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39話
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「…ごめん大我…」
大我に抱きしめられて、ひとしきり泣いて落ち着いたころに俺は素直に大我に謝った。
「イヤ、大丈夫だ。唯斗に怒られるのは覚悟してたしな。少し冷めちゃったけど飯食べよう」
俺の頭を撫でながら言われる言葉に苦笑しか浮かばない。
で、2人で大我の作ったご飯を食べた。でも片付けは俺がやったんだ。だって大我を休ませるのが目的なんだからな。
「あー、もう。大我は早くベッドへ行って横になれよ」
まだなんかやりそうな大我を俺は強引に寝室に押し込みベッドへ押し倒した。
「イヤ、だから眠くないんだって」
なんて文句を言うけど、
「ダーメ。眠くなくても横になる!本当にさぁ、無茶したってわかってんだったら、ちゃんと休めよ!」
こればっかりは俺も譲れない。1週間、休みをもらってるって言っても本人がちゃんと休まなかったら意味がないじゃん。
「じゃぁ、ゆいも一緒にな?」
なんて、隣に来いと言わんばかりに空いてるスペースをポンポンと叩く。
「うっ」
なんて甘い誘惑なんだ。
「ゆーと、なっ?隣になっ?」
なにこれ、ナニこれぇぇ!!!!
えぇぇ!!!大我がメッチャ甘えてます!!!
こんなの初めてだよ!レアだよレア!!!
でも、その気持ちはわからなくもないんだ。だって俺も傍にいたいもん。でも…危険分子はあるんだ。
そう、俺自身が危険分子なんだ!!!
頼むから今は発情しないで欲しいと願う。
「しょうがないなぁ。隣に横になるだけだからな」
本当は嬉しいけど、わざと素っ気ないふりで大我の叩いた場所に横になる。
「んっ、ゆいが隣にいるならそれでいい」
大我は小さく頷いて、俺を抱き枕にした。
「大我は本当にこれでいいのか?」
俺を抱き枕にしている大我に聞いてみた。
「ん?あぁ、これでいい。ゆいにちゃんと休めって言われてるからな。このまま寝てしまうかもしれないけどさ」
俺に返事をしながらすでにウトウトとし始めていた。
「もぉ、疲れてるんだからちゃんと、休めよ」
俺はウトウトし始めてる大我の頭を抱きしめて、そっとそっと撫でていれば、大我の身体から力が抜けて完全に眠っていた。
「もう、こんなになるまで頑張りすぎだよ。無茶しすぎなんだからな」
俺は大我の額に小さなキスを落とし、そっと、そっと頭を撫でながら抱きしめた。
「んっ」
ふわふわと意識が戻って来て、俺も大我と一緒に寝ちゃってたらしい。まだ、ハッキリしない頭で大我の様子を見ようと思って目を開けたら、じっと俺を見てる大我と目が合った。
「なっ、なんで起きてんだよぉ!」
ホントなんで俺よりも早く起きてんだよ。
「んー、疲れは残ってるんだけど、眠気がさ、本当にそんなになくて少し寝たらすぐ起きちゃうんだよ。多分、最初にここへ来たとき爆睡してたからだとは思うんだ。だからウトウトってして寝るけど、起きちゃうんだよ」
苦笑してその理由を教えてくれる。教えてくれるけど、
「でも可笑しいから!!!ぶっ倒れた人間がたった1日、2日でそこまで回復してるの変だから!!!だから化け物って言われるんだよ大我は!!!」
そう、寝不足だって言ってたんだよコウちゃんもヒロさんも。それなのにたった数日、それも、俺がここへ来て1日しか経ってないし、前日にここへ来たとしても2日しか寝てないことになる。それなのに、それなのに、この男は少しだけ寝てすぐ起きるという。絶対に変だ!!!
