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ガチギレ
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菊池が戻ってきたのはやっぱり風紀委員室だった。
部屋に入るなり俺は思いっきり菊池に向かって拳を振り上げた。
「わぁ!!梅ちゃんダメぇ!!ここで血の雨はダメぇ」
「ちょっといきなりは止めてくださいって」
なんて鍋屋と二村が止めようと声をあげる
「うっせぇ、黙ってろ」
そんな2人に俺は怒鳴って菊池を殴るために拳をふるう。
が、ちっとも当たりやしねぇ。
「クソが!避けんなクソ!」
軽々と避ける菊池に文句垂れながら一発だけでも殴ろうと拳を振るうがそれは結局、菊池によって受け止められる。
「このっクソが!殴らせろ!」
捕まれた手を振りほどこうとするが、結局はこいつに力では勝てないのだ。
「マジで機嫌わりぃなお前は」
呆れながら言われる言葉に苛立ちが募る。
「当たり前だ!」
捕まれていない方の手で殴ろうと振り上げるが結局それも止められてしまう。
「くそっ!」
両手とも捕まれ殴れなくなる。がそこで止まるような俺じゃねぇ。
「このクソ!」
今度は蹴りを入れようと足を動かすがそれも見事に止められ叩き落とされる。
「梅ちゃん…気持ちはわかるけどさぁ、委員ちょー相手にそれは無理だよぉ」
「その人、避けるの上手いですからねぇ。さすが向こうで習ってきたことだけはありますね」
鍋屋と二村の言葉に
「うっさい、わかっててやってんだよ!」
八つ当たりした。
「陽葵、いい加減にしろ」
少しだけドスの効いた低い声。
それは菊池が怒ってるということ。
俺は小さく息を吐き諦めて力を抜いた。
俺が大人しくなったから菊池も俺の手を離してくれた。
「って、大人しくなるかクソやろう!」
隙をついて殴りかかればギロりとキツい眼差しで睨まれ掴まれた手はそのまま背中へと回される。
「っ、痛い、痛い、ごめん、侑司、悪かったって」
ギリギリと背中に回された腕を締め付けていく。このままじゃ腕が折れるってぐらいに…
「じゃぁ、大人しくなるか?」
その言葉に頷くしかなかった。このままだとこいつマジで俺の腕を折るから…。
「会長と委員長がケンカで会長が怪我ってのはさすがにまずいだろ」
傍観者に徹していた幸永が呆れながら口を開く。
「自分が納得しない形で起こされて機嫌が悪いのはわかるんだよねぇ。でもねぇ…」
「乱闘後の委員長に手を上げるのは命取りですよ」
鍋屋と二村もそんなことをいう。
そんなこと言われなくてもわかってる。
記憶が失くなってた時の時間の記憶も今の俺にはちゃんとあるから、乱闘とか、ケンカとか、止めた後の菊池は普段よりも機嫌が悪くなりやすいのはわかってるし、知ってる。
それでも、俺自身も納得できなかったんだ。
今までの事とかじゃなくて、俺を守るために忘れろと言ったことに納得できてなかったんだ。
そして、簡単に暗示にかかって忘れた自分にも腹が立った。
だから八つ当たりも兼ねて一発だけでも殴ってやりたかった。
ただ、それだけだった。
クソっ!
Fin
部屋に入るなり俺は思いっきり菊池に向かって拳を振り上げた。
「わぁ!!梅ちゃんダメぇ!!ここで血の雨はダメぇ」
「ちょっといきなりは止めてくださいって」
なんて鍋屋と二村が止めようと声をあげる
「うっせぇ、黙ってろ」
そんな2人に俺は怒鳴って菊池を殴るために拳をふるう。
が、ちっとも当たりやしねぇ。
「クソが!避けんなクソ!」
軽々と避ける菊池に文句垂れながら一発だけでも殴ろうと拳を振るうがそれは結局、菊池によって受け止められる。
「このっクソが!殴らせろ!」
捕まれた手を振りほどこうとするが、結局はこいつに力では勝てないのだ。
「マジで機嫌わりぃなお前は」
呆れながら言われる言葉に苛立ちが募る。
「当たり前だ!」
捕まれていない方の手で殴ろうと振り上げるが結局それも止められてしまう。
「くそっ!」
両手とも捕まれ殴れなくなる。がそこで止まるような俺じゃねぇ。
「このクソ!」
今度は蹴りを入れようと足を動かすがそれも見事に止められ叩き落とされる。
「梅ちゃん…気持ちはわかるけどさぁ、委員ちょー相手にそれは無理だよぉ」
「その人、避けるの上手いですからねぇ。さすが向こうで習ってきたことだけはありますね」
鍋屋と二村の言葉に
「うっさい、わかっててやってんだよ!」
八つ当たりした。
「陽葵、いい加減にしろ」
少しだけドスの効いた低い声。
それは菊池が怒ってるということ。
俺は小さく息を吐き諦めて力を抜いた。
俺が大人しくなったから菊池も俺の手を離してくれた。
「って、大人しくなるかクソやろう!」
隙をついて殴りかかればギロりとキツい眼差しで睨まれ掴まれた手はそのまま背中へと回される。
「っ、痛い、痛い、ごめん、侑司、悪かったって」
ギリギリと背中に回された腕を締め付けていく。このままじゃ腕が折れるってぐらいに…
「じゃぁ、大人しくなるか?」
その言葉に頷くしかなかった。このままだとこいつマジで俺の腕を折るから…。
「会長と委員長がケンカで会長が怪我ってのはさすがにまずいだろ」
傍観者に徹していた幸永が呆れながら口を開く。
「自分が納得しない形で起こされて機嫌が悪いのはわかるんだよねぇ。でもねぇ…」
「乱闘後の委員長に手を上げるのは命取りですよ」
鍋屋と二村もそんなことをいう。
そんなこと言われなくてもわかってる。
記憶が失くなってた時の時間の記憶も今の俺にはちゃんとあるから、乱闘とか、ケンカとか、止めた後の菊池は普段よりも機嫌が悪くなりやすいのはわかってるし、知ってる。
それでも、俺自身も納得できなかったんだ。
今までの事とかじゃなくて、俺を守るために忘れろと言ったことに納得できてなかったんだ。
そして、簡単に暗示にかかって忘れた自分にも腹が立った。
だから八つ当たりも兼ねて一発だけでも殴ってやりたかった。
ただ、それだけだった。
クソっ!
Fin
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