会長様はいちゃつきたい!

槇瀬光琉

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甘えてもいいですか?

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う~ん。と一人で腕を組みながら頭を悩ませていた。

「そんなに難しい書類ですか?」
急に声をかけられ顔を上げれば困った顔をしながら永尾が休憩用に淹れてくれたコーヒーの入ったカップを机の邪魔にならない所に置いてくれた。
「えっ、あっ、違う違う。書類とは全然関係ないこと考えてた」
俺は慌てて両手を振り答える。


そう、今俺が考えていたのは本当に全く違うこと。


発情じゃないんだけどなんだか今日は甘えたいなと思う自分がいた。


「書類を前に悩んでるのでそんなに難しいのかと思いましたよ」
永尾が小さく笑いながら言ってくる。周りを見渡せば他の役員たちもウンウンと頷いていた。

「すまない、そうじゃないんだ。ただ自分の感情が気になって考え込んでただけなんだ」
俺は改めて弁解をした。
「そんなのあなたの場合は委員長に言えば一発で解決でしょう」
なんてあっさり言われてしまう。


イヤ、多分それは当たってる。


ただ今回は本当にそれでいいのかと思う部分もあるので悩んでしまったんだ。


「ここでグダグダ悩んでないで帰ったら彼に相談すればいいことですよ。彼はあなたよりあなたのことわかってますからね」
なんて、またしても永尾にあっさりと言われてしまった。

「わかった。そうする」
考えてても埒があかないので永尾のいうとおり大我に相談することに決めた。



恋人になったからといっても、そう頻繁には大我の部屋には行ってない。
恋人だからといってずっと一緒にいるわけでもないし、お互いのプライベートも大事にしてる。


だけど、今日は大我の部屋に行くって自分で決めたから帰ってから自分のやりたいことだけやってから大我の部屋の扉をノックした。


「どうした?何かあったのか?」
すんなりと扉が開かれ顔を出した大我に俺は一気に感情の渦が溢れ出した。
「あっあれ?」

発情ではないが、自分のフェロモンが強くなったんだと思う。
一瞬の大我の変化。一瞬だけ左目がシルバーに変わった。


「お前…入れよ」
大我は何か言いたげだったが中には入るようにいうので
「お邪魔します」
一言だけ言って中に入った。


「で?説明してもらおうか?」
呆れながら大我が言ってくる。
「えっと…甘えたいなって思ってずっと考えてて、でも発情じゃないんだ。それなのに発情の時ぐらいに甘えたいって感情が強くて…大我の顔見たらダメだった…」
シュンとしながら言えば

「発情じゃねぇのに発情ん時みたいなフェロモン出すなよ。ビックリしたわ」
大我が呆れながらいうけどその手は優しく俺の頭を撫でていく。


不思議なものでそれだけで甘えたいっていう思いが少しずつ満たされていく。


「大我ぁ…甘えても…いいですかね?」
大我の服を掴みながら聞けば
「どうぞ。好きなだけ甘えろ」
なんて言ってくれるから俺は自分から大我にキスをした。



この後、暴走した俺が大我にキスばっかりせがんで大我にぱっくりと美味しく頂かれました。


でもそれいいんだ。


俺の甘えたいという欲求を大我がちゃんと叶えてくれたから。


ありがとな大我。



Fin



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