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第12話
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「こちらのお部屋をご自由にお使いください。お疲れかと思いますので本日はお部屋の方へ後ほどお夕食をお持ちします」
ギュリはミシェル用に用意された部屋の扉を開けミシェルに説明をする。
「ありがとうございます。あ…でも一つだけお願いがあります」
ミシェルはそんなギュリに声をかける。
「はい、なんでしょうか?」
ギュリはミシェルのお願いが何かと問う。
「はい、実はここに来るまでに興奮しすぎたみたいで、お腹が空いてないんです。なので、夕食を用意していただいても残してしまうことになりそうで…。せっかく作っていただいたのに残すのは勿体ないし、作った人たちに失礼になります。今夜は私の分は用意しないでください」
ミシェルは本当にすまなさそうに告げる。本当にミシェルはお腹が空いていないのだ。興奮しすぎて空腹という言葉がどこかへ行ってしまったようだ。
「かしこまりました。では、もしお腹が空いてしまってもいいように手軽に食べられるフルーツとお水をお持ちします。それでよろしいですか?」
ギュリはもしものことを考えてフルーツを用意するという。
「はい、フルーツなら小腹が空いたときに食べれますから。ありがとうございますギュリさん」
ミシェルはギュリの提案に素直に喜んだ。お礼を言われたギュリは驚きはしたもののこんなに素直に喜ばれるのは悪い気はしない。
「では、後ほどお持ちします」
ギュリは失礼しますと頭を下げで戻っていった。
「ミシェル、本当に良かったのか?」
リュオンは心配になって聞いてみた。
「うん、私本当にお腹が空いてなくて…。初めてのことばかりで興奮しすぎちゃったみたい。それにノエはこのまま朝まで寝ちゃいそうだし」
ミシェルがノエを下ろすとノエはスタスタと部屋の中へ入り自分のねぐらになる場所を見つけ寝始めた。
「ミシェル、もしミシェルが疲れていないのなら後で散歩でもしないか?」
リュオンはそんなことを聞く。ミシェルは不思議に思ったが
「私なら大丈夫。体力には自信があるわ。後で迎えに来てくれる?」
リュオンの申し出は嬉しかった。
「なら、後で迎えに来るよ」
「えぇ」
リュオンはミシェルに別れを告げて、一旦、その場を離れた。ミシェルも部屋の中に入った。
ギュリが用意してくれたフルーツはキレイにカットされ、数種類のフルーツが盛り付けられていた。勿論、量は少なめである。
ミシェルは本当にお腹が空いていなかったが、そのフルーツを見て食べたくなって食べてしまった。
自分でも驚くほどフルーツをすべて食べてしまったのだ。どのフルーツも美味しくて手が止まらなかったのだ。
「ギュリさんにお礼を言わないと」
食べ終えてからミシェルはそんなこと思っていた。
ベッドに腰かけ窓の外を眺めながらゆったりとした時間を過ごしていたら
コンコンと
部屋の扉がノックされた。
「はい?」
ミシェルが声をかければ
「俺だ、リュオンだ。今、大丈夫かな?」
リュオンだった。ミシェルは扉をあけ
「えぇ、大丈夫よ。窓の外を見てゆっくりしていたわ」
にっこりと笑う。
「そうか、ミシェルに見せたいものがあるんだ。一緒に行かないか?」
リュオンは散歩に誘った理由を口にする。
「まぁ、それは楽しみだわ。行きましょう」
ミシェルは嬉しそうに笑う。リュオンはそんなミシェルの顔を見てドキリと胸が高鳴った。
「じゃぁ、行こう。どうしても、この時期に見せたいんだ」
リュオンは少し照れながら行こうという。
「ふふふ、楽しみだわ」
ミシェルは一度、部屋の中に戻り寝ているノエに出かけてくるとだけ告げて外に出てきた。リュオンはそんなミシェルを待っていた。
ミシェルが外に出てくるとリュオンはゆっくりと歩き始めたのだった。
ギュリはミシェル用に用意された部屋の扉を開けミシェルに説明をする。
「ありがとうございます。あ…でも一つだけお願いがあります」
ミシェルはそんなギュリに声をかける。
「はい、なんでしょうか?」
ギュリはミシェルのお願いが何かと問う。
「はい、実はここに来るまでに興奮しすぎたみたいで、お腹が空いてないんです。なので、夕食を用意していただいても残してしまうことになりそうで…。せっかく作っていただいたのに残すのは勿体ないし、作った人たちに失礼になります。今夜は私の分は用意しないでください」
ミシェルは本当にすまなさそうに告げる。本当にミシェルはお腹が空いていないのだ。興奮しすぎて空腹という言葉がどこかへ行ってしまったようだ。
「かしこまりました。では、もしお腹が空いてしまってもいいように手軽に食べられるフルーツとお水をお持ちします。それでよろしいですか?」
ギュリはもしものことを考えてフルーツを用意するという。
「はい、フルーツなら小腹が空いたときに食べれますから。ありがとうございますギュリさん」
ミシェルはギュリの提案に素直に喜んだ。お礼を言われたギュリは驚きはしたもののこんなに素直に喜ばれるのは悪い気はしない。
「では、後ほどお持ちします」
ギュリは失礼しますと頭を下げで戻っていった。
「ミシェル、本当に良かったのか?」
リュオンは心配になって聞いてみた。
「うん、私本当にお腹が空いてなくて…。初めてのことばかりで興奮しすぎちゃったみたい。それにノエはこのまま朝まで寝ちゃいそうだし」
ミシェルがノエを下ろすとノエはスタスタと部屋の中へ入り自分のねぐらになる場所を見つけ寝始めた。
「ミシェル、もしミシェルが疲れていないのなら後で散歩でもしないか?」
リュオンはそんなことを聞く。ミシェルは不思議に思ったが
「私なら大丈夫。体力には自信があるわ。後で迎えに来てくれる?」
リュオンの申し出は嬉しかった。
「なら、後で迎えに来るよ」
「えぇ」
リュオンはミシェルに別れを告げて、一旦、その場を離れた。ミシェルも部屋の中に入った。
ギュリが用意してくれたフルーツはキレイにカットされ、数種類のフルーツが盛り付けられていた。勿論、量は少なめである。
ミシェルは本当にお腹が空いていなかったが、そのフルーツを見て食べたくなって食べてしまった。
自分でも驚くほどフルーツをすべて食べてしまったのだ。どのフルーツも美味しくて手が止まらなかったのだ。
「ギュリさんにお礼を言わないと」
食べ終えてからミシェルはそんなこと思っていた。
ベッドに腰かけ窓の外を眺めながらゆったりとした時間を過ごしていたら
コンコンと
部屋の扉がノックされた。
「はい?」
ミシェルが声をかければ
「俺だ、リュオンだ。今、大丈夫かな?」
リュオンだった。ミシェルは扉をあけ
「えぇ、大丈夫よ。窓の外を見てゆっくりしていたわ」
にっこりと笑う。
「そうか、ミシェルに見せたいものがあるんだ。一緒に行かないか?」
リュオンは散歩に誘った理由を口にする。
「まぁ、それは楽しみだわ。行きましょう」
ミシェルは嬉しそうに笑う。リュオンはそんなミシェルの顔を見てドキリと胸が高鳴った。
「じゃぁ、行こう。どうしても、この時期に見せたいんだ」
リュオンは少し照れながら行こうという。
「ふふふ、楽しみだわ」
ミシェルは一度、部屋の中に戻り寝ているノエに出かけてくるとだけ告げて外に出てきた。リュオンはそんなミシェルを待っていた。
ミシェルが外に出てくるとリュオンはゆっくりと歩き始めたのだった。
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