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第1章
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「で?マジでどうしたんだ?お前が間違えるなんて珍しいだろ?」
急に真面目な顔をして翔太が聞いてくる。
「なんでもねぇって。マジで間違えたの。あっ、昨夜さぁ金狼さんに逢ったよ俺」
俺は窓の外を見ながら答える。ホントにただ間違えただけ。
だから、それ以外に深い意味はないんだ。
「マジで?俺も逢いてぇ~!」
金狼さんは夜の街では有名な人で、でもなかなか逢えないのだ。
あぁ、翔太が別世界にトリップしてやがる。
「翔ちゃん彼女は元気?」
翔太の指にリングがはまってねぇ。彼女にもらったヤツが…。
「ん?あぁ、別れた。二股かけてやがってさ、ブチ切れてリングも全部、突っ返した。でも、新しい彼女も出来たし今度また紹介するわ」
相変わらず手がはえぇな。もうできたのかよ。
因みにこの男は俺の幼馴染で、昔からの旧友という名の悪友だったりする。しかも中学の時からZEAという暴走族の頭をやってたりする。
夜の俺を…蒼華を守ってくれているのが翔太たちZEAだ。
「さ、蒼ちゃん行こうかぁ~」
にっこり微笑みながら俺は翔太に腕を掴まれて引きずられて行く。
「い~や~だ~は~な~せ~」
なんて無駄な抵抗をするが離してもらえず結局は朝会へと出る羽目となった。
体育館に入った途端に湧き起こるどよめき。俺が朝会に出たことでみんな驚いてんの。
担任の吉田はあれだ、俺が曜日間違えたのに気が付いたんだろうな笑ってやがる。嫌味なやつだ。
ちくしょ~!!!
くっそなっげぇ~校長の話を何度も欠伸を噛み締めながら翔太の肩に顎を乗せて聞いていた。
ホントは俺の居場所は翔太よりも、もっと前なんだけど理由があって俺は翔太の後ろにいる。
俺が欠伸をする度に翔太が笑ってやがる。身体が揺れっからバレてんだよ。このヤロ。
「では、次に生徒会長からの連絡です」
やっと校長の話が終わったと思ったら今度は生徒会長かよ。なんて思ってステージに上がってきた人物を見て驚いた。
「翔ちゃん、あれ誰?」
俺は小声で聞いてみた。俺マジで朝会って出ないから生徒会のメンツの顔とか知らないんだよね。
「はぁ?お前いくらなんでも覚えとけよ。うちの生徒会ぐらいさ。2年特Aクラスの金城拓真。成績は常に学年トップだ」
翔ちゃんはそう説明してくれるが
嘘だ、マジで?
だって、あの顔はどう見ても昨夜あの公園で逢った金狼さんじゃん。
俺が見間違えるはずがない。記憶力は誰よりもいい。一度、見て覚えたら忘れない。
キチっと制服着てメガネかけてるけど、あのキレイな金髪と漆黒の瞳は間違いなく金狼さんのモノだ。
「なに?知り合いか?」
翔太が聞いてくる。
「いや…そうじゃないんだけど…夜の街に出てるってことはないよね?」
俺は質問を質問で返した。
「それはねぇだろ?堅物で有名な男だぜ?出るわけねぇだろ」
なんて言われた。
「そうだよな…知り合いに似てたから…翔ちゃん…ごめん…俺…もうダメ…」
俺は翔太の肩からズルズルと落ちていく。
「ちょ…お前はぁ~もっと早く言えぇ!!!」
俺のぶっ倒れる音と翔太の叫び声が朝会をしている体育館の中に響き渡ったのだった。
俺が朝会に出ない理由。それは貧血を起こすからだ。
だから俺はいつも翔太の傍にいる。
ぶっ倒れた俺は翔太に抱きかかえられ、そのまま保健室へと連行されたのだった。
翔太の奴はぶっ倒れるの知ってても朝会に引きずり出すんだからヒデェ男だ。
で、倒れた俺を介抱してくれるいいヤツでもある。
ホント、厄介な身体だよマジで…。
急に真面目な顔をして翔太が聞いてくる。
「なんでもねぇって。マジで間違えたの。あっ、昨夜さぁ金狼さんに逢ったよ俺」
俺は窓の外を見ながら答える。ホントにただ間違えただけ。
だから、それ以外に深い意味はないんだ。
「マジで?俺も逢いてぇ~!」
金狼さんは夜の街では有名な人で、でもなかなか逢えないのだ。
あぁ、翔太が別世界にトリップしてやがる。
「翔ちゃん彼女は元気?」
翔太の指にリングがはまってねぇ。彼女にもらったヤツが…。
「ん?あぁ、別れた。二股かけてやがってさ、ブチ切れてリングも全部、突っ返した。でも、新しい彼女も出来たし今度また紹介するわ」
相変わらず手がはえぇな。もうできたのかよ。
因みにこの男は俺の幼馴染で、昔からの旧友という名の悪友だったりする。しかも中学の時からZEAという暴走族の頭をやってたりする。
夜の俺を…蒼華を守ってくれているのが翔太たちZEAだ。
「さ、蒼ちゃん行こうかぁ~」
にっこり微笑みながら俺は翔太に腕を掴まれて引きずられて行く。
「い~や~だ~は~な~せ~」
なんて無駄な抵抗をするが離してもらえず結局は朝会へと出る羽目となった。
体育館に入った途端に湧き起こるどよめき。俺が朝会に出たことでみんな驚いてんの。
担任の吉田はあれだ、俺が曜日間違えたのに気が付いたんだろうな笑ってやがる。嫌味なやつだ。
ちくしょ~!!!
くっそなっげぇ~校長の話を何度も欠伸を噛み締めながら翔太の肩に顎を乗せて聞いていた。
ホントは俺の居場所は翔太よりも、もっと前なんだけど理由があって俺は翔太の後ろにいる。
俺が欠伸をする度に翔太が笑ってやがる。身体が揺れっからバレてんだよ。このヤロ。
「では、次に生徒会長からの連絡です」
やっと校長の話が終わったと思ったら今度は生徒会長かよ。なんて思ってステージに上がってきた人物を見て驚いた。
「翔ちゃん、あれ誰?」
俺は小声で聞いてみた。俺マジで朝会って出ないから生徒会のメンツの顔とか知らないんだよね。
「はぁ?お前いくらなんでも覚えとけよ。うちの生徒会ぐらいさ。2年特Aクラスの金城拓真。成績は常に学年トップだ」
翔ちゃんはそう説明してくれるが
嘘だ、マジで?
だって、あの顔はどう見ても昨夜あの公園で逢った金狼さんじゃん。
俺が見間違えるはずがない。記憶力は誰よりもいい。一度、見て覚えたら忘れない。
キチっと制服着てメガネかけてるけど、あのキレイな金髪と漆黒の瞳は間違いなく金狼さんのモノだ。
「なに?知り合いか?」
翔太が聞いてくる。
「いや…そうじゃないんだけど…夜の街に出てるってことはないよね?」
俺は質問を質問で返した。
「それはねぇだろ?堅物で有名な男だぜ?出るわけねぇだろ」
なんて言われた。
「そうだよな…知り合いに似てたから…翔ちゃん…ごめん…俺…もうダメ…」
俺は翔太の肩からズルズルと落ちていく。
「ちょ…お前はぁ~もっと早く言えぇ!!!」
俺のぶっ倒れる音と翔太の叫び声が朝会をしている体育館の中に響き渡ったのだった。
俺が朝会に出ない理由。それは貧血を起こすからだ。
だから俺はいつも翔太の傍にいる。
ぶっ倒れた俺は翔太に抱きかかえられ、そのまま保健室へと連行されたのだった。
翔太の奴はぶっ倒れるの知ってても朝会に引きずり出すんだからヒデェ男だ。
で、倒れた俺を介抱してくれるいいヤツでもある。
ホント、厄介な身体だよマジで…。
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