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どういう関係で?
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「えっと、説明してくれますかね先輩方」
俺は取り敢えず、このわけのわからない状況を抜け出したくて二人で喜んでる先輩方に声をかける。
「あぁ、すまない。はじめまして、南田の兄の楠凌平です」
「はっ?」
その言葉に間抜けな声が出た。
「お前兄弟いたのか?」
だからつい隣の南田に聞いてしまった。
「そいつが兄貴でその隣が兄貴の恋人」
南田は心底イヤそうな顔で教えてくれる。
「えっ?マジで?」
驚きながら聞けば南田はイヤそうな顔をしたままで頷く。
「親同士が離婚をしたので姓は別々になったけど俺たちはれっきとした兄弟だよ。ちゃんと血も繋がってる」
楠先輩は嬉しそうに説明してくれる。
「はぁ、で?なんでさっきはあんな喜びかたを?」
本題に戻ろうと話を返れば
「実は滉也は元々、人よりも少し身体が弱い方でね、身長も低いし、体力もないし、声も小さい。本人が大声を出しててもさっきの音量しか出せないんだ。だから滉也が話すときはみんなが黙らないと声が届かない」
楠先輩が言い始めそういえばと納得をする部分があった。
体力がない、チビ、声が小さい。どれも南田の回りの奴らが言っていた言葉だ。
だから南田は他人と関わることを止め1人でいることが多かった。俺は同じクラスだし、普通に見てたんだがな。
「それなのにだ、緒方は俺たちと会話しながらも滉也の声が聞こえるって言うじゃないか!こんな喜ばしいことがあるか?ないだろう!!」
「うるせぇハゲ」
楠先輩にすかさず悪態をつくのはさすがだぞ南田。
「で、俺にどうしろっていうんですか、あなたたちは」
言わんとすることは何となくわかるけど
「滉也のことを頼む!俺は心配なんだ、いつもボッチでいる弟が!!」
「うるせぇ、好きで1人でいるんだ。ボッチじゃねぇ!!!」
「こいつのことだからな強がってる部分もある」
「強がってねぇよば~か!!」
カオスだな。
弟を心配する兄とその恋人VS反発する弟。
なんちゅうフザケタ寸劇を見せられてるのか…。
「あんたら二人、弟が大事なのはいいんですけど、重度のブラコンどうにかした方がいいですよ。南田を手伝うことはしますよ。それでいいでしょ?」
俺がそういえば
「「頼んだぞ緒方!!!」」
二人揃ってブンブンと握手をして振り回してくる。
「自業自得だ。俺に関わるからそうなんるんだ」
そんな様子を見て南田がいう。勿論、喜んでる二人には届いていない。
「まぁ、役職に就いた以上お前とはどう足掻いても関わることになるからな。後悔はしてないさ」
俺が小さく笑って答えれば
「変なヤツ」
なんてどことなく嬉しそうに笑いながらも悪態をついた。
Fin
俺は取り敢えず、このわけのわからない状況を抜け出したくて二人で喜んでる先輩方に声をかける。
「あぁ、すまない。はじめまして、南田の兄の楠凌平です」
「はっ?」
その言葉に間抜けな声が出た。
「お前兄弟いたのか?」
だからつい隣の南田に聞いてしまった。
「そいつが兄貴でその隣が兄貴の恋人」
南田は心底イヤそうな顔で教えてくれる。
「えっ?マジで?」
驚きながら聞けば南田はイヤそうな顔をしたままで頷く。
「親同士が離婚をしたので姓は別々になったけど俺たちはれっきとした兄弟だよ。ちゃんと血も繋がってる」
楠先輩は嬉しそうに説明してくれる。
「はぁ、で?なんでさっきはあんな喜びかたを?」
本題に戻ろうと話を返れば
「実は滉也は元々、人よりも少し身体が弱い方でね、身長も低いし、体力もないし、声も小さい。本人が大声を出しててもさっきの音量しか出せないんだ。だから滉也が話すときはみんなが黙らないと声が届かない」
楠先輩が言い始めそういえばと納得をする部分があった。
体力がない、チビ、声が小さい。どれも南田の回りの奴らが言っていた言葉だ。
だから南田は他人と関わることを止め1人でいることが多かった。俺は同じクラスだし、普通に見てたんだがな。
「それなのにだ、緒方は俺たちと会話しながらも滉也の声が聞こえるって言うじゃないか!こんな喜ばしいことがあるか?ないだろう!!」
「うるせぇハゲ」
楠先輩にすかさず悪態をつくのはさすがだぞ南田。
「で、俺にどうしろっていうんですか、あなたたちは」
言わんとすることは何となくわかるけど
「滉也のことを頼む!俺は心配なんだ、いつもボッチでいる弟が!!」
「うるせぇ、好きで1人でいるんだ。ボッチじゃねぇ!!!」
「こいつのことだからな強がってる部分もある」
「強がってねぇよば~か!!」
カオスだな。
弟を心配する兄とその恋人VS反発する弟。
なんちゅうフザケタ寸劇を見せられてるのか…。
「あんたら二人、弟が大事なのはいいんですけど、重度のブラコンどうにかした方がいいですよ。南田を手伝うことはしますよ。それでいいでしょ?」
俺がそういえば
「「頼んだぞ緒方!!!」」
二人揃ってブンブンと握手をして振り回してくる。
「自業自得だ。俺に関わるからそうなんるんだ」
そんな様子を見て南田がいう。勿論、喜んでる二人には届いていない。
「まぁ、役職に就いた以上お前とはどう足掻いても関わることになるからな。後悔はしてないさ」
俺が小さく笑って答えれば
「変なヤツ」
なんてどことなく嬉しそうに笑いながらも悪態をついた。
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