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6話
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side 唯斗
ヒロさんが連れてきたのはコウちゃんが神谷といる部屋だった。
「ゆいちゃんは大丈夫?」
俺を見るなりコウちゃんに聞かれて
「えっ?」
意味がわからなかった。
「うん、今回のこと。ゆいちゃん自身は大丈夫?」
コウちゃんにもう一度聞かれた。
「俺は…俺が、永尾と神谷の問題に口出しするのは違うと思う。だから俺は見守るしかできないんだけど、神谷には後悔しない方法を選んで欲しいと思う。だって、神谷が好きになった相手なんだし…」
俺が口出しできるような問題じゃないのは最初に話を聞いた時から思ってた。それに2人の問題を外野の俺たちがどうこう言うのは間違ってる。
だからこそ、大我も2人の問題には口を出さずに、2人にそれぞれ考える時間を与えたわけであって…。
だけど、さっきからずっと気になっているのは第2の性に関することだったりする。
「えっと…さっきからずっと気になってるんだけど聞いてもいいかな?」
ここにいる人たちなら答えてくれると思ったんだ。
「うん、なに?」
やっぱりコウちゃんが返事をしてくれた。
「えっと、俺が第2の性に関しての知識が全くないからわかんないんだけど、風紀委員長の権限て何?いや、風紀がなんで第2の性に関して仕切ってるのかよくわかってなくて…」
そう実はいつから風紀が第2の性に対して強い権限を持ってるのかがわからないんだ。
自分が周りのことに興味なさすぎなのが原因なのかもしれないけれど…。
「えっと、会長は風紀の内部崩壊をご存じですか?」
俺の言葉に神谷が聞いてくるが、
「えっ?なにそれ?そんなの何時あった?」
全くもって知らない。俺の返事にその場にいた3人が思いっきり苦笑した。
「本当に興味ないことは気にしないなお前」
ヒロさんの言葉に
「だって、中学から高校1年までの間は本当に他人には興味なかったし、覚醒して自棄になってたし…」
自分でも弁解の余地がない。あの頃は本当に他人にもだし、周りの事にも興味がなかった時期だったんだ。
「内部崩壊があったのは1年の時の夏です。あの頃の風紀は酷いものでした」
苦笑したままで神谷が教えてくれるが、
「全然、覚えてない。そんなのあったんだ」
本当に記憶が無い。自分でも驚くほどの記憶のなさだった。
「あの頃の風紀委員長は名前だけの方でした。実質的に全権限を持っていたのは一番強いアルファの委員だったんです。彼はオメガやベータの人たちを奴隷のようなというか、召使のようにしか思っていなかった」
神谷の言葉に驚いた。あの頃の風紀委員がそんなに酷いものだったなんて。
「当時、僕も風紀委員としてあの場所にいました。立場の弱い1年で、しかもオメガだった僕は格好の餌食だったんです。パシリに雑用、酷い時は性的行為にまで発展しそうになったことがあったんです。それを全部止めていてくれたのが、神尾委員長だったんですよ」
そこで、あれ?って思った。
「あれ?大我って1年の時から風紀にいたんだっけ?」
冗談抜きに記憶が無い俺って何だろうか?
「いましたよ。それに、内部崩壊を起こした張本人です」
神谷の言葉を聞き
「えぇぇぇ!!」
俺はマジで驚いた。
大我さん、あんた一体何やっちゃってんですかね?
自分の記憶のない所で大我がそんなことをしていたことに驚きが隠せなかった。それに、風紀の内部がそんなにも酷い状態だったなんて、今の風紀では到底、想像もできないことだった。
というか…大我って一体何者なんだろうか?
俺は真剣にそれを考えてしまったのだった。
ヒロさんが連れてきたのはコウちゃんが神谷といる部屋だった。
「ゆいちゃんは大丈夫?」
俺を見るなりコウちゃんに聞かれて
「えっ?」
意味がわからなかった。
「うん、今回のこと。ゆいちゃん自身は大丈夫?」
コウちゃんにもう一度聞かれた。
「俺は…俺が、永尾と神谷の問題に口出しするのは違うと思う。だから俺は見守るしかできないんだけど、神谷には後悔しない方法を選んで欲しいと思う。だって、神谷が好きになった相手なんだし…」
俺が口出しできるような問題じゃないのは最初に話を聞いた時から思ってた。それに2人の問題を外野の俺たちがどうこう言うのは間違ってる。
だからこそ、大我も2人の問題には口を出さずに、2人にそれぞれ考える時間を与えたわけであって…。
だけど、さっきからずっと気になっているのは第2の性に関することだったりする。
「えっと…さっきからずっと気になってるんだけど聞いてもいいかな?」
ここにいる人たちなら答えてくれると思ったんだ。
「うん、なに?」
やっぱりコウちゃんが返事をしてくれた。
「えっと、俺が第2の性に関しての知識が全くないからわかんないんだけど、風紀委員長の権限て何?いや、風紀がなんで第2の性に関して仕切ってるのかよくわかってなくて…」
そう実はいつから風紀が第2の性に対して強い権限を持ってるのかがわからないんだ。
自分が周りのことに興味なさすぎなのが原因なのかもしれないけれど…。
「えっと、会長は風紀の内部崩壊をご存じですか?」
俺の言葉に神谷が聞いてくるが、
「えっ?なにそれ?そんなの何時あった?」
全くもって知らない。俺の返事にその場にいた3人が思いっきり苦笑した。
「本当に興味ないことは気にしないなお前」
ヒロさんの言葉に
「だって、中学から高校1年までの間は本当に他人には興味なかったし、覚醒して自棄になってたし…」
自分でも弁解の余地がない。あの頃は本当に他人にもだし、周りの事にも興味がなかった時期だったんだ。
「内部崩壊があったのは1年の時の夏です。あの頃の風紀は酷いものでした」
苦笑したままで神谷が教えてくれるが、
「全然、覚えてない。そんなのあったんだ」
本当に記憶が無い。自分でも驚くほどの記憶のなさだった。
「あの頃の風紀委員長は名前だけの方でした。実質的に全権限を持っていたのは一番強いアルファの委員だったんです。彼はオメガやベータの人たちを奴隷のようなというか、召使のようにしか思っていなかった」
神谷の言葉に驚いた。あの頃の風紀委員がそんなに酷いものだったなんて。
「当時、僕も風紀委員としてあの場所にいました。立場の弱い1年で、しかもオメガだった僕は格好の餌食だったんです。パシリに雑用、酷い時は性的行為にまで発展しそうになったことがあったんです。それを全部止めていてくれたのが、神尾委員長だったんですよ」
そこで、あれ?って思った。
「あれ?大我って1年の時から風紀にいたんだっけ?」
冗談抜きに記憶が無い俺って何だろうか?
「いましたよ。それに、内部崩壊を起こした張本人です」
神谷の言葉を聞き
「えぇぇぇ!!」
俺はマジで驚いた。
大我さん、あんた一体何やっちゃってんですかね?
自分の記憶のない所で大我がそんなことをしていたことに驚きが隠せなかった。それに、風紀の内部がそんなにも酷い状態だったなんて、今の風紀では到底、想像もできないことだった。
というか…大我って一体何者なんだろうか?
俺は真剣にそれを考えてしまったのだった。
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