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第13話
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リュオンはミシェルを連れて城の中でも少し小高い場所へ連れて来ていた。
「ここから見える景色が昼と夜とではまた違っててキレイなんだ。ぜひ、ミシェルに見せたいと思ってさ」
「うわぁ、すごい」
リュオンが連れて来てくれたその場所は天と地を繋ぐそんな気分にさせてくれる場所だった。
空には満点の星々。地上には人々が住む家の暖かい明かり。それが見事に調和し天と地が繋がっているかと思えるぐらいキレイだった。
「あっ、リュオン見て、流れ星よ!」
キレイな星々にミシェルは少し興奮していた。
そして流れる星を指さしリュオンに声をかける。リュオンは小さく笑い頷く。
この場所に連れて来てミシェルが本当に喜んでくれているのがわかり嬉しかった。
「ねぇ、リュオン昼間の景色も見てみたいわ」
ミシェルは興奮したままでリュオンに聞いてみる。
「わかった、ここに滞在してる間にまた連れてこよう。きっと気に入ってくれると思う」
リュオンはその提案にあっさりと返事をした。
2人はしばらくの間、その場所で景色を眺めながら話をしていた。
「少し冷えてきた。部屋まで送るよ」
少し風が出てきて冷えてきたので、リュオンはミシェルを部屋まで送るという。
「ありがとう、お願いするわリュオン」
ミシェルはその言葉を素直に聞き入れた。
部屋に戻る間も二人は楽しく会話をしながら戻ってきた。
「また、明日、竜王や竜妃と話すことになる、今夜はゆっくりと休んでくれ」
ミシェルを部屋まで送り届けリュオンがいう。
「えぇ、ありがとう。おやすみリュオン」
「あぁ、おやすみ」
リュオンにお礼を告げてミシェルは部屋に入った。そんなミシェルを見届けてからリュオンも自室へ戻るために歩き出した。その口元には小さな笑みが浮かんでいた。
ミシェルは部屋の中に入り寝ているノエの傍に行き
「聞いてノエ、リュオンがとても素敵な場所に連れて行ってくれたわ。すごくキレイだったの。ふふふ、また連れて行ってもらいたいわ」
その身体を撫でながら嬉しそうに報告する。
「なぁん」
そんなミシェルによかったねと言わんばかりに返事をして尻尾を振った。
「ふふふ」
ミシェルはしばらく、ノエを撫でていた。
コンコン
「んっ」
ミシェルは扉をノックする音で目が覚めた。
「はっ、はい」
ミシェルは慌てて飛び起き返事をする。
「申し訳ありません。まだお休み中でしたか。朝食をお持ちしたのですがいかがいたしますか?」
扉の外でギュリが申し訳なさげに言うのを聞いてミシェルは慌ててベッドから降り扉を開けた。
「ごめんなさい、いただきます」
そして持って来てくれた朝食を食べると返事をした。
「では、失礼します」
ギュリは一言断ってから部屋の中に入り、テーブルの上に朝食を並べていく。
「後ほど、片付けに参ります。リュオン様がお迎えに参りましたら王の間へお越しください」
「ありがとう」
ミシェルはギュリにお礼を言う。ギュリはその一言を聞き頭を下げて部屋を出ていった。
「ノエ、お魚があるわ。少しでも食べる?」
傍にやってきたノエに聞けば
「なぁん」
食べると言わんばかりに返事をする。
「ふふ、なら少しだけね」
ミシェルはノエ用に魚を取り分けて、ノエが食べやすいようにお皿を置いた。ノエはそれを食べ始めた。その尻尾はゆらゆらと揺れていた。
ミシェルはそんなノエを見て嬉しそうに自分もご飯を食べ始めた。
「ごちそうさまでした」
全てを食べ終え両手を合わせた。ノエはもうベッドの上で寛いで寝ていた。
「ふふふ」
ミシェルはそんなノエを見て小さく笑う。
コンコン
再び扉がノックされ
「はい」
ミシェルが返事をすれば
「迎えに来たんだ、王の間へ行こうか」
リュオンの声がして
「えぇ、わかったわ」
ミシェルは扉を開けた。そこにはリュオンと一緒にギュリもいた。
「お二人は王の間へ私目は食器を片付けさしていただきます」
「ありがとうギュリさん。お願いします」
ギュリの言葉にミシェルがお礼を口にする。
「行こう、ミシェル。王の間へ」
