶絶してやがる。
まぁ、これで機嫌が治るならよしとしよう。
ヤナギを抱いたまま俺のベッドに倒れて、ベッドの上でいちゃつく梅村。久しぶりに会って嬉しかったんだろう。
まぁ、子供の頃から俺の所へ来てはヤナギと遊んでたからな。
「ヒナ、ちゃんとあの2人と話してきたのか?」
そんな梅村とヤナギの様子を見ながら聞けば
「んっ」
小さく返事が返ってきた。
「そうか。夕方には出るからそれまでヤナギと遊んでろ」
俺は梅村の頭を撫でて、部屋を出た。
「ごめんね、侑司くん。あの子、怒ってそっちに行ったでしょ?」
俺が梅村の両親のところへ行けば苦笑を浮かべながらおばさんが謝ってくる。
「いや、いいっすよ。連れて帰ってくればこうなるってわかってるんで。報告が遅くなったのすみません」
そう、梅村の記憶が完全に戻ったと知らせるのが遅くなたのだ。
「大丈夫だよ。全然帰ってこないあの子を連れてきてくれただけで、俺たちは嬉しいよ」
おじさんも苦笑を浮かべている。
「あいつ、こっちでそれなりに怒ってたでしょ?」
俺の問いに2人が苦笑を浮かべながら頷く。
「でもそれはしょうがないことよ」
「昔と何ら変わらないからな。俺たち」
2人とも自分達が悪いとわかっているからこその言葉。
まぁ、俺たちが生まれる前からラブラブだったんだ、今さらやめろと言ったところでムリだ。この2人は本当に仲がいいからな。自分の親もこの2人みたいに胸焼けがするほど甘くはないが仲がいいのは確かだ。
「記憶が戻って前の陽葵に戻ってるけど、俺たちも相変わらずなんで、あいつは俺に依存してるし、俺もあいつには執着してるんで、高校卒業したらあいつもらいに来るんでよろしく」
俺はそれだけ伝えたかったんだ。
「あの子の依存は相変わらずなのね、やっぱり」
「その事に関してはおいおいゆっくり話し合おう。反対はしないけどね」
2人は小さく笑い言ってくれた。
「じゃぁ、もう少ししたらまた寮に帰るんで、帰る前にもう一度あいつよらせます」
俺はそうとだけ言い残し自分の家に戻った。
部屋に戻ったら俺のベッドの上でヤナギと一緒に爆睡してやがった。
その寝顔が可愛いもんだから写メして親父さんたちとナベたちにも送ってやった。
それを見て梅村が真っ赤になって怒鳴ったか気にしねぇ。
可愛いお前がわりぃんだ。
Fin
叫びながら梅村が俺の部屋に突撃してきた。
「うるせぇ、扉を壊すつもりかお前は」
耳を押さえ呆れながら言えばギロリと睨まれた。
「ふざけんなお前!行きなり実家に連れてきやがって!」
実家に連れてきたのが気に入らなかったらしい。かなりご立腹だ。
まぁ、気持ちはわからなくもねぇんだけどな。
梅村の両親は子供の頃と同じで、今でもデロデロの甘々バカップルなのだ。実家に戻って久々にあの2人にあてられて苛立ったんだろう。
「うるせぇな。仕方ねぇだろ。お前は記憶を取り戻してんだから報告しとかねぇとダメだろうが」
そう、今日ここへ戻ってきた理由は梅村が記憶を取り戻したという報告がてらに本人を連れてきたのだ。
それこそ言えば着いてこねぇのをわかってるので有無を言わさずに行き先を告げずにだ。
「クソが!」
そんな言葉と共に飛んでくる拳。相変わらずだなこいつは。
「部屋で暴れんなや。お前の好きなコイツが逃げんぞ」
梅村の拳を受け止めながら小脇に梅村が好きな飼い猫を見せれば
「うわぁぁ!ヤナっちぃおっきくなったぁ」
コロッと態度を変えて俺の飼い猫のヤナギを俺から奪い取って抱き締める。
「なぁん」
ヤナギはひと鳴きして梅村の頬をペロんと舐める。
「あぁぁぁ、ヤナっちぃ可愛いぃ」
ヤナギの腹に顔を埋めて悶絶してやがる。
まぁ、これで機嫌が治るならよしとしよう。
ヤナギを抱いたまま俺のベッドに倒れて、ベッドの上でいちゃつく梅村。久しぶりに会って嬉しかったんだろう。
まぁ、子供の頃から俺の所へ来てはヤナギと遊んでたからな。
「ヒナ、ちゃんとあの2人と話してきたのか?」
そんな梅村とヤナギの様子を見ながら聞けば
「んっ」
小さく返事が返ってきた。
「そうか。夕方には出るからそれまでヤナギと遊んでろ」
俺は梅村の頭を撫でて、部屋を出た。
「ごめんね、侑司くん。あの子、怒ってそっちに行ったでしょ?」
俺が梅村の両親のところへ行けば苦笑を浮かべながらおばさんが謝ってくる。
「いや、いいっすよ。連れて帰ってくればこうなるってわかってるんで。報告が遅くなったのすみません」
そう、梅村の記憶が完全に戻ったと知らせるのが遅くなたのだ。
「大丈夫だよ。全然帰ってこないあの子を連れてきてくれただけで、俺たちは嬉しいよ」
おじさんも苦笑を浮かべている。
「あいつ、こっちでそれなりに怒ってたでしょ?」
俺の問いに2人が苦笑を浮かべながら頷く。
「でもそれはしょうがないことよ」
「昔と何ら変わらないからな。俺たち」
2人とも自分達が悪いとわかっているからこその言葉。
まぁ、俺たちが生まれる前からラブラブだったんだ、今さらやめろと言ったところでムリだ。この2人は本当に仲がいいからな。自分の親もこの2人みたいに胸焼けがするほど甘くはないが仲がいいのは確かだ。
「記憶が戻って前の陽葵に戻ってるけど、俺たちも相変わらずなんで、あいつは俺に依存してるし、俺もあいつには執着してるんで、高校卒業したらあいつもらいに来るんでよろしく」
俺はそれだけ伝えたかったんだ。
「あの子の依存は相変わらずなのね、やっぱり」
「その事に関してはおいおいゆっくり話し合おう。反対はしないけどね」
2人は小さく笑い言ってくれた。
「じゃぁ、もう少ししたらまた寮に帰るんで、帰る前にもう一度あいつよらせます」
俺はそうとだけ言い残し自分の家に戻った。
部屋に戻ったら俺のベッドの上でヤナギと一緒に爆睡してやがった。
その寝顔が可愛いもんだから写メして親父さんたちとナベたちにも送ってやった。
それを見て梅村が真っ赤になって怒鳴ったか気にしねぇ。
可愛いお前がわりぃんだ。
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