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再会

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「へぇ、まさか梅村がここの生徒会長だったとか。笑える」


あの日の元凶が現れ梅村を見てニヤリとイヤらしく笑う。


記憶がなくても嫌なことは覚えているのだろう梅村の顔色が見る見る間に悪くなっていく。

一歩一歩後ずさってくる。


「あんときは壊せなっかったから残念だよなぁ。今度はちゃんとお前を壊してやるよ梅村ぁ」

転校生、桐渓圭吾きりたにけいごがニヤニヤと笑いながら言い放つ。


「っ、っ」
言葉にならない声を上げ梅村がその場に固まる。


逃げ出したくても逃げ出せない状態。足がガクガクと震えている。

いつその場に崩れ落ちてもおかしくはない状態。


「相変わらずクソ野郎だな」
胸糞が悪くなる。

梅村の後ろに立ちその背に手を添えてやれば驚いて俺を見て助けを求めるように抱き着いてくる。


「へぇ~。菊池もいたのかよぉ。なら今度はお前も一緒に壊してやるよ。その額の傷みてぇにな」

桐渓の言葉に反応するように梅村が俺を見る。傷があるのをこいつに見つかってるからな。


「そう簡単にできると思ってるのか?」
俺は桐渓を見たままで梅村の肩を抱きしめてやる。少しでも安心できるように。

「やれるさ、俺はあの時と違うからなぁ」
自信に満ち溢れた桐渓。


「そうか、だが簡単にできると思うな。俺たちもあの時とは違う」
挑発めいた言葉にはなるが、あの時のような失敗は二度としない。


梅村陽葵を守るために、俺たちは強くなったんだ。


俺はこいつを守るために、力を手に入れた。人を守る力を。

無力だったあの日々を嘆き続けた自分を忘れないために、強くなるために、この男からずっと離れてたんだ。


「まぁ、セイゼイ頑張んな。俺は必ずそいつを壊してやるよ」
桐渓は勝ち誇ったような笑みを浮かべて何処かへ行ってしまった。


ただ、残されたのは怯え切った梅村とそれを守るためにいる俺たち風紀委員だけだった。



Fin
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