「はい」
リュオンとミシェルは再び竜王と竜妃に会うために王の間へと向かった。
「ここから見える景色が昼と夜とではまた違っててキレイなんだ。ぜひ、ミシェルに見せたいと思ってさ」
「うわぁ、すごい」
リュオンが連れて来てくれたその場所は天と地を繋ぐそんな気分にさせてくれる場所だった。
空には満点の星々。地上には人々が住む家の暖かい明かり。それが見事に調和し天と地が繋がっているかと思えるぐらいキレイだった。
「あっ、リュオン見て、流れ星よ!」
キレイな星々にミシェルは少し興奮していた。
そして流れる星を指さしリュオンに声をかける。リュオンは小さく笑い頷く。
この場所に連れて来てミシェルが本当に喜んでくれているのがわかり嬉しかった。
「ねぇ、リュオン昼間の景色も見てみたいわ」
ミシェルは興奮したままでリュオンに聞いてみる。
「わかった、ここに滞在してる間にまた連れてこよう。きっと気に入ってくれると思う」
リュオンはその提案にあっさりと返事をした。
2人はしばらくの間、その場所で景色を眺めながら話をしていた。
「少し冷えてきた。部屋まで送るよ」
少し風が出てきて冷えてきたので、リュオンはミシェルを部屋まで送るという。
「ありがとう、お願いするわリュオン」
ミシェルはその言葉を素直に聞き入れた。
部屋に戻る間も二人は楽しく会話をしながら戻ってきた。
「また、明日、竜王や竜妃と話すことになる、今夜はゆっくりと休んでくれ」
ミシェルを部屋まで送り届けリュオンがいう。
「えぇ、ありがとう。おやすみリュオン」
「あぁ、おやすみ」
リュオンにお礼を告げてミシェルは部屋に入った。そんなミシェルを見届けてからリュオンも自室へ戻るために歩き出した。その口元には小さな笑みが浮かんでいた。
ミシェルは部屋の中に入り寝ているノエの傍に行き
「聞いてノエ、リュオンがとても素敵な場所に連れて行ってくれたわ。すごくキレイだったの。ふふふ、また連れて行ってもらいたいわ」
その身体を撫でながら嬉しそうに報告する。
「なぁん」
そんなミシェルによかったねと言わんばかりに返事をして尻尾を振った。
「ふふふ」
ミシェルはしばらく、ノエを撫でていた。
コンコン
「んっ」
ミシェルは扉をノックする音で目が覚めた。
「はっ、はい」
ミシェルは慌てて飛び起き返事をする。
「申し訳ありません。まだお休み中でしたか。朝食をお持ちしたのですがいかがいたしますか?」
扉の外でギュリが申し訳なさげに言うのを聞いてミシェルは慌ててベッドから降り扉を開けた。
「ごめんなさい、いただきます」
そして持って来てくれた朝食を食べると返事をした。
「では、失礼します」
ギュリは一言断ってから部屋の中に入り、テーブルの上に朝食を並べていく。
「後ほど、片付けに参ります。リュオン様がお迎えに参りましたら王の間へお越しください」
「ありがとう」
ミシェルはギュリにお礼を言う。ギュリはその一言を聞き頭を下げて部屋を出ていった。
「ノエ、お魚があるわ。少しでも食べる?」
傍にやってきたノエに聞けば
「なぁん」
食べると言わんばかりに返事をする。
「ふふ、なら少しだけね」
ミシェルはノエ用に魚を取り分けて、ノエが食べやすいようにお皿を置いた。ノエはそれを食べ始めた。その尻尾はゆらゆらと揺れていた。
ミシェルはそんなノエを見て嬉しそうに自分もご飯を食べ始めた。
「ごちそうさまでした」
全てを食べ終え両手を合わせた。ノエはもうベッドの上で寛いで寝ていた。
「ふふふ」
ミシェルはそんなノエを見て小さく笑う。
コンコン
再び扉がノックされ
「はい」
ミシェルが返事をすれば
「迎えに来たんだ、王の間へ行こうか」
リュオンの声がして
「えぇ、わかったわ」
ミシェルは扉を開けた。そこにはリュオンと一緒にギュリもいた。
「お二人は王の間へ私目は食器を片付けさしていただきます」
「ありがとうギュリさん。お願いします」
ギュリの言葉にミシェルがお礼を口にする。
「行こう、ミシェル。王の間へ」
「はい」
リュオンとミシェルは再び竜王と竜妃に会うために王の間へと向かった。
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