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梅ちゃん、ごめんなさい

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菊池の愛情をたっぷりと刻み込まれて、鍋谷がいった可愛い子の真相を教えてもらい、それなりに落ち着きを取り戻した俺。


自分が思って以上に俺はどうやら菊池侑司という男に依存をしていたらしい。


いや、記憶を取り戻してから気が付いた。


俺は自分よりも菊池が傷つくのが本気でイヤらしい。自分がどれだけ傷つけられても気にしないのだが、菊池がケガ一つつけられようものなら俺は壊れる。

それに自分で気が付いたのは桐渓の一件の後からだ。

鍋谷に言われたときはわからなかったが、一人で考える時間が増えたときに気が付いた。


だからこそ、自分に対してなにも言わない菊池が怖いと思った。

俺の知らないところで本当は他の誰かと...と考えなかった訳じゃない。


好きだと言われたが付き合おうとは言われなかった。変わりに言われたのは本気にさせろだった。

だから、本気じゃないんだって思ってた。

だから俺なりに頑張って菊池にアピールしてたんだ。


なのに鍋谷のヤツが変なことをいうから、こんなややこしいことになるんだ。



「ゴメン、ホントにゴメン梅ちゃん」
菊池と二人で学校に行って風紀委員室に入った途端に鍋谷に謝られた。

「ヤダ、許さない」
だから咄嗟に出た言葉は許せ。
「そんなぁ~。梅ちゃんごめんってぇ」
鍋谷が半べそになりながら謝ってくる。

「ヤダ」
俺は菊池の後ろに隠れた。
「そんなぁ~」
鍋谷がいうけど許さない。

「諦めろナベ。今回はお前が悪い」
バッサリと菊池にも言われてる。

「えぇー、ごめんってぇ~」
鍋谷がまだ謝ってる。

「反省したら許す。けど、今はまだ許さない」
俺は菊池の後ろに隠れたままで断言した。

「よかったなぁナベ。反省したら許してくれるらしいぞ。但し梅村が認めたらな」
楽しそうにいう菊池の顔はあんまり笑ってなかった。


これって、菊池も怒ってるってことだよな…。


俺も怒らせないように気を付けよう。


取り敢えず、菊池に恋人だと言ってもらえて俺は安心した。


少しだけ、自分に自信が持てた気がする。



Fin

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