5 / 9
第1章
05
しおりを挟む
「で?マジでどうしたんだ?お前が間違えるなんて珍しいだろ?」
急に真面目な顔をして翔太が聞いてくる。
「なんでもねぇって。マジで間違えたの。あっ、昨夜さぁ金狼さんに逢ったよ俺」
俺は窓の外を見ながら答える。ホントにただ間違えただけ。
だから、それ以外に深い意味はないんだ。
「マジで?俺も逢いてぇ~!」
金狼さんは夜の街では有名な人で、でもなかなか逢えないのだ。
あぁ、翔太が別世界にトリップしてやがる。
「翔ちゃん彼女は元気?」
翔太の指にリングがはまってねぇ。彼女にもらったヤツが…。
「ん?あぁ、別れた。二股かけてやがってさ、ブチ切れてリングも全部、突っ返した。でも、新しい彼女も出来たし今度また紹介するわ」
相変わらず手がはえぇな。もうできたのかよ。
因みにこの男は俺の幼馴染で、昔からの旧友という名の悪友だったりする。しかも中学の時からZEAという暴走族の頭をやってたりする。
夜の俺を…蒼華を守ってくれているのが翔太たちZEAだ。
「さ、蒼ちゃん行こうかぁ~」
にっこり微笑みながら俺は翔太に腕を掴まれて引きずられて行く。
「い~や~だ~は~な~せ~」
なんて無駄な抵抗をするが離してもらえず結局は朝会へと出る羽目となった。
体育館に入った途端に湧き起こるどよめき。俺が朝会に出たことでみんな驚いてんの。
担任の吉田はあれだ、俺が曜日間違えたのに気が付いたんだろうな笑ってやがる。嫌味なやつだ。
ちくしょ~!!!
くっそなっげぇ~校長の話を何度も欠伸を噛み締めながら翔太の肩に顎を乗せて聞いていた。
ホントは俺の居場所は翔太よりも、もっと前なんだけど理由があって俺は翔太の後ろにいる。
俺が欠伸をする度に翔太が笑ってやがる。身体が揺れっからバレてんだよ。このヤロ。
「では、次に生徒会長からの連絡です」
やっと校長の話が終わったと思ったら今度は生徒会長かよ。なんて思ってステージに上がってきた人物を見て驚いた。
「翔ちゃん、あれ誰?」
俺は小声で聞いてみた。俺マジで朝会って出ないから生徒会のメンツの顔とか知らないんだよね。
「はぁ?お前いくらなんでも覚えとけよ。うちの生徒会ぐらいさ。2年特Aクラスの金城拓真。成績は常に学年トップだ」
翔ちゃんはそう説明してくれるが
嘘だ、マジで?
だって、あの顔はどう見ても昨夜あの公園で逢った金狼さんじゃん。
俺が見間違えるはずがない。記憶力は誰よりもいい。一度、見て覚えたら忘れない。
キチっと制服着てメガネかけてるけど、あのキレイな金髪と漆黒の瞳は間違いなく金狼さんのモノだ。
「なに?知り合いか?」
翔太が聞いてくる。
「いや…そうじゃないんだけど…夜の街に出てるってことはないよね?」
俺は質問を質問で返した。
「それはねぇだろ?堅物で有名な男だぜ?出るわけねぇだろ」
なんて言われた。
「そうだよな…知り合いに似てたから…翔ちゃん…ごめん…俺…もうダメ…」
俺は翔太の肩からズルズルと落ちていく。
「ちょ…お前はぁ~もっと早く言えぇ!!!」
俺のぶっ倒れる音と翔太の叫び声が朝会をしている体育館の中に響き渡ったのだった。
俺が朝会に出ない理由。それは貧血を起こすからだ。
だから俺はいつも翔太の傍にいる。
ぶっ倒れた俺は翔太に抱きかかえられ、そのまま保健室へと連行されたのだった。
翔太の奴はぶっ倒れるの知ってても朝会に引きずり出すんだからヒデェ男だ。
で、倒れた俺を介抱してくれるいいヤツでもある。
ホント、厄介な身体だよマジで…。
