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反則だ、と思う
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俺はまじまじと本を読んでいる大我の横顔を眺めていた。
目が疲れるからという理由でメガネをつけて読んでる大我。
初めてその姿を見たときは驚いた。
似合いすぎなんだよ!!!
随分とその姿に慣れてきたとは思うけど、いまだにその姿を真っ正面から見ることができない。
クソォ!似合いすぎでカッコいいんだよ!
「何人の顔を見て百面相してるんだ?」
不意にそんな言葉と共に大我がこっちを見て、バッチリ目があった。
「ギャァァ!!心臓が痛くなるからやめてぇ」
俺はそう叫びながら手に持っていったクションに顔を隠した。
そう、真っ正面からメガネ姿の大我が見れないのはイケメン過ぎて心臓がドキドキして痛くなるから。
「ブハッ、なんだよそれ。キス魔の唯斗くんは発情中にメッチャドアップを拝んでるはずですけど?」
なんて笑われる。
確かにそうなんだけど、
「メガネかけてる時は発情してないもん俺」
これも事実。メガネかけてるときの大我の前では俺は1度も発情をしたことがない。
だからこそ、余計に免疫がないのだ。
「なら、今から慣れる練習するか?」
なんて、いつの間に移動してきたのか抱えていたクッションを取り上げられ俺は大我の膝の上。
「やぁ、ムリムリ。それ、慣れない」
大我の上から逃げようとジタバタするけど
「唯斗、ちゃんと俺を見て」
なんていいながら頬を撫でられ逃げれるわけがない。
「うーっ」
唸りながら僅かな抵抗とばかりに上目遣いで見れば
「唸るなよ。可愛い顔がだいなしだぞ」
なんていいながら頬にキスをされる。
「可愛くないからいい」
俺が可愛いなんてどうかしてる。可愛いのは大我の方だ!
イヤ、可愛かったのは大我の方だ。中学の時はまだ俺と変わらないぐらいの細さで、身長もあまり変わらなかったんだ。まだ幼さが残っててあの頃は可愛かった。
なのに、なのにだ!
高校に入ってからこの男はイケメンに変身して、身長も俺よりも10cmは高くなり、程よく筋肉もつきカッコいい男になったのだ。乙女だったら絶対にコロリと一瞬で堕ちる。そんな男に成長したんだこの男は!!!
「反則だ!昔は可愛かったのに!こんなイケメンになりやがって!!だから俺が直視できないんだ!」
理不尽な怒りだって自覚してる。でもそう思わずにいられない。
「まぁ、それなりにカッコよくなるための努力はしたからな」
「うそぉ!」
大我のその言葉に驚いて声を上げれば
「半分はウソだな。だけど、ゆいのために努力はした。好きなヤツ守りたいだろ?」
なんて言いながらまた頬にキスをくれる。
「なんで頬ばっかり?」
それがちょっと不満で聞いてみたら
「ん?ゆいがこの姿の俺を直視できるように練習中だから」
なんて笑われた。
「うーっ、キスしたい!だから唇にして!」
直視できないけどキスはしたい。わがままな俺。
「そう唸るな」
なんて言葉と共にちゅって小さな音を立ててキスをしてくれる。
「うー、足りないんですが?」
やっぱり不満で声を上げればニヤッて笑って今度は奪うように唇が重なった。
「んっ、ぁ、ふぅ」
そのまま舌が忍び込み絡めていく。何度も繰り返される口づけ。
唇が離れる頃には俺は大我の下に組敷かれていた。
「ゆいはどっちの俺が好き?」
なんて言いながらメガネをつけたりはずしたり。
そんなの…
「いつもの大我」
俺の返事を聞き嬉しそうに笑いながら大我はその辺にメガネを捨ててキスをしてきた。
俺はそんな大我のキスを受け止めながら首に腕を回した。
クソぉ、カッコいいなんて反則だ。
だから俺が直視できないんだからな!
心臓がドキドキしすぎて痛い。
絶対いつか俺、大我の前で死ぬ。
これだけは断言できる。
そんだけあの男はカッコよすぎるんだ!!
でも惚れたのは俺。
Fin
目が疲れるからという理由でメガネをつけて読んでる大我。
初めてその姿を見たときは驚いた。
似合いすぎなんだよ!!!
随分とその姿に慣れてきたとは思うけど、いまだにその姿を真っ正面から見ることができない。
クソォ!似合いすぎでカッコいいんだよ!
「何人の顔を見て百面相してるんだ?」
不意にそんな言葉と共に大我がこっちを見て、バッチリ目があった。
「ギャァァ!!心臓が痛くなるからやめてぇ」
俺はそう叫びながら手に持っていったクションに顔を隠した。
そう、真っ正面からメガネ姿の大我が見れないのはイケメン過ぎて心臓がドキドキして痛くなるから。
「ブハッ、なんだよそれ。キス魔の唯斗くんは発情中にメッチャドアップを拝んでるはずですけど?」
なんて笑われる。
確かにそうなんだけど、
「メガネかけてる時は発情してないもん俺」
これも事実。メガネかけてるときの大我の前では俺は1度も発情をしたことがない。
だからこそ、余計に免疫がないのだ。
「なら、今から慣れる練習するか?」
なんて、いつの間に移動してきたのか抱えていたクッションを取り上げられ俺は大我の膝の上。
「やぁ、ムリムリ。それ、慣れない」
大我の上から逃げようとジタバタするけど
「唯斗、ちゃんと俺を見て」
なんていいながら頬を撫でられ逃げれるわけがない。
「うーっ」
唸りながら僅かな抵抗とばかりに上目遣いで見れば
「唸るなよ。可愛い顔がだいなしだぞ」
なんていいながら頬にキスをされる。
「可愛くないからいい」
俺が可愛いなんてどうかしてる。可愛いのは大我の方だ!
イヤ、可愛かったのは大我の方だ。中学の時はまだ俺と変わらないぐらいの細さで、身長もあまり変わらなかったんだ。まだ幼さが残っててあの頃は可愛かった。
なのに、なのにだ!
高校に入ってからこの男はイケメンに変身して、身長も俺よりも10cmは高くなり、程よく筋肉もつきカッコいい男になったのだ。乙女だったら絶対にコロリと一瞬で堕ちる。そんな男に成長したんだこの男は!!!
「反則だ!昔は可愛かったのに!こんなイケメンになりやがって!!だから俺が直視できないんだ!」
理不尽な怒りだって自覚してる。でもそう思わずにいられない。
「まぁ、それなりにカッコよくなるための努力はしたからな」
「うそぉ!」
大我のその言葉に驚いて声を上げれば
「半分はウソだな。だけど、ゆいのために努力はした。好きなヤツ守りたいだろ?」
なんて言いながらまた頬にキスをくれる。
「なんで頬ばっかり?」
それがちょっと不満で聞いてみたら
「ん?ゆいがこの姿の俺を直視できるように練習中だから」
なんて笑われた。
「うーっ、キスしたい!だから唇にして!」
直視できないけどキスはしたい。わがままな俺。
「そう唸るな」
なんて言葉と共にちゅって小さな音を立ててキスをしてくれる。
「うー、足りないんですが?」
やっぱり不満で声を上げればニヤッて笑って今度は奪うように唇が重なった。
「んっ、ぁ、ふぅ」
そのまま舌が忍び込み絡めていく。何度も繰り返される口づけ。
唇が離れる頃には俺は大我の下に組敷かれていた。
「ゆいはどっちの俺が好き?」
なんて言いながらメガネをつけたりはずしたり。
そんなの…
「いつもの大我」
俺の返事を聞き嬉しそうに笑いながら大我はその辺にメガネを捨ててキスをしてきた。
俺はそんな大我のキスを受け止めながら首に腕を回した。
クソぉ、カッコいいなんて反則だ。
だから俺が直視できないんだからな!
心臓がドキドキしすぎて痛い。
絶対いつか俺、大我の前で死ぬ。
これだけは断言できる。
そんだけあの男はカッコよすぎるんだ!!
でも惚れたのは俺。
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