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「はぁ、リューイ。お前の言いたいことはわかる。確かに無能と呼ばれてもおかしくない人たちだ。だがな、もう少し言葉を選べ、バカもの」
呆れ顔のジョーンズさん。
「あれやこれやと媚びを売りまくり、俺の後ろ盾を狙う奴らなんかに言葉を選ぶわけがないだろうジョーンズ。あいつらは俺の公爵公の息子という肩書を利用したいだけだぞ」
リューイさん公爵の息子ってことはそれなりに偉いんじゃ?
「だーかーらー!俺は今、総指揮官としてお前に話しているんであって、同期として話しているんじゃないんだよリューイ!」
ジョーンズさんの言葉を聞いて、この二人はいつもこんな感じで話してるんだろうなって、本当に仲がいいんだなって思った。
「で?その冤罪を受けそうになったそいつを俺にどうしろと?」
冤罪。改めてそれを口に出されるとへこむな。俺はその冤罪で死刑にされるところだったのだから…。
「お前に預ける。好きにすればいい。この場所に置いておくよりはお前の所の方が安全だからな」
ジョーンズさんの言葉の意味が分からない。何が安全だというのだろうか?
「そんなのそいつに選ばせればいいじゃねぇか」
リューイさんの言葉にジョーンズさんは呆れ顔で溜め息をつき俺は意味が分からずリューイさんを見た。
「ハルト・エリエアお前に選択させてやる。だから選べ。この場に残ってこいつら兵士の雑用兼性的奴隷になるか、ハゲおやじどもの玩具になるか、売られて一生奴隷で過ごすか、俺の所へ来るか。お前の好きなものを選べ」
「はっ?」
俺はリューイさんに言われた言葉の意味が一瞬わからなかった。
「おい、聞いてるのか?」
リューイさんに言われて俺は慌てて頷いた。リューイさんに言われた選択肢を思い出して考える。グルグル考えて考えて考え抜いて決まった。いや、考えるまでもない。
この場所や奴隷、ハゲおやじ…どれも嫌だ。
例え同じ扱いをされるとしてもあいつと同じ顔同じ声のリューイさんの方がまだいい。
「じゃぁ、どうするんだ?」
その言葉に俺は
「お願いします」
リューイさんに頭を下げた。
「ジョーンズ俺がこいつに何をやっても文句はねぇんだよな?」
リューイさんの問いにジョーンズさんは
「あぁ。身元の引き取りてもない男だ。この場所よりもお前の所の方がいいと思ってお前を呼んだんだ。お前が預かってくれるのなら、その後で何をしようが我々は関与しない」
ハッキリと言い切った。その言葉に胸が痛む。この場所では後味が悪いが、他の場所なら好きなようにしろと言われてるようだ。
「で?こいつの鍵は?」
いつの間にか俺の隣に立ち俺の手にはまる手錠を持ち上げる。
「ほら」
ジョーンズさんがカギを投げてよこす。リューイさんは鍵を受け取って手錠を外してくれた。
「逃げるなよ。逃げればその首が一瞬で飛ぶぞ」
自分の手首を触っていたら少し低い声で囁くように言われた言葉。俺は小さく頷いた。
呆れ顔のジョーンズさん。
「あれやこれやと媚びを売りまくり、俺の後ろ盾を狙う奴らなんかに言葉を選ぶわけがないだろうジョーンズ。あいつらは俺の公爵公の息子という肩書を利用したいだけだぞ」
リューイさん公爵の息子ってことはそれなりに偉いんじゃ?
「だーかーらー!俺は今、総指揮官としてお前に話しているんであって、同期として話しているんじゃないんだよリューイ!」
ジョーンズさんの言葉を聞いて、この二人はいつもこんな感じで話してるんだろうなって、本当に仲がいいんだなって思った。
「で?その冤罪を受けそうになったそいつを俺にどうしろと?」
冤罪。改めてそれを口に出されるとへこむな。俺はその冤罪で死刑にされるところだったのだから…。
「お前に預ける。好きにすればいい。この場所に置いておくよりはお前の所の方が安全だからな」
ジョーンズさんの言葉の意味が分からない。何が安全だというのだろうか?
「そんなのそいつに選ばせればいいじゃねぇか」
リューイさんの言葉にジョーンズさんは呆れ顔で溜め息をつき俺は意味が分からずリューイさんを見た。
「ハルト・エリエアお前に選択させてやる。だから選べ。この場に残ってこいつら兵士の雑用兼性的奴隷になるか、ハゲおやじどもの玩具になるか、売られて一生奴隷で過ごすか、俺の所へ来るか。お前の好きなものを選べ」
「はっ?」
俺はリューイさんに言われた言葉の意味が一瞬わからなかった。
「おい、聞いてるのか?」
リューイさんに言われて俺は慌てて頷いた。リューイさんに言われた選択肢を思い出して考える。グルグル考えて考えて考え抜いて決まった。いや、考えるまでもない。
この場所や奴隷、ハゲおやじ…どれも嫌だ。
例え同じ扱いをされるとしてもあいつと同じ顔同じ声のリューイさんの方がまだいい。
「じゃぁ、どうするんだ?」
その言葉に俺は
「お願いします」
リューイさんに頭を下げた。
「ジョーンズ俺がこいつに何をやっても文句はねぇんだよな?」
リューイさんの問いにジョーンズさんは
「あぁ。身元の引き取りてもない男だ。この場所よりもお前の所の方がいいと思ってお前を呼んだんだ。お前が預かってくれるのなら、その後で何をしようが我々は関与しない」
ハッキリと言い切った。その言葉に胸が痛む。この場所では後味が悪いが、他の場所なら好きなようにしろと言われてるようだ。
「で?こいつの鍵は?」
いつの間にか俺の隣に立ち俺の手にはまる手錠を持ち上げる。
「ほら」
ジョーンズさんがカギを投げてよこす。リューイさんは鍵を受け取って手錠を外してくれた。
「逃げるなよ。逃げればその首が一瞬で飛ぶぞ」
自分の手首を触っていたら少し低い声で囁くように言われた言葉。俺は小さく頷いた。
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