急に真面目な顔をして翔太が聞いてくる。
「なんでもねぇって。マジで間違えたの。あっ、昨夜さぁ金狼さんに逢ったよ俺」
俺は窓の外を見ながら答える。ホントにただ間違えただけ。
だから、それ以外に深い意味はないんだ。
「マジで?俺も逢いてぇ~!」
金狼さんは夜の街では有名な人で、でもなかなか逢えないのだ。
あぁ、翔太が別世界にトリップしてやがる。
「翔ちゃん彼女は元気?」
翔太の指にリングがはまってねぇ。彼女にもらったヤツが…。
「ん?あぁ、別れた。二股かけてやがってさ、ブチ切れてリングも全部、突っ返した。でも、新しい彼女も出来たし今度また紹介するわ」
相変わらず手がはえぇな。もうできたのかよ。
因みにこの男は俺の幼馴染で、昔からの旧友という名の悪友だったりする。しかも中学の時からZEAという暴走族の頭をやってたりする。
夜の俺を…蒼華を守ってくれているのが翔太たちZEAだ。
「さ、蒼ちゃん行こうかぁ~」
にっこり微笑みながら俺は翔太に腕を掴まれて引きずられて行く。
「い~や~だ~は~な~せ~」
なんて無駄な抵抗をするが離してもらえず結局は朝会へと出る羽目となった。
体育館に入った途端に湧き起こるどよめき。俺が朝会に出たことでみんな驚いてんの。
担任の吉田はあれだ、俺が曜日間違えたのに気が付いたんだろうな笑ってやがる。嫌味なやつだ。
ちくしょ~!!!
くっそなっげぇ~校長の話を何度も欠伸を噛み締めながら翔太の肩に顎を乗せて聞いていた。
ホントは俺の居場所は翔太よりも、もっと前なんだけど理由があって俺は翔太の後ろにいる。
俺が欠伸をする度に翔太が笑ってやがる。身体が揺れっからバレてんだよ。このヤロ。
「では、次に生徒会長からの連絡です」
やっと校長の話が終わったと思ったら今度は生徒会長かよ。なんて思ってステージに上がってきた人物を見て驚いた。
「翔ちゃん、あれ誰?」
俺は小声で聞いてみた。俺マジで朝会って出ないから生徒会のメンツの顔とか知らないんだよね。
「はぁ?お前いくらなんでも覚えとけよ。うちの生徒会ぐらいさ。2年特Aクラスの金城拓真。成績は常に学年トップだ」
翔ちゃんはそう説明してくれるが
嘘だ、マジで?
だって、あの顔はどう見ても昨夜あの公園で逢った金狼さんじゃん。
俺が見間違えるはずがない。記憶力は誰よりもいい。一度、見て覚えたら忘れない。
キチっと制服着てメガネかけてるけど、あのキレイな金髪と漆黒の瞳は間違いなく金狼さんのモノだ。
「なに?知り合いか?」
翔太が聞いてくる。
「いや…そうじゃないんだけど…夜の街に出てるってことはないよね?」
俺は質問を質問で返した。
「それはねぇだろ?堅物で有名な男だぜ?出るわけねぇだろ」
なんて言われた。
「そうだよな…知り合いに似てたから…翔ちゃん…ごめん…俺…もうダメ…」
俺は翔太の肩からズルズルと落ちていく。
「ちょ…お前はぁ~もっと早く言えぇ!!!」
俺のぶっ倒れる音と翔太の叫び声が朝会をしている体育館の中に響き渡ったのだった。
俺が朝会に出ない理由。それは貧血を起こすからだ。
だから俺はいつも翔太の傍にいる。
ぶっ倒れた俺は翔太に抱きかかえられ、そのまま保健室へと連行されたのだった。
翔太の奴はぶっ倒れるの知ってても朝会に引きずり出すんだからヒデェ男だ。
で、倒れた俺を介抱してくれるいいヤツでもある。
ホント、厄介な身体だよマジで…。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
隠れSな攻めの短編集
あかさたな!
