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聞きたいこと

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風紀委員室で散々、鍋谷に意地悪するだけして、最終的に許して、また二人で菊池の部屋に戻った。


菊池の部屋で飯食ったり風呂入ったりして、ゆっくりとしてるときに俺は一つ決心をして菊池に向き合った。


「菊池…イヤ、侑司どうしても聞きたいことがあるんだ」
反発されるかもしれないし、嫌がられるかもしれない。それでも確認したかったんだ。

「何をだ?」
雑誌を見ていた菊池が顔を上げ俺を見る。


俺は深呼吸をして

「なんで、お前は…あの時、自分を忘れろって言ったんだ?」
ずっと気になってたことを口にした。


でも、口にして後悔した。


菊池がものすごく嫌な顔をした。眉間にはいつになく深い皺、目つきは鋭い。


言わなきゃよかった。そう思ったけど時すでに遅し。


「それを聞いてお前はどうするつもりだ?」
少しキツイ言葉。


怒らした。


直観的にそう思った。


「どうするって…ただ、知りたかったんだ…なんであんな言葉を口にしたのか…」
深い意味はない。何かしたいとか言うわけじゃない。



俺たちの間にものすごく深い沈黙が訪れた。



ホント、聞くべきじゃなかったなぁ。


俺…菊池に嫌われたかも…


最悪だ…




Fin


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