人はそれを愛と呼び、彼は迷惑だと叫ぶ。

槇瀬光琉

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話をしよう

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鍋谷のせいで壊れた人形のようになっている梅村を学校から寮の自分の部屋に連れ込んだ。


手を引きながら歩いてる間も

『フラれちゃった』
『俺じゃダメだったんだ』

とかそんなことをブツブツと言っていた。


だから誰がふったよ。

てか、付き合おうとも言ってねぇし、ただ、好きだって返事をしただけだ俺は!


イヤ、まぁ、うん、ちゃんと付き合おうって言ってねぇのが原因かもしれねぇなぁとか思う。


部屋の中に連れ込んでベッドの上に座らせて向き合うかたちでしゃがんでその顔を覗き込めばいまだにボロボロと涙を流していた。


連れてくる間もずっと泣いていたってことになる。

これじゃぁ俺が泣かしたみてぇじゃねぇか鍋谷のやろしめる。


小さく溜め息をつきそっと、涙を拭ってやればおもしれぐらいびくりと跳ねた。


「っ、ぁっ、ゆぅ、くん、っ、っ」
目の前にる人物が誰なのかを認識してボロボロと余計に涙を流す。

「何があった?」
鍋谷たちだけじゃなくて梅村からも聞き出すために涙を拭いながら聞いてやる。

「っ、ゆぅ、くん、が、っ、かわ、いぃ子、とぉ、デート、って、言われ、た、っ」
あいつらと同じことを口にする。
「お前、俺がそんなことする男だと思ってんのか?」
こいつがどう思ってるかわからないからな。

「だって、俺じゃ、ダメ、なんだ、ろ?」
この男はどれだけ俺を信用してねぇんだ。どれだけ自分に自信がねぇんだ。


「お前は俺の言葉が信じられねぇのか。俺はお前が好きだって言っただろ」
少しだけ乱暴に涙を拭えば

「だって、だって、ゆぅくん、ちゃんと、言って、くれない、俺、ゆぅくん、の、なに?」
やっぱり気にしてたのかと思う。俺が答えなかった言葉を...


「言わなきゃわかんねぇのかよ。お前は俺のもんだ。俺の恋人だろうが。じゃなきゃお前に干渉されてやってねぇよ」
両頬をつかんでしっかりと目をみてはっきりと言ってやれば大粒の涙をボロボロと流す。


「その身体に、心に俺と言う男を刻み込んでやる。お前に干渉しまくってやるから覚悟しろ」

俺はそのまま奪うように唇を重ねた。


Fin
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