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熱い手

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触れた手がいつになく熱く感じた。


ただそれだけだった。


そう、本当にただそれだけだったんだ。



「あのなぁ、ゆい」
目の前の男は呆れながら深々と溜め息をつく。


わかってる、俺が悪いんだってのは…。


「ふっ、ぁ、たい、がぁ、キスぅ」
だって、自分でもこんな状況に驚いてるんだ。
「ホントにお前のスイッチはどこにあるんだか…」
呆れながらも俺を見捨てないのはこの男の優しさだ。だから俺はいつもこの男に甘えるんだ。甘えて、記憶が飛ぶくらいに…。

「ったく」
なんて文句言いながらも俺を軽々と抱き上げると寝室へと運びベッドの上に押し倒される。

「たい、がぁ、キス、してぇ」
男の首に腕を回しキスをせがむ。しょうがねぇなって溜め息をつきキスをくれる。はじめはただ触れるだけの軽いキス。でも、それだけじゃ足りなくて、
「ん、ぁ、たい、がぁ、もっと、ん、ぁ、ちゅぅ、して」
自分から男の唇を塞ぐ。


俺、本当に大我とのキスが好きなんだ。キスばっかしたい。勿論、それ以上のことも…。


「ちょ、お前は、もぉ」
俺の行動に驚きながらも、俺のして欲しいことをしてくれるこの男のことが俺は本当に好きだ。大概、俺がこの男のことを考えれば感情が昂るらしい。目の前の男の眉間に皺が寄る。
「クソが、ちょっと待ってろ」
抱き着く俺を強引に引きはがし部屋を出ていった。


わかってる、薬を取りに行ったんだって。だって、俺が原因だもん。俺が突発的な発情を起こしたうえに、大我のことを考えたからフェロモンが強くなってるんだってこと…。暴走するわけじゃないけど、大我のことを好きだって考えれば考えるほど、俺のフェロモンが強くなる。


「っ、クソッ」
部屋に戻ってきた大我が呟いてる。うん、ごめん大我。

「ったく、お前ってやつは」
呆れながらも手に持ってた小瓶を俺の口元に持ってくる。それは俺に飲めということ。大我が俺を守るために呑ませている薬。俺は大我の手を借りながらそれを飲み干す。

「後で、文句言うなよ」
その言葉と共に俺は大我に奪うように唇を塞がれた。



「ん、ぁ、やぁ、ん、ぁ、だめっ、ぁ、ぁ」
大我の熱い手が全身を這いまわり、熱い唇が全身にキスを落とす。その熱に俺は翻弄されている。何処も彼処も性感帯になったかのように、触れられるだけでビクビクと身体が揺れる。


熱い、熱い、熱い、でも、気持ちがいい


「ぁ、ぁ、ん、ぁ、たぃ、がぁ、ん、ぁ、キスぅ、ぁ」
キスがしたい。して欲しい。
「ゆい」
俺を見るその瞳はキレイな碧い色。発情した俺に大我がさかってる証。


もう何度この瞳の大我を見ただろう?


俺にこやって大我が反応を示してくれることが嬉しくて、へにゃって笑えばすっと細められる瞳。その仕草がカッコよくて、あぁ、ヤバいって思う。嬉しくて、もっと見たくて、フェロモンが溢れた。


「お前ってやつは…」
ボソボソと、大我が呆れてる。でも、その眉間にはくっきりと皺が寄ってる。ごめん、でも決して煽ってるわけじゃないんです。
「ん、ぁ、た、がぁ、キスぅ、ぁ」
キスがしたい、して欲しい。だから俺は大我の首に腕を回し、自分からキスを仕掛ける。

「ん、ふぅ、ぁ、ん、ん」
触れるだけのキスを繰り返し、舌を絡めあい、また、触れるだけのキスを繰り返す。キスに気を取られてる間に俺の腰は引き寄せられ中を大我に犯されていく。

「ん、ぁ、ぁぁ、たい、がぁ、ぁぁ、」
ズンッと勢いよく突き上げあれ大我の背に爪を立てた。
「ゆい、     」
名を呼ばれ、音のない言葉を紡がれ嬉しくてへらって笑えば大我の口元に小さな笑みが浮かぶ。

