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涙の分だけ
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「…っ…っ…」
ずっと抱きしめていたら小さな嗚咽と身体の震えが酷くなってきた。
「大丈夫だ」
この言葉を口にしたって安心はできないだろうし、納得はできないだろう。
それでもこの言葉を口にするのは傍にいるとわからせるため。
あの男が何かしようとも俺たちが、俺がちゃんと傍にいるとわからせるため。
「...っ...菊...池...」
涙ながらに呼ばれる名前。
「なんだ」
それに返事をすれば
「...約束...守れ...よ...」
ボロボロと涙を流したまま言われる。
「あぁ、約束する」
お前が涙の分だけ何度でも約束してやる。
涙の分だけ傍にいてやる。
涙の分だけこの胸を貸してやる。
涙の分だけ...
Fin
ずっと抱きしめていたら小さな嗚咽と身体の震えが酷くなってきた。
「大丈夫だ」
この言葉を口にしたって安心はできないだろうし、納得はできないだろう。
それでもこの言葉を口にするのは傍にいるとわからせるため。
あの男が何かしようとも俺たちが、俺がちゃんと傍にいるとわからせるため。
「...っ...菊...池...」
涙ながらに呼ばれる名前。
「なんだ」
それに返事をすれば
「...約束...守れ...よ...」
ボロボロと涙を流したまま言われる。
「あぁ、約束する」
お前が涙の分だけ何度でも約束してやる。
涙の分だけ傍にいてやる。
涙の分だけこの胸を貸してやる。
涙の分だけ...
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