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なんでだろうか?どうして俺は立華さんに会いたいと思うんだろうか?
立華さんに先輩の面影を重ねてるのは確かで…。
それでも立華さんの笑顔が見たいと思う自分がいる。
そして、意外に自分は行動派なんだって気が付いた。
「立華さん、おはようございます」
俺は玄関を開けて今帰ってきた立華さんに挨拶をする。
「来栖くん、おはよう。もう大丈夫なの?」
驚きながらも聞いてくる。
「いえ、本当は人と会うのはダメなんですけど…どうしても立華さんに会いたくて…」
あの後、本当に発情が始まってしまい俺は自分の身を守るために、人と会うわけにはいかないんだけど、立華さんに会いたかった。顔が見たかった、声が聞きたかったんだ。
「それをわかってるのに、出てくるなんてどうかしてますよ」
少しだけ棘のある言葉。
「そう…ですよね…」
俺だけが会いたいって思ってるだけで、立華さんには迷惑だよな。
「ねぇ、気が付いてますか?栗栖くんのその匂いは私を刺激するんですよ?」
そう言って、立華さんの手が頬を撫でていく。
「えっ?立華、さん?」
行き成りのことで驚く。
「ねぇ、私、アルファなんですよ?そんな状態で会いたいなんて言われたら…我慢できなくなるでしょ?」
そのまま、顎を掴まれ上を向かされ立華さんと目が合った。吸い込まれそうなほどキレイで、それでいてオスのような目をしていた。そのまま立華さんの顔が近付いてくる。俺が何も抵抗しないから立華さんの唇は俺のそれに重なった。
「んっ、ぁ」
唇が触れた瞬間、雷に打たれたような電流が全身を駆け巡り俺の足からは力が抜けてその場にへたり込んだ。
「え、ちょ、栗栖くん、大丈夫?」
慌てて立華さんがしゃがんで聞いてくるけど
「な、んで」
その言葉しか出なかった。
キスされたのが嫌だったとかじゃなくて、嬉しいと思ってしまった。それと同時に身体に走った電流は間違いなく快楽の方。
「ごめんね。もう、部屋に入った方がいいよ」
立華さんは俺が嫌がったっと思ったのか苦笑を浮かべて頭を撫でてくる。
「なん、で、俺、なんで、っ」
自分がわからなくて、自問自答をする。そんな俺を立華さんが抱きしめてくる。
「もう、いいから、お願いだから自分の部屋に入って。お願い」
それは悲願に近い。俺は無意識のうちに立華さんの背に腕を回していた。
「っ」
立華さんが小さく息をのむ。自分の発情が立華さんとのキスで酷くなってるってこの時の俺は気が付いてなかったんだ。
「ダメだよ、これ以上は…私も我慢できなくなるから…」
立華さんが俺を引きはがす。
「いや、だ、立、華、さん、ヤダ」
俺はそれが嫌で、離れたくなくて、困惑してる立華さんにしがみついた。
「栗栖くん、落ち着こう、ね?」
小さな息を吐き立華さんが頭を撫でてくれる。
「なん、で」
撫でられた部分から熱が伝わってくる。
「ここじゃ、他の人の迷惑になるから、部屋に入ろうか」
立華さんはここが外だということで、部屋に入るように促してくる。俺は小さく頷きながらも
「立てない、力が、入らない」
情けないことに力が入らないことに気が付く。
「これなら立てますか?」
立華さんは俺に手を貸しながら立たせてくれる。俺の部屋の扉を開けて中に入れてくれるけど、閉まった扉に押し付けて奪うようにキスをしてきた。
「ん、ふぅ、ぁ、ん」
繰り返すキスは次第に深いモノへと変わり舌が絡めとられる。
「ぁ、はぁ」
唇が解放された頃には俺の足から完全に力が抜けてその場に崩れ落ちた。
「だからね、言ったでしょう?ちゃんと部屋に戻ってって。栗栖くんのフェロモンは私には毒なの、止められなくなるから」
苦笑を浮かべながら告げてくる立華さん。それは警告だったのかもしれない。これ以上はダメだと、自分を守るために逃げなさいと…。
でも、俺は、それでも、離れたくなかった。
小さく首を横に振り立華さんの服を掴む。キスだけで腰砕け状態になってるけど、今、ここで離れたくなかった。
それが間違った決断だとしても…離れたくなかったんだ…本当に…
立華さんに先輩の面影を重ねてるのは確かで…。
それでも立華さんの笑顔が見たいと思う自分がいる。
そして、意外に自分は行動派なんだって気が付いた。
「立華さん、おはようございます」
俺は玄関を開けて今帰ってきた立華さんに挨拶をする。
「来栖くん、おはよう。もう大丈夫なの?」
驚きながらも聞いてくる。
「いえ、本当は人と会うのはダメなんですけど…どうしても立華さんに会いたくて…」
あの後、本当に発情が始まってしまい俺は自分の身を守るために、人と会うわけにはいかないんだけど、立華さんに会いたかった。顔が見たかった、声が聞きたかったんだ。
「それをわかってるのに、出てくるなんてどうかしてますよ」
少しだけ棘のある言葉。
「そう…ですよね…」
俺だけが会いたいって思ってるだけで、立華さんには迷惑だよな。
「ねぇ、気が付いてますか?栗栖くんのその匂いは私を刺激するんですよ?」
そう言って、立華さんの手が頬を撫でていく。
「えっ?立華、さん?」
行き成りのことで驚く。
「ねぇ、私、アルファなんですよ?そんな状態で会いたいなんて言われたら…我慢できなくなるでしょ?」
そのまま、顎を掴まれ上を向かされ立華さんと目が合った。吸い込まれそうなほどキレイで、それでいてオスのような目をしていた。そのまま立華さんの顔が近付いてくる。俺が何も抵抗しないから立華さんの唇は俺のそれに重なった。
「んっ、ぁ」
唇が触れた瞬間、雷に打たれたような電流が全身を駆け巡り俺の足からは力が抜けてその場にへたり込んだ。
「え、ちょ、栗栖くん、大丈夫?」
慌てて立華さんがしゃがんで聞いてくるけど
「な、んで」
その言葉しか出なかった。
キスされたのが嫌だったとかじゃなくて、嬉しいと思ってしまった。それと同時に身体に走った電流は間違いなく快楽の方。
「ごめんね。もう、部屋に入った方がいいよ」
立華さんは俺が嫌がったっと思ったのか苦笑を浮かべて頭を撫でてくる。
「なん、で、俺、なんで、っ」
自分がわからなくて、自問自答をする。そんな俺を立華さんが抱きしめてくる。
「もう、いいから、お願いだから自分の部屋に入って。お願い」
それは悲願に近い。俺は無意識のうちに立華さんの背に腕を回していた。
「っ」
立華さんが小さく息をのむ。自分の発情が立華さんとのキスで酷くなってるってこの時の俺は気が付いてなかったんだ。
「ダメだよ、これ以上は…私も我慢できなくなるから…」
立華さんが俺を引きはがす。
「いや、だ、立、華、さん、ヤダ」
俺はそれが嫌で、離れたくなくて、困惑してる立華さんにしがみついた。
「栗栖くん、落ち着こう、ね?」
小さな息を吐き立華さんが頭を撫でてくれる。
「なん、で」
撫でられた部分から熱が伝わってくる。
「ここじゃ、他の人の迷惑になるから、部屋に入ろうか」
立華さんはここが外だということで、部屋に入るように促してくる。俺は小さく頷きながらも
「立てない、力が、入らない」
情けないことに力が入らないことに気が付く。
「これなら立てますか?」
立華さんは俺に手を貸しながら立たせてくれる。俺の部屋の扉を開けて中に入れてくれるけど、閉まった扉に押し付けて奪うようにキスをしてきた。
「ん、ふぅ、ぁ、ん」
繰り返すキスは次第に深いモノへと変わり舌が絡めとられる。
「ぁ、はぁ」
唇が解放された頃には俺の足から完全に力が抜けてその場に崩れ落ちた。
「だからね、言ったでしょう?ちゃんと部屋に戻ってって。栗栖くんのフェロモンは私には毒なの、止められなくなるから」
苦笑を浮かべながら告げてくる立華さん。それは警告だったのかもしれない。これ以上はダメだと、自分を守るために逃げなさいと…。
でも、俺は、それでも、離れたくなかった。
小さく首を横に振り立華さんの服を掴む。キスだけで腰砕け状態になってるけど、今、ここで離れたくなかった。
それが間違った決断だとしても…離れたくなかったんだ…本当に…
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