5 / 5
5話
しおりを挟む
「リューイ様、お待たせしました。思いのほか手間取ってしまいましたがご覧ください」
「へぇ。これは随分と化けたな」
イアンさんに連れていかれた場所でリューイさんに会った俺は恥ずかしくて仕方がなかった。
湯あみのためにイアンさん連れられて向かった場所には10人ぐらいの人がいた。
「リューイ様より預かったお方だ。きれいにしてやってくれ」
イアンさんのその一言により俺は10人ぐらいいる人たちに衣服を全部ひん剥かれることとなった。しかも全員女性だった…。
「やっ、ちょ、待った。自分でできっ…うわぁぁぁ!!!」
「大変です、お湯が一瞬で真っ黒になりました」
「新しいお湯を準備して」
「はい」
俺の意見など聞き入れてくれることなく湯船の中に入れられた俺は全身泡だらけになった。
俺が湯あみに連れて行かれて湯あみから解放されたのが2時間後だった。
「イアンさま、これでいかがでしょうか」
ピカピカのツルツルになった俺をイアンさんに見せていう彼女の後ろには屍になった女性たち。うん、俺を洗うのに体力を使い切ったって感じだ。
「流石です、リーナさま。今はゆっくり休んでください。では、あなたはこちらに」
イアンさんはリーナさんに告げてから俺を違う場所へと連れて行った。
そして、ここでも俺の地獄が待っていた。
「お待ちしてましたイアンさま」
そこで待っていたのはまた違う女性。
「ルミナ様、彼にあう服をお願いします。リューイ様の傍に立っても恥ずかしくない服で」
イアンさんの言葉にルミナさんの目がギラリと光った。
「お任せくださいイアン様。リューイ様に引けを取らない素敵な殿方に仕上げて見せますわ」
その一言で俺はまたしても色々とやられることになった。
「あぁ、違うわ。そっちじゃない。ダメよそれは」
「あぁ、これじゃない!」
「もぉ、どうしてよ!」
俺にかわるがわるいろんな服を着せながらあれやこれやと言い合う女性たち。無残にも床に散らばっていく衣類。一体どれだけの時間こんなことに付き合わされるんだろう。と思い始めたころ
「いかがですかイアン様」
俺の服が決まりイアンさんに見せた。ポカーンと口を開けたままのイアンさん。なんか言ってくれよ。俺はこれからどうしたらいんだよ。
「イアン様。いかがでしょう」
苦笑を浮かべながらイアンさんに聞くその声にハッと我に返ったイアンさん。
「し、失礼。流石ですねルミナ様、見違えました」
「元々の作りがいいのよ彼。だからちょっと時間がかかってしまいましたわ」
他の女性たちもうんうんと頷く。
「では、彼用の服を何着か残していただき後ほど料金を請求してください。相応の料金を支払いますので」
「わかりました」
2人の会話を聞きながら俺用の服って何だろうって考えちゃった。ここでお世話になるんだから服がないとやってけないけど俺、金ないんですが…。って自分の置かれてる状況をふと思い出した。
「では、リューイ様がお待ちです。行きましょう」
「あっ、はい」
イアンさんに言われて俺は慌てて彼の後を追った。
そこまで来てふと思った。さっきと態度が違うんじゃないかって。なんでだろう?
