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少し、だけ、
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少しだけ、
少しだけ、
少しだけ、
ただ、それだけでいいから、傍にいて欲しい、
ただ、それだけ、でいい
発情して第2の性に覚醒して、自分がオメガだと知って、俺は自棄になった。
なんでオメガなんだよ、
とか、
冗談じゃないとか、
自分の中でいろんな感情が入り交じって自棄になった。
発情中のオメガがフラフラするのはマズイって言うのを何度も言われて、説得をされたが、俺はそれを全部無視した。
本当に自棄になってたんだ。
発情中のオメガがフラフラ出歩けばアルファがさかって、暴行行為を働くっていうのはわかってはいたけど、どうでもよかった。
自分が暴行されようが誰にも心配されないのだから…。
誰にも必要とされていない。
実の親にだって捨てられたのだから…。
俺が発情した状態でフラフラと出歩けば必ず現れる男がいた。
その男の名は
『神尾大我』
どうやって嗅ぎ付けてくるのか、俺がフラッと行ったその場所に必ず現れるのだ。
そして俺を連れていく。
そうやって連れ戻して俺を甘やかすから変な感情が生まれた。
今度はどこへ行こう
とか、
ここは見つけられるかな?
とか、
あの男に見つけてもらうのが楽しみなっていた。
だけど、あの男は発情している俺には一度も反応をしたことがない。
まだ覚醒前なのか?
もしかして同じオメガなのか?
って考えたが結局答えがないままだった。本人に聞けなかったんだ。
お互いにまだ中学生で、性的行為に興味がそれほど無いから何も起こらないだけかもしれないとも思った。
が、あの男は本当に俺の前では無反応なんだ。いや、他のヤツにも反応したのを見たことはない。
一人で物思いに耽りながら発情した状態でボーッと座って空を見上げていたら
「こら、フラフラ出歩くなって言っただろう」
そんな言葉と共にコツリと軽く頭を叩かれ驚いて顔を上げれば少しだけ困った顔をした大我がいた。
「別にいいだろ」
そんな顔が見れずに俯けば
「よくないからいってんだよ。行くぞ」
その言葉と共に俺は立ち上がらされ手を繋がれいつも発情のときに使ってる部屋へと連行される。
連行される形で連れ込まれた部屋で俺はこの男に散々甘やかされるのだ。
発情したときにだけ俺が素直になるから。
してほしいこと、したいこと、それを素直に口にするから…。
だけど、そういう風にさせたのは間違いなくこの男だ。
親からの愛情もよくわからない俺に、この男は無償の愛情を注ぎ込んでくれる。
それがどういう意味で行われているのか俺にはわからない。
だけど、そんな愛情を注ぎ込まれた俺の心はどんどん欲張りになっていく。
もっと、もっと、かまって欲しいと、
もっと、もっと、相手をして欲しいと、
でも、それを口にできるような関係じゃない。
だから、少しだけ、
もう少しだけ、
俺を甘やかして欲しい
傍にいて欲しい、
今は、それだけでいいんだ。
後に俺たちの関係が変わるなんてこの時の俺は本当に夢にも思ってもいなかったんだ。
他人に興味を持たない俺が神尾大我のことを知りたいと思うようになるなんて思ってもみなかったんだ。
Fin
少しだけ、
少しだけ、
ただ、それだけでいいから、傍にいて欲しい、
ただ、それだけ、でいい
発情して第2の性に覚醒して、自分がオメガだと知って、俺は自棄になった。
なんでオメガなんだよ、
とか、
冗談じゃないとか、
自分の中でいろんな感情が入り交じって自棄になった。
発情中のオメガがフラフラするのはマズイって言うのを何度も言われて、説得をされたが、俺はそれを全部無視した。
本当に自棄になってたんだ。
発情中のオメガがフラフラ出歩けばアルファがさかって、暴行行為を働くっていうのはわかってはいたけど、どうでもよかった。
自分が暴行されようが誰にも心配されないのだから…。
誰にも必要とされていない。
実の親にだって捨てられたのだから…。
俺が発情した状態でフラフラと出歩けば必ず現れる男がいた。
その男の名は
『神尾大我』
どうやって嗅ぎ付けてくるのか、俺がフラッと行ったその場所に必ず現れるのだ。
そして俺を連れていく。
そうやって連れ戻して俺を甘やかすから変な感情が生まれた。
今度はどこへ行こう
とか、
ここは見つけられるかな?
とか、
あの男に見つけてもらうのが楽しみなっていた。
だけど、あの男は発情している俺には一度も反応をしたことがない。
まだ覚醒前なのか?
もしかして同じオメガなのか?
って考えたが結局答えがないままだった。本人に聞けなかったんだ。
お互いにまだ中学生で、性的行為に興味がそれほど無いから何も起こらないだけかもしれないとも思った。
が、あの男は本当に俺の前では無反応なんだ。いや、他のヤツにも反応したのを見たことはない。
一人で物思いに耽りながら発情した状態でボーッと座って空を見上げていたら
「こら、フラフラ出歩くなって言っただろう」
そんな言葉と共にコツリと軽く頭を叩かれ驚いて顔を上げれば少しだけ困った顔をした大我がいた。
「別にいいだろ」
そんな顔が見れずに俯けば
「よくないからいってんだよ。行くぞ」
その言葉と共に俺は立ち上がらされ手を繋がれいつも発情のときに使ってる部屋へと連行される。
連行される形で連れ込まれた部屋で俺はこの男に散々甘やかされるのだ。
発情したときにだけ俺が素直になるから。
してほしいこと、したいこと、それを素直に口にするから…。
だけど、そういう風にさせたのは間違いなくこの男だ。
親からの愛情もよくわからない俺に、この男は無償の愛情を注ぎ込んでくれる。
それがどういう意味で行われているのか俺にはわからない。
だけど、そんな愛情を注ぎ込まれた俺の心はどんどん欲張りになっていく。
もっと、もっと、かまって欲しいと、
もっと、もっと、相手をして欲しいと、
でも、それを口にできるような関係じゃない。
だから、少しだけ、
もう少しだけ、
俺を甘やかして欲しい
傍にいて欲しい、
今は、それだけでいいんだ。
後に俺たちの関係が変わるなんてこの時の俺は本当に夢にも思ってもいなかったんだ。
他人に興味を持たない俺が神尾大我のことを知りたいと思うようになるなんて思ってもみなかったんだ。
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