「ぁ、ぁ、ん、ぁぁ、たぃ、がぁ、ぁ、ぁ」
繰り返される律動が俺をドンドンと追い込んでいく。浅くと思えば深く。意地悪く蠢くイヤらしい腰。
「ぁぁ、ぁ、たぃ、がぁ、ん、ぁ、ぁぁ」
大我の背や肩に幾つもの爪痕を残す。熱い手が身体を撫でていく、それが気持ちいい。

大我に抱かれるたびに満たされていく。触れられるたびに満たされていく。ぽっかりと開いてる心の穴が少しずつ少しずつ大我という男の愛情で埋め尽くされていく。

「ぁ、ぁ、ん、ぁ、たい、がぁ、ん、ぁ、もぉ、ぁ、きちゃ、ぁ、ん、ぁ」
大我の愛情に満たされるたびに、身体の奥から大きな波が来る。気持ちよくて、それでいて怖くて、でも、その波ごと大我を感じたい。
「っ、あぁ、わかってる」
俺が近いの気付いてる。だって、さっきから俺、きゅうきゅうと大我のモノを逃さないって締め付けてる。

大我のが欲しくて、中にぶちまけて欲しくて、お腹がキュンキュンしてる。
「ぁ、ぁ、たぃ、ぁ、もぉ、ぁ、中、欲しぃ、ぁ、もぉ、ぁ、いっちゃ、ぁぁ、たぃ、ぁ、ぁぁぁ」
「っ、クソッ」
大我にぎゅうと抱きつき、俺は大我のモノが抜けていかないぐらいキツク締め付けて身体を震わした。どくりと中に吐き出される大我の熱を感じ俺は嬉しくてふにゃって笑ったら
「クソッ、このバカ」
って溜め息交じりに鼻を摘ままれた。

「うぅ、だってぇ」
って、言い訳をしようと思ったけどふと気が付いた。
「着けてたんだ…」
傍にあったゴミに…。

「お前、どんだけ俺を酷い男にしたいんだ。着けるに決まってるだろ。お前の要望ばっかり聞いてないぞ」
溜め息交じりに言われた。うん、ごめん、それは俺が悪いと思う。いくら、薬を飲ませてるといっても万が一ってことがあるのはわかってるんだ。でも、俺は大我のを中に出して欲しいって思う。


まぁ、そのことに関しては散々、大我に怒られて説教されましたが…。それでも、数回に1回は本当に中に出してくれる。やっぱりそういうところは優しんだよな大我って…。


「あのぉ…大我さん…」
きっと、多分、大我のことだから気付いてると思うけど…
「明日は休み決定だな…」
なんて、溜め息交じりに返事が返ってきた。

「はぁ、たい、がぁ、もっと、して?」
だって、俺の発情はまだ終わってないんだもん。だから大我の瞳も碧いまま。俺は大我の首に腕を回しおねだりをしてみた。
「しょうがねぇなぁ」
なんて、小さく笑いながら俺の身体を抱きしめてキスをくれた。


触れた手がいつになく熱く感じた。


ただそれだけだった。


そう、本当にただそれだけだったんだ。


でも、それは時として俺の発情のスイッチを押すことになる。



Fin



☆☆おまけ☆☆


「あのなぁ、お前は本当に、何度、言ったらわかるんだ唯斗」

現在進行形で俺は大我に怒られております。

「ごめんって、本当に反省してます」

あまりにも怖くて半泣き状態な俺。だって悪いのは俺だもん。

「お前の発情にさかる俺も強いことは言えないけど、少しは学習しろ!」

呆れながらも怒られた。はい、すみません。


結局、あの後で暴走した俺は大我にダメだと言われたけど、着けずにしてくれと懇願したんだ。しかも何度も…。

うん、ごめん、反省してます。大我が俺のことを想ってちゃんと避妊してくれてるってわかってるんだ。

でも、己の欲望には勝てません。俺、やっぱり大我との子が欲しいと思うもん。

「しばらく絶対に着けてやるからな!」

こうして俺は大我にまた怒られるのであった。


End


~~~言い訳~~~

本編でこの2人の絡みがないのとエロ養分が欲しくてこんな話を書いてしまいました。てへv

唯斗に甘い大我だけど叱るときはちゃんと叱るのであった。

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