人はそれを愛と呼び、彼は迷惑だと叫ぶ。

ウソつき

「好きなヤツができた」
「はっ？」

菊池の言葉に驚いた。


イヤ、別に好きなヤツができてもおかしくはない。
ただ、驚いただけだ。


「なんだ、俺に好きなヤツができたらおかしいか？」
書類を整理しながら言われた言葉に

「べっ、別にそんなことは…ない…」
はっきりと言い返そうと思ったのにちゃんと出来なかった。


「嘘だ」
「はっ？」


菊池の言葉の意味がわからず頭に？が一杯になる。

「好きなヤツなんていねぇよ。梅村の反応が気になっただけだ」
「ッ、このウソつきヤロー！」


俺の動揺を返しやがれ！


「お前が俺に干渉するからな。ちょっとした意地悪だ」
「このクソヤロ。でも、俺は菊池に干渉するからな！」

くそ！

「なんでだよ！するな！」
菊池がうんざりした顔をするが
「俺はいいんだ！」
自分勝手に宣言してやった！



Fin