「イヤ、今度は寝すぎて、寝れなくなりそうで怖いんだが」
なんて言われて、あっ、そうか。なんて納得しちゃったよ。
「ゆい、無理はしないから、話をしないか?」
「ん、俺も話がしたい。でも、このままでしよう」
大我の提案に俺は素直に返事をした。
だって、大我を休ませるのも目的だけど、コウちゃんやヒロさんにも言われたんだ、ちゃんと2人で話し合えって…。俺もそれは必要だって思う。大我は何も話してくれないし、俺も大我にちゃんと聞かないから、俺が一人で誤解してくんだって、今回のことで気が付いた。
本当はもっと一杯ちゃんと話し合わなきゃいけなかったんだろうなって…。
俺はちゃんと大我の考えてることも、気持ちも知りたい。
そして、ちゃんと俺の気持ちもちゃんと伝えたいんだ。
だて、俺はこれからも大我と一緒にいたいから…
大我に抱きしめられて、ひとしきり泣いて落ち着いたころに俺は素直に大我に謝った。
「イヤ、大丈夫だ。唯斗に怒られるのは覚悟してたしな。少し冷めちゃったけど飯食べよう」
俺の頭を撫でながら言われる言葉に苦笑しか浮かばない。
で、2人で大我の作ったご飯を食べた。でも片付けは俺がやったんだ。だって大我を休ませるのが目的なんだからな。
「あー、もう。大我は早くベッドへ行って横になれよ」
まだなんかやりそうな大我を俺は強引に寝室に押し込みベッドへ押し倒した。
「イヤ、だから眠くないんだって」
なんて文句を言うけど、
「ダーメ。眠くなくても横になる!本当にさぁ、無茶したってわかってんだったら、ちゃんと休めよ!」
こればっかりは俺も譲れない。1週間、休みをもらってるって言っても本人がちゃんと休まなかったら意味がないじゃん。
「じゃぁ、ゆいも一緒にな?」
なんて、隣に来いと言わんばかりに空いてるスペースをポンポンと叩く。
「うっ」
なんて甘い誘惑なんだ。
「ゆーと、なっ?隣になっ?」
なにこれ、ナニこれぇぇ!!!!
えぇぇ!!!大我がメッチャ甘えてます!!!
こんなの初めてだよ!レアだよレア!!!
でも、その気持ちはわからなくもないんだ。だって俺も傍にいたいもん。でも…危険分子はあるんだ。
そう、俺自身が危険分子なんだ!!!
頼むから今は発情しないで欲しいと願う。
「しょうがないなぁ。隣に横になるだけだからな」
本当は嬉しいけど、わざと素っ気ないふりで大我の叩いた場所に横になる。
「んっ、ゆいが隣にいるならそれでいい」
大我は小さく頷いて、俺を抱き枕にした。
「大我は本当にこれでいいのか?」
俺を抱き枕にしている大我に聞いてみた。
「ん?あぁ、これでいい。ゆいにちゃんと休めって言われてるからな。このまま寝てしまうかもしれないけどさ」
俺に返事をしながらすでにウトウトとし始めていた。
「もぉ、疲れてるんだからちゃんと、休めよ」
俺はウトウトし始めてる大我の頭を抱きしめて、そっとそっと撫でていれば、大我の身体から力が抜けて完全に眠っていた。
「もう、こんなになるまで頑張りすぎだよ。無茶しすぎなんだからな」
俺は大我の額に小さなキスを落とし、そっと、そっと頭を撫でながら抱きしめた。
「んっ」
ふわふわと意識が戻って来て、俺も大我と一緒に寝ちゃってたらしい。まだ、ハッキリしない頭で大我の様子を見ようと思って目を開けたら、じっと俺を見てる大我と目が合った。
「なっ、なんで起きてんだよぉ!」
ホントなんで俺よりも早く起きてんだよ。
「んー、疲れは残ってるんだけど、眠気がさ、本当にそんなになくて少し寝たらすぐ起きちゃうんだよ。多分、最初にここへ来たとき爆睡してたからだとは思うんだ。だからウトウトってして寝るけど、起きちゃうんだよ」
苦笑してその理由を教えてくれる。教えてくれるけど、
「でも可笑しいから!!!ぶっ倒れた人間がたった1日、2日でそこまで回復してるの変だから!!!だから化け物って言われるんだよ大我は!!!」
そう、寝不足だって言ってたんだよコウちゃんもヒロさんも。それなのにたった数日、それも、俺がここへ来て1日しか経ってないし、前日にここへ来たとしても2日しか寝てないことになる。それなのに、それなのに、この男は少しだけ寝てすぐ起きるという。絶対に変だ!!!
「イヤ、今度は寝すぎて、寝れなくなりそうで怖いんだが」
なんて言われて、あっ、そうか。なんて納得しちゃったよ。
「ゆい、無理はしないから、話をしないか?」
「ん、俺も話がしたい。でも、このままでしよう」
大我の提案に俺は素直に返事をした。
だって、大我を休ませるのも目的だけど、コウちゃんやヒロさんにも言われたんだ、ちゃんと2人で話し合えって…。俺もそれは必要だって思う。大我は何も話してくれないし、俺も大我にちゃんと聞かないから、俺が一人で誤解してくんだって、今回のことで気が付いた。
本当はもっと一杯ちゃんと話し合わなきゃいけなかったんだろうなって…。
俺はちゃんと大我の考えてることも、気持ちも知りたい。
そして、ちゃんと俺の気持ちもちゃんと伝えたいんだ。
だて、俺はこれからも大我と一緒にいたいから…
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