BL
こちら全話独立、オトナな短編集です。
1話1話完結しています。
いきなりオトナな内容に入るのでご注意を。
今回はソフトからドがつくくらいのSまで、いろんなタイプの攻めがみられる短編集です!隠れSとか、メガネSとか、年下Sとか…⁉︎
【お仕置きで奥の処女をもらう参謀】【口の中をいじめる歯医者】
【独占欲で使用人をいじめる王様】
【無自覚Sがトイレを我慢させる】
【召喚された勇者は魔術師の性癖(ケモ耳)に巻き込まれる】
【勝手にイくことを許さない許嫁】
【胸の敏感なところだけでいかせたいいじめっ子】
【自称Sをしばく女装っ子の部下】
【魔王を公開処刑する勇者】
【酔うとエスになるカテキョ】
【虎視眈々と下剋上を狙うヴァンパイアの眷属】
【貴族坊ちゃんの弱みを握った庶民】
【主人を調教する奴隷】
2022/04/15を持って、こちらの短編集は完結とさせていただきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
前作に
・年下攻め
・いじわるな溺愛攻め
・下剋上っぽい関係
短編集も完結してるで、プロフィールからぜひ!
人はそれを愛と呼び、彼は迷惑だと叫ぶ。
槇瀬光琉
BL
他人に興味を示さない生徒会長の梅村は他人から干渉されるのを嫌う。そんな梅村が一番、愚痴を言っているのが風紀委員長の菊池だった。菊池は梅村が愚痴を言いに来るたびにイヤそうな顔をするが追い返そうとはせずに嫌味を言いながら話を聞くのだった。
1話完結の短い話をごそっと載せていこうかなと…。会話文が多いです。
今後この二人がどなるかは謎のショートストーリーです。
楽しんでいただけたらなと思っております。
蜘蛛の巣
猫丸
BL
オメガバース作品/R18/全10話(7/23まで毎日20時公開)/真面目α✕不憫受け(Ω)
世木伊吹(Ω)は、孤独な少年時代を過ごし、自衛のためにβのフリをして生きてきた。だが、井雲知朱(α)に運命の番と認定されたことによって、取り繕っていた仮面が剥がれていく。必死に抗うが、逃げようとしても逃げられない忌まわしいΩという性。
混乱に陥る伊吹だったが、井雲や友人から無条件に与えられる優しさによって、張り詰めていた気持ちが緩み、徐々に心を許していく。
やっと自分も相手も受け入れられるようになって起こった伊吹と井雲を襲う悲劇と古い因縁。
伊吹も知らなかった、両親の本当の真実とは?
※ところどころ差別的発言・暴力的行為が出てくるので、そういった描写に不快感を持たれる方はご遠慮ください。
純粋すぎるおもちゃを狂愛
ましましろ
BL
孤児院から引き取られた主人公(ラキ)は新しい里親の下で暮らすことになる。実はラキはご主人様であるイヴァンにお̀も̀ち̀ゃ̀として引き取られていたのだった。
優しさにある恐怖や初めての経験に戸惑う日々が始まる。
毎週月曜日9:00に更新予定。
※時々休みます。
処女姫Ωと帝の初夜
切羽未依
BL
αの皇子を産むため、男なのに姫として後宮に入れられたΩのぼく。
七年も経っても、未だに帝に番われず、未通(おとめ=処女)のままだった。
幼なじみでもある帝と仲は良かったが、Ωとして求められないことに、ぼくは不安と悲しみを抱えていた・・・
『紫式部~実は、歴史上の人物がΩだった件』の紫式部の就職先・藤原彰子も実はΩで、男の子だった!?というオメガバースな歴史ファンタジー。
歴史や古文が苦手でも、だいじょうぶ。ふりがな満載・カッコ書きの説明大量。
フツーの日本語で書いています。
美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる