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気が付いたら
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気が付いたら君を目で追っていた。
気が付いたら君を探していた。
気が付いたら君に恋をしていた。
気が付いたら君を好きになっていた。
朝練を終え俺が教室に着たらえろう騒がしかった。
「なんや?今日はめっちゃ騒がしいな?」
俺は不思議に思いながらも自分の席に行きカバンを置く。
「雄介おはよう。今日な転校生が来るんやて」
俺を見つけて幼馴染の遠野真奈美が声を掛けてくる。
「はようさん。転校生やて?何で今時分?」
俺は席に座り聞き返す。季節的に受験のシーズンや。何で今更転校なんざするんや?
「ん~何でもお父さんの仕事の関係やて言うとったで?」
真奈美はそういう。
「ちゅうかお前どっからそんな情報持ってくるんや?」
そっちのが不思議や。
「へ?あぁ。うちなさっき職員室に用事があったから入ってきたねん」
あっそ・・・。
「なるほど。この情報はお前が出ろころやちゅうわけやな」
お前やったら納得やわ。このお喋り。
「ええやん。どうせうちのクラスに来るんやで?」
あ~そ。
「はいはい」
もうええわ。誰が来ようと関係ないわ。
「ほら。席つけやぁ~。転校生紹介するでぇ」
そんな声と共に先公が教室に入ってくる。いっそう騒がしくなる教室。
「仲本楓さんや。お父さんの仕事の関係で引っ越してきたそうや。仲ようしたってや」
そう言って紹介される少女に俺の目は釘付けやった。何がといわれればわかれへんけど、でも彼女から目が離せへんかったんや。
これが恋だと気が付くのにそう時間はかからへんかった。
仲本は気さくで仲間受けもよくて直に他の生徒と仲ようなっとった。とかく俺も結構彼女とは話してはいた。がごく普通の会話だけど。
「なぁ。雄介。今日の帰りいつもの場所よろや」
真奈美が突然言ってくる。
「アホぬかせ。お前といったら破産するわ。」
俺はそう答える。こいつと行ったらたかられて金がなくなるわ。
「ええやん。かえでも一緒に行きたいいうとるんやで?」
何でそこに中本が出てくるんや。
「はぁ?何でそんなこと俺に言うねん」
俺は意味わからず聞き返す。
「あんた私が気づいとらへんとでも思うとるん???」
いや笑みを浮かべ真奈美が言う。こんのあま~!!!!
「行けばええんやろ行けば!!!!」
くそ。真奈美ノアホンダラ!!!!結局、俺らは学校帰りに行きつけの雑貨屋へと行くことになった。
「ほらほら楓こっち着てみぃ」
真奈美が仲本を呼んでアクセサリーを見てる。俺はちゅうとただ店ん中をブラブラしとっただけや。別にほしいもんあらへんし・・・・。
「楓。こっちのがわかええで?」
真奈美がなんか薦めとる見たいやし。俺はそんな二人を見ていた。黙っとったら真奈美もええ線いっとるんやけどなぁ~。あの喧しさがあかん。それに比べたら仲本は大人しゅうてええ感じやなぁ~・・・・。はっ!!!俺は何を考えとるねん!!!
「雄介。こっちとこっちどっちが似合うと思う?」
突然真奈美がそう呼ぶ。
「お前にはどっちも似合わんわ」
俺はそういう。
「阿呆。楓にやわ」
そう反論される。
「は?仲本に?」
俺はう~んと悩んでしもた。
「雄介まだ~?」
真奈美がそう急かす。俺は
「右。右のがええんちゃう?」
そう答える。どっちも捨てがたいんやけど右のが似合うと思う。
「だって楓。やっぱこっちの似合っとるよ」
真奈美はそういって俺が言ったほうを仲本に渡す。
「本当に似合うかな?」
仲本は不安げに聞いてくる。
「大丈夫やて。どっかの阿呆より似合っとるで」
俺はそう告げる。
「どうせ私はこういうの似合わへんわ」
真奈美がべーっと舌を出す。ほんま憎たらしい。可愛げのないやっちゃ。
「相変わらず仲がいいね」
仲本が笑い出す。俺らは
「「そんなことあらへん!!!」」
声を揃えていっていた。仲本はクスクス笑っていた。その顔が可愛いと思う。
あぁ。俺はやっぱり仲本に恋をしてるんや。
「これ。雄介のおごりな」
真奈美はそういって俺に差し出す。あぁ。やっぱりか。
「え?でも・・・」
仲本が躊躇う。
「ええよ。気にせんで」
俺はそう答えレジに持っていく。
後ろで真奈美が仲本と何かを話しているが気にしないでおこう。
「はい。これ」
俺はレジの店員にもらった小さな袋を仲本に渡す。
「本当によかったのかな?」
仲本はそう聞いてくるから
「ほんまええよ。どっかのアホやったらお断りやけどな」
そういってやる。
「あ~悪かったわね。楓次いこう」
まだ行くんかいな。
結局、俺は色んな店につき合わされた。雑貨屋から始まって服屋に・・・。とにかく色んな店を見て回った。
「ほな、また明日なぁ。」
日が傾き始めた頃やっと俺らは別れたのだ。
「で?雄介。告白せへぇんの?」
二人っきりになった頃突然真奈美が聞いてくる。
「何でいきなりそんなこと聞くねん」
俺は聞き返してみた。
「彼女ねろうとるの多いでぇ」
真奈美の情報は正しいのだ。
「そのうちな・・・。多分」
俺はそういって誤魔化す。
「そのうちじゃ遅いかもせんでぇ~。」
真奈美はそういって追い討ちをかけてくる。
「そういうお前はどうなんや?」
俺は聞いてみる。真奈美は少し考え
「此間言うたで。」
は?いつの間に・・・
「で?返事は?」
まさか玉砕?
「うん。ええ返事やったで。彼氏もちや」
真奈美はそういって笑う。あっそ。
「そんなら大事にしてもらえや」
俺はそれを心底嬉しいと思っていた。
「雄介もがんばりやぁ~ほなな~」
真奈美はそういって自分の家の方に走ってく。俺は・・・どないせいちゅうねん。
「ただいま」
俺は家に帰ると自分の部屋に行きベッドに倒れこんだ。
まだ知り合って一ヶ月もたっとらへんのやで?そんなんでええんかいな???
まぁ・・・誰かに取られるくらいやったら自分のもんにしたいとは思うけど・・・・
「まぁええわ」
俺はゴロッと体の向きをかえた。
翌朝
俺は何時もの様に朝練を済ませ教室に向かった。
「あの・・・付き合ってください・・・」
不意に聞こえた言葉。
「あの・・・ごめんなさい・・」
それは男子生徒と仲本の会話。俺は聞いてはいけないものを聞いてしまった気がした。
男子に人気があるって言うのは強ち嘘じゃないらしい。
じゃぁ俺は?どうすればいんんだ?
俺は教室に向かうのも面倒でそのまま屋上に来ていた。
「一目惚れってやっぱあるんのか?」
そうメールを打っていた。
ピルルルル
『何くせぇこといってんねん??』
そんな返事が返ってくる。
「いやさ。気になる子が居るねん。どうも一目ぼれした見たいや」
そう返信する。
ピルルルルル
『お前が一目惚れ?嵐が来るで雄介』
そんな返事が返ってくる。
「あ~もう。勘弁しぃやほんまに!!!!」
俺は一人イライラしながらメールと格闘しとった。
「俺かて一目惚れぐらいするわい」
ピルルルル
『やっぱ嵐決定やわ』
何ちゅうことぬかすねん。
「中谷のアホんだらぁ~!!!!!」
俺は東の空に向かって叫んでいた。
「きゃぁっ」
振り向いたとたん小さな悲鳴が聞こえたと思ったら方に何かがぶつかった感触がった。
「ん?」
辺りを見渡してみれば俺の足元に今噂しとった彼女が尻餅ついとった。
「仲本。何しとるん?」
俺は訳がわからず聞いてみる。
「酷いよぉ榊君。今榊君が振り返ったときにぶつかったんだけど・・・・」
あちゃぁ~。やっぱ気のせいやなかったんや。
「堪忍な。怪我せんかったん?」
俺は仲本の手を掴み立たせる。
「ありがとう。大丈夫。遠野さんが探してたんだけどここにいたんだぁ」
仲本はスカートの埃を払い俺に教える。
「真奈美が探しとったん???まぁええわ。どうせたいした用でもないやろし」
俺は携帯をポケットにしまい答える。真奈美のことや帰りにどっかよってことかそんな事や。間違いない。
「遠野さんとは仲がいいんだね。」
そんなことを聞いてくる。
「あぁ。幼馴染やから腐れ縁みたいなもんや。で?仲本はなんか用あったん?」
俺としてはあんまり二人っきりにはなりとうないんやけど・・・・。まだ心の準備が出来てへんのやし・・・。
「うん。榊君に一つ聞きたくて・・・」
俺に??
「何をや?」
なんかあるんやろうか???
「私って榊君に嫌われてる?」
えっと・・・・
「えっと・・・その・・・」
なんて答えればええねん!!!!急すぎるで・・・・
「やっぱり私って嫌われてるんだ」
あぁ~ちょぉまってや。そうやなくて・・・
「勘違いせんといて仲本。そんなんやないから」
えっと・・・なんて説明したらええねん。
「じゃぁ・・・何?・・・遠野さんみたいに仲良くいなれないのかな?」
真奈美みたいに?
「堪忍・・・真奈美みたいには誰もなれへんねん」
あいつは特別やねん。やっぱり幼馴染やからかな。せやけど・・・・
「そっか。そうだよね。ごめんね変な事いって。今の忘れてもいいからさ」
彼女の目元に光るものが浮かぶ。あ~もう!!!!男榊雄介!!!はっきりさせるでぇ!!!!
「仲本話があるねん。ちゃんと聞いてくれへん」
ここで決めへんでいつ決めるねん。
「何?」
おし。覚悟は決まったで。
「俺な仲本が好きやねん。仲本が迷惑やなかったら付きおうてくれへん?」
えっと・・・もしも~し・・・
「・・・・・・」
返事がこうへん。迷惑やったやろか???
「仲本?・・・いきなり過ぎだよな・・・堪忍な。迷惑なんやったら断ってくれへん?」
そうしてくれた方が気分的に楽なんやけど・・・・。
「あの・・・今のって・・・・本気?それとも冗談???」
えっと・・・冗談に聞こえたんやろうか???
「冗談やないで。本気やって!!!」
俺ってそんなに軽い男に見えるんやろか???
「ごめん。だって知り合って1ヶ月しか経てないのにいきなり告白されて驚いちゃって・・・」
そらそうやな。
「信じられへんよな。」
男榊雄介玉砕や。
「あの・・・そうじゃなくて・・・その・・・・」
ん?
「そうやなくて?」
じゃぁ一体なんなんやろうか?
「あのね・・・私も・・・榊君のこと・・・好きなの・・・」
へ?今なんちゅうた???
「嘘?ほんまなん??」
冗談やなくて???
「…うん。…でも榊君の傍っていつも遠野さんがいるから付き合ってるのかなって…」
あんのボケ~。あいつのせいでへんな誤解されとるやんけ!!!
「ほんまに真奈美は幼馴染や。で俺が好きなんは仲本楓お前や。これでも信用できへん?」
俺が好きなんはほんまに仲本なんやで???
「嬉しい。ありがとう」
俺はそっと仲本を抱き締めた。
「好きや。仲本が好きや」
俺の背に仲本の腕が回された。
気が付いたら君を目で追っていた。
気が付いたら君を探していた。
気が付いたら君に恋をしていた。
気が付いたら君を好きになっていた。
Fin
気が付いたら君を探していた。
気が付いたら君に恋をしていた。
気が付いたら君を好きになっていた。
朝練を終え俺が教室に着たらえろう騒がしかった。
「なんや?今日はめっちゃ騒がしいな?」
俺は不思議に思いながらも自分の席に行きカバンを置く。
「雄介おはよう。今日な転校生が来るんやて」
俺を見つけて幼馴染の遠野真奈美が声を掛けてくる。
「はようさん。転校生やて?何で今時分?」
俺は席に座り聞き返す。季節的に受験のシーズンや。何で今更転校なんざするんや?
「ん~何でもお父さんの仕事の関係やて言うとったで?」
真奈美はそういう。
「ちゅうかお前どっからそんな情報持ってくるんや?」
そっちのが不思議や。
「へ?あぁ。うちなさっき職員室に用事があったから入ってきたねん」
あっそ・・・。
「なるほど。この情報はお前が出ろころやちゅうわけやな」
お前やったら納得やわ。このお喋り。
「ええやん。どうせうちのクラスに来るんやで?」
あ~そ。
「はいはい」
もうええわ。誰が来ようと関係ないわ。
「ほら。席つけやぁ~。転校生紹介するでぇ」
そんな声と共に先公が教室に入ってくる。いっそう騒がしくなる教室。
「仲本楓さんや。お父さんの仕事の関係で引っ越してきたそうや。仲ようしたってや」
そう言って紹介される少女に俺の目は釘付けやった。何がといわれればわかれへんけど、でも彼女から目が離せへんかったんや。
これが恋だと気が付くのにそう時間はかからへんかった。
仲本は気さくで仲間受けもよくて直に他の生徒と仲ようなっとった。とかく俺も結構彼女とは話してはいた。がごく普通の会話だけど。
「なぁ。雄介。今日の帰りいつもの場所よろや」
真奈美が突然言ってくる。
「アホぬかせ。お前といったら破産するわ。」
俺はそう答える。こいつと行ったらたかられて金がなくなるわ。
「ええやん。かえでも一緒に行きたいいうとるんやで?」
何でそこに中本が出てくるんや。
「はぁ?何でそんなこと俺に言うねん」
俺は意味わからず聞き返す。
「あんた私が気づいとらへんとでも思うとるん???」
いや笑みを浮かべ真奈美が言う。こんのあま~!!!!
「行けばええんやろ行けば!!!!」
くそ。真奈美ノアホンダラ!!!!結局、俺らは学校帰りに行きつけの雑貨屋へと行くことになった。
「ほらほら楓こっち着てみぃ」
真奈美が仲本を呼んでアクセサリーを見てる。俺はちゅうとただ店ん中をブラブラしとっただけや。別にほしいもんあらへんし・・・・。
「楓。こっちのがわかええで?」
真奈美がなんか薦めとる見たいやし。俺はそんな二人を見ていた。黙っとったら真奈美もええ線いっとるんやけどなぁ~。あの喧しさがあかん。それに比べたら仲本は大人しゅうてええ感じやなぁ~・・・・。はっ!!!俺は何を考えとるねん!!!
「雄介。こっちとこっちどっちが似合うと思う?」
突然真奈美がそう呼ぶ。
「お前にはどっちも似合わんわ」
俺はそういう。
「阿呆。楓にやわ」
そう反論される。
「は?仲本に?」
俺はう~んと悩んでしもた。
「雄介まだ~?」
真奈美がそう急かす。俺は
「右。右のがええんちゃう?」
そう答える。どっちも捨てがたいんやけど右のが似合うと思う。
「だって楓。やっぱこっちの似合っとるよ」
真奈美はそういって俺が言ったほうを仲本に渡す。
「本当に似合うかな?」
仲本は不安げに聞いてくる。
「大丈夫やて。どっかの阿呆より似合っとるで」
俺はそう告げる。
「どうせ私はこういうの似合わへんわ」
真奈美がべーっと舌を出す。ほんま憎たらしい。可愛げのないやっちゃ。
「相変わらず仲がいいね」
仲本が笑い出す。俺らは
「「そんなことあらへん!!!」」
声を揃えていっていた。仲本はクスクス笑っていた。その顔が可愛いと思う。
あぁ。俺はやっぱり仲本に恋をしてるんや。
「これ。雄介のおごりな」
真奈美はそういって俺に差し出す。あぁ。やっぱりか。
「え?でも・・・」
仲本が躊躇う。
「ええよ。気にせんで」
俺はそう答えレジに持っていく。
後ろで真奈美が仲本と何かを話しているが気にしないでおこう。
「はい。これ」
俺はレジの店員にもらった小さな袋を仲本に渡す。
「本当によかったのかな?」
仲本はそう聞いてくるから
「ほんまええよ。どっかのアホやったらお断りやけどな」
そういってやる。
「あ~悪かったわね。楓次いこう」
まだ行くんかいな。
結局、俺は色んな店につき合わされた。雑貨屋から始まって服屋に・・・。とにかく色んな店を見て回った。
「ほな、また明日なぁ。」
日が傾き始めた頃やっと俺らは別れたのだ。
「で?雄介。告白せへぇんの?」
二人っきりになった頃突然真奈美が聞いてくる。
「何でいきなりそんなこと聞くねん」
俺は聞き返してみた。
「彼女ねろうとるの多いでぇ」
真奈美の情報は正しいのだ。
「そのうちな・・・。多分」
俺はそういって誤魔化す。
「そのうちじゃ遅いかもせんでぇ~。」
真奈美はそういって追い討ちをかけてくる。
「そういうお前はどうなんや?」
俺は聞いてみる。真奈美は少し考え
「此間言うたで。」
は?いつの間に・・・
「で?返事は?」
まさか玉砕?