「あっ、あの…」
だからついイアンさんに声をかけてしまった。
「はい?あっ、あぁ…すみません。リューイ様と違い我々は匂いに耐性がないんです。誠に言いずらいのですが…ここへ来た時のあなた様は鼻がまがるほどの異臭を放っておりまして…」
ものすごく言い辛そうに言われてあぁって納得した。
「すみません。リューイさんたちは何も言わなかったので気にしてませんでした。長い間、牢獄にいて風呂なんて入ってないですもんね。匂いましたよね」
はははって自分でも乾いた笑いを浮かべた。そうだよ、匂いって当たり前なんだよ。
「リューイ様は血と汗のにおい、埃などもひどい場所で常に戦っておられましたのでそういった匂いには平気なんです。ですので先ほどは失礼な態度をとり申し訳ありませんでした」
イアンさんはそう深々と頭を下げてくれた。
「えっ、あぁ、そんな頭を上げてください。悪いのは俺も同じなので…。あんなみすぼらしい格好でいたら不快に思いますもん」
それに冤罪だったとはいえ罪人を連れてきたらイヤだろうしさ。
「リューイ様がお待ちです。こちらへどうぞ」
イアンさんがリューイさんの元へと案内してくれた。
「へぇ。これは随分と化けたな」
イアンさんに連れていかれた場所でリューイさんに会った俺は恥ずかしくて仕方がなかった。
湯あみのためにイアンさん連れられて向かった場所には10人ぐらいの人がいた。
「リューイ様より預かったお方だ。きれいにしてやってくれ」
イアンさんのその一言により俺は10人ぐらいいる人たちに衣服を全部ひん剥かれることとなった。しかも全員女性だった…。
「やっ、ちょ、待った。自分でできっ…うわぁぁぁ!!!」
「大変です、お湯が一瞬で真っ黒になりました」
「新しいお湯を準備して」
「はい」
俺の意見など聞き入れてくれることなく湯船の中に入れられた俺は全身泡だらけになった。
俺が湯あみに連れて行かれて湯あみから解放されたのが2時間後だった。
「イアンさま、これでいかがでしょうか」
ピカピカのツルツルになった俺をイアンさんに見せていう彼女の後ろには屍になった女性たち。うん、俺を洗うのに体力を使い切ったって感じだ。
「流石です、リーナさま。今はゆっくり休んでください。では、あなたはこちらに」
イアンさんはリーナさんに告げてから俺を違う場所へと連れて行った。
そして、ここでも俺の地獄が待っていた。
「お待ちしてましたイアンさま」
そこで待っていたのはまた違う女性。
「ルミナ様、彼にあう服をお願いします。リューイ様の傍に立っても恥ずかしくない服で」
イアンさんの言葉にルミナさんの目がギラリと光った。
「お任せくださいイアン様。リューイ様に引けを取らない素敵な殿方に仕上げて見せますわ」
その一言で俺はまたしても色々とやられることになった。
「あぁ、違うわ。そっちじゃない。ダメよそれは」
「あぁ、これじゃない!」
「もぉ、どうしてよ!」
俺にかわるがわるいろんな服を着せながらあれやこれやと言い合う女性たち。無残にも床に散らばっていく衣類。一体どれだけの時間こんなことに付き合わされるんだろう。と思い始めたころ
「いかがですかイアン様」
俺の服が決まりイアンさんに見せた。ポカーンと口を開けたままのイアンさん。なんか言ってくれよ。俺はこれからどうしたらいんだよ。
「イアン様。いかがでしょう」
苦笑を浮かべながらイアンさんに聞くその声にハッと我に返ったイアンさん。
「し、失礼。流石ですねルミナ様、見違えました」
「元々の作りがいいのよ彼。だからちょっと時間がかかってしまいましたわ」
他の女性たちもうんうんと頷く。
「では、彼用の服を何着か残していただき後ほど料金を請求してください。相応の料金を支払いますので」
「わかりました」
2人の会話を聞きながら俺用の服って何だろうって考えちゃった。ここでお世話になるんだから服がないとやってけないけど俺、金ないんですが…。って自分の置かれてる状況をふと思い出した。
「では、リューイ様がお待ちです。行きましょう」
「あっ、はい」
イアンさんに言われて俺は慌てて彼の後を追った。
そこまで来てふと思った。さっきと態度が違うんじゃないかって。なんでだろう?
「あっ、あの…」
だからついイアンさんに声をかけてしまった。
「はい?あっ、あぁ…すみません。リューイ様と違い我々は匂いに耐性がないんです。誠に言いずらいのですが…ここへ来た時のあなた様は鼻がまがるほどの異臭を放っておりまして…」
ものすごく言い辛そうに言われてあぁって納得した。
「すみません。リューイさんたちは何も言わなかったので気にしてませんでした。長い間、牢獄にいて風呂なんて入ってないですもんね。匂いましたよね」
はははって自分でも乾いた笑いを浮かべた。そうだよ、匂いって当たり前なんだよ。
「リューイ様は血と汗のにおい、埃などもひどい場所で常に戦っておられましたのでそういった匂いには平気なんです。ですので先ほどは失礼な態度をとり申し訳ありませんでした」
イアンさんはそう深々と頭を下げてくれた。
「えっ、あぁ、そんな頭を上げてください。悪いのは俺も同じなので…。あんなみすぼらしい格好でいたら不快に思いますもん」
それに冤罪だったとはいえ罪人を連れてきたらイヤだろうしさ。
「リューイ様がお待ちです。こちらへどうぞ」
イアンさんがリューイさんの元へと案内してくれた。
10
お気に入りに追加
2
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?


真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~
シキ
BL
全寮制学園モノBL。
倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。
倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……?
真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。
一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。
こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。
今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。
当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる