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聞きたいことがある
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「なぁ、聞きてぇことがあんだけど?」
今だ俺の腕の中で甘えてる梅村に声をかけた。
「なんだよ」
少しだけ眠そうな声で返事が返ってきた。
「お前、俺がお前以外のヤツに惚れるって思ってるのか?」
そう、これだけはハッキリと聞いておきたいと思ったことだ。
「そっ、そんなのわかんねぇだろ。お前モテるんだし」
俺の言葉に反論する声は少し震えている。
「そんなに信用ねぇのかよ」
信用ねぇって言われるとキツいけどな。
「違う!自分に自信がないだけだ。侑司だって俺の性格しってんだろ?お前のこと殴りにかかるぐらい狂暴だし…可愛い子の方がいいって言われてもおかしくないって…」
最後の方は段々と声が消え入りそうだ。
「お前なぁ…」
正直なところ呆れた。
ガキの頃、あれだけ殴られても軽くあしらって相手してたヤツに好きだと言われて俺もだって答えたの覚えてねぇのか?
って言いたくはなったが、記憶がなかったときのことや、俺が傍にいなかった数年間のことがこいつにとってはトラウマになってるんだろう。
「あのなぁ、陽葵。俺がお前を完全に目覚めさせたのは、お前のその狂暴なところも含めて好きだからだ。お前の狂暴性がいつ発動されるかわからねぇスリルを味わいたいからだ」
まぁ、巻き込まれるのは回りの奴らだから苦情が来そうだけどな。
「こんな狂暴な俺どこがいいんだよ」
自分を卑下する言葉。ホント、落ち込んでるときはメンタルがよえぇなぁ。
「お前だからだろ。梅村陽葵だからそういう狂暴的なところも、間抜けなところも、可愛いところも含めて俺はお前が好きなんだよ」
ちったぁ信用しろ。あと自覚しろ。
「どこが可愛いんだよ。間抜けって…デスってるだろお前」
苦笑を浮かべながらいう言葉に
「うんにゃ。お前は可愛いよ。後、変なところで抜けてんだよ。それが面白いし可愛い」
俺的ツボ要素を口にすれば
「それ貶してね?」
不満げな顔になる。
「いいや、俺的には誉めてる。いいんだよ、お前の魅力は俺だけがわかってればな」
不安げに俺を見る梅村の額に小さなキスを贈る。
「なら…もっと俺を安心させてくれよ」
少しだけ目を伏せる。
「仰せのままに」
俺は小さく笑い、小さく震えている唇に自分のそれを重ねた。
俺の想いは誰にも邪魔はできねぇんだよ。
だからその身に刻み込んでやる。
どれだけ俺がお前を欲してきたのかを…。
どれだけお前を想い続けていたのかを…。
Fin
今だ俺の腕の中で甘えてる梅村に声をかけた。
「なんだよ」
少しだけ眠そうな声で返事が返ってきた。
「お前、俺がお前以外のヤツに惚れるって思ってるのか?」
そう、これだけはハッキリと聞いておきたいと思ったことだ。
「そっ、そんなのわかんねぇだろ。お前モテるんだし」
俺の言葉に反論する声は少し震えている。
「そんなに信用ねぇのかよ」
信用ねぇって言われるとキツいけどな。
「違う!自分に自信がないだけだ。侑司だって俺の性格しってんだろ?お前のこと殴りにかかるぐらい狂暴だし…可愛い子の方がいいって言われてもおかしくないって…」
最後の方は段々と声が消え入りそうだ。
「お前なぁ…」
正直なところ呆れた。
ガキの頃、あれだけ殴られても軽くあしらって相手してたヤツに好きだと言われて俺もだって答えたの覚えてねぇのか?
って言いたくはなったが、記憶がなかったときのことや、俺が傍にいなかった数年間のことがこいつにとってはトラウマになってるんだろう。
「あのなぁ、陽葵。俺がお前を完全に目覚めさせたのは、お前のその狂暴なところも含めて好きだからだ。お前の狂暴性がいつ発動されるかわからねぇスリルを味わいたいからだ」
まぁ、巻き込まれるのは回りの奴らだから苦情が来そうだけどな。
「こんな狂暴な俺どこがいいんだよ」
自分を卑下する言葉。ホント、落ち込んでるときはメンタルがよえぇなぁ。
「お前だからだろ。梅村陽葵だからそういう狂暴的なところも、間抜けなところも、可愛いところも含めて俺はお前が好きなんだよ」
ちったぁ信用しろ。あと自覚しろ。
「どこが可愛いんだよ。間抜けって…デスってるだろお前」
苦笑を浮かべながらいう言葉に
「うんにゃ。お前は可愛いよ。後、変なところで抜けてんだよ。それが面白いし可愛い」
俺的ツボ要素を口にすれば
「それ貶してね?」
不満げな顔になる。
「いいや、俺的には誉めてる。いいんだよ、お前の魅力は俺だけがわかってればな」
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「なら…もっと俺を安心させてくれよ」
少しだけ目を伏せる。
「仰せのままに」
俺は小さく笑い、小さく震えている唇に自分のそれを重ねた。
俺の想いは誰にも邪魔はできねぇんだよ。
だからその身に刻み込んでやる。
どれだけ俺がお前を欲してきたのかを…。
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Fin
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