「うん。ええ返事やったで。彼氏もちや」
真奈美はそういって笑う。あっそ。
「そんなら大事にしてもらえや」
俺はそれを心底嬉しいと思っていた。
「雄介もがんばりやぁ~ほなな~」
真奈美はそういって自分の家の方に走ってく。俺は・・・どないせいちゅうねん。
「ただいま」
俺は家に帰ると自分の部屋に行きベッドに倒れこんだ。
まだ知り合って一ヶ月もたっとらへんのやで?そんなんでええんかいな???
まぁ・・・誰かに取られるくらいやったら自分のもんにしたいとは思うけど・・・・
「まぁええわ」
俺はゴロッと体の向きをかえた。
翌朝
俺は何時もの様に朝練を済ませ教室に向かった。
「あの・・・付き合ってください・・・」
不意に聞こえた言葉。
「あの・・・ごめんなさい・・」
それは男子生徒と仲本の会話。俺は聞いてはいけないものを聞いてしまった気がした。
男子に人気があるって言うのは強ち嘘じゃないらしい。
じゃぁ俺は?どうすればいんんだ?
俺は教室に向かうのも面倒でそのまま屋上に来ていた。
「一目惚れってやっぱあるんのか?」
そうメールを打っていた。
ピルルルル
『何くせぇこといってんねん??』
そんな返事が返ってくる。
「いやさ。気になる子が居るねん。どうも一目ぼれした見たいや」
そう返信する。
ピルルルルル
『お前が一目惚れ?嵐が来るで雄介』
そんな返事が返ってくる。
「あ~もう。勘弁しぃやほんまに!!!!」
俺は一人イライラしながらメールと格闘しとった。
「俺かて一目惚れぐらいするわい」
ピルルルル
『やっぱ嵐決定やわ』
何ちゅうことぬかすねん。
「中谷のアホんだらぁ~!!!!!」
俺は東の空に向かって叫んでいた。
「きゃぁっ」
振り向いたとたん小さな悲鳴が聞こえたと思ったら方に何かがぶつかった感触がった。
「ん?」
辺りを見渡してみれば俺の足元に今噂しとった彼女が尻餅ついとった。
「仲本。何しとるん?」
俺は訳がわからず聞いてみる。
「酷いよぉ榊君。今榊君が振り返ったときにぶつかったんだけど・・・・」
あちゃぁ~。やっぱ気のせいやなかったんや。
「堪忍な。怪我せんかったん?」
俺は仲本の手を掴み立たせる。
「ありがとう。大丈夫。遠野さんが探してたんだけどここにいたんだぁ」
仲本はスカートの埃を払い俺に教える。
「真奈美が探しとったん???まぁええわ。どうせたいした用でもないやろし」
俺は携帯をポケットにしまい答える。真奈美のことや帰りにどっかよってことかそんな事や。間違いない。
「遠野さんとは仲がいいんだね。」
そんなことを聞いてくる。
「あぁ。幼馴染やから腐れ縁みたいなもんや。で?仲本はなんか用あったん?」
俺としてはあんまり二人っきりにはなりとうないんやけど・・・・。まだ心の準備が出来てへんのやし・・・。
「うん。榊君に一つ聞きたくて・・・」
俺に??
「何をや?」
なんかあるんやろうか???
「私って榊君に嫌われてる?」
えっと・・・・
「えっと・・・その・・・」
なんて答えればええねん!!!!急すぎるで・・・・
「やっぱり私って嫌われてるんだ」
あぁ~ちょぉまってや。そうやなくて・・・
「勘違いせんといて仲本。そんなんやないから」
えっと・・・なんて説明したらええねん。
「じゃぁ・・・何?・・・遠野さんみたいに仲良くいなれないのかな?」
真奈美みたいに?
「堪忍・・・真奈美みたいには誰もなれへんねん」
あいつは特別やねん。やっぱり