65 / 176
本当はどうしたいんだ
しおりを挟む
「で?結局お前はどうしたいんだ?」
お前の本心はどうなんだと問えば黙ってしまう。
「くだらねぇことを考えるのはお前の勝手だけど本心隠してまでそんなこと言うんだったら俺は二度とお前には係わらねぇし、干渉もしねぇよ」
自分のことを棚にあげてとはこの事をいうんだろう。俺だって本心は隠したままだ。
「…っ…俺は…俺のせいで傷付く侑司を見たくない。...でも...俺...侑司の傍にはいたい...好きだから...」
俯いたままで告げられる言葉。
握りしめられている手は小さく震えていた。
「だったら簡単じゃねぇか。今まで通りでいいじゃねぇか」
震える梅村の手を掴み自分の方に引き寄せて抱き締めてやる。
「き...菊池...」
俺の行動に驚き声をあげるが逃げようとはしない。それは俺だから許されてる行為。
まぁ、付き合ってもねぇのに散々キスだのなんだのしてたからな。最後までやってねぇだけで。
「好きなんだろ?だったら傍にいろ。俺はお前を守るのが好きなんだよ」
抱き締めた腕に少しだけ力を籠めた。
守るのも甘やかすのも全部、梅村陽葵だからしたいことで、俺からしたらそれは当たり前のことだった。
「じゃぁ、俺の前でケガするな...そしたらずっと守られてやるから」
なんて半泣きで言ってくる言葉に笑ってしまう。
「偉そうに。まぁ、努力はしてやる」
梅村の頭を撫でて言ってやれば小さく頷いた。
梅村が納得したならそれでいい。
しばらくの間、俺は梅村を抱き締めていた。
Fin
お前の本心はどうなんだと問えば黙ってしまう。
「くだらねぇことを考えるのはお前の勝手だけど本心隠してまでそんなこと言うんだったら俺は二度とお前には係わらねぇし、干渉もしねぇよ」
自分のことを棚にあげてとはこの事をいうんだろう。俺だって本心は隠したままだ。
「…っ…俺は…俺のせいで傷付く侑司を見たくない。...でも...俺...侑司の傍にはいたい...好きだから...」
俯いたままで告げられる言葉。
握りしめられている手は小さく震えていた。
「だったら簡単じゃねぇか。今まで通りでいいじゃねぇか」
震える梅村の手を掴み自分の方に引き寄せて抱き締めてやる。
「き...菊池...」
俺の行動に驚き声をあげるが逃げようとはしない。それは俺だから許されてる行為。
まぁ、付き合ってもねぇのに散々キスだのなんだのしてたからな。最後までやってねぇだけで。
「好きなんだろ?だったら傍にいろ。俺はお前を守るのが好きなんだよ」
抱き締めた腕に少しだけ力を籠めた。
守るのも甘やかすのも全部、梅村陽葵だからしたいことで、俺からしたらそれは当たり前のことだった。
「じゃぁ、俺の前でケガするな...そしたらずっと守られてやるから」
なんて半泣きで言ってくる言葉に笑ってしまう。
「偉そうに。まぁ、努力はしてやる」
梅村の頭を撫でて言ってやれば小さく頷いた。
梅村が納得したならそれでいい。
しばらくの間、俺は梅村を抱き締めていた。
Fin
10
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる