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でも本当は?

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「委員ちょ~最近、梅ちゃん来ないですねぇ~」
鍋谷が少し寂しそうにそんなことを言う。

「あいつはあれでも生徒会長さまだぞ?いつも遊んでるわけじゃない」
俺は自分の机にある書類を整理しながら答えた。


「えぇ~!だって今まであんなに来てたじゃん!」
不満げに口を尖らせる。

「それはあいつが頑張って時間を作って来てたからだろ」
書類にサインをしながら言ってやる。

「委員ちょ~はそれでいんですかぁ~?」
なんて矛先を俺に向けてくる。

「なにが?」
「梅ちゃんがこっちに来ないのいいの?」

俺の返事にすかさず聞いてくるのは流石だな。


「あぁ、構わないが?」
「えぇ!!なんで!!!」

心底驚いてるのか鍋谷の目が丸くなってる。

「驚くことか?」
俺が苦笑しながら聞けばコクコクと頷く。


「そんなに心配するこたぁねぇよ。後1時間もしないうちにあいつは来る」
俺は苦笑したままで断言してやる。
「そっか、そうだねぇ~」
俺の言葉に納得したのか鍋谷は自分の仕事をするために席に戻った。あいつは一応は副委員長だからな。


小さく溜息をつき今日は一度も開かれることのない扉を見た。



でも、本当は…


少し寂しいかな。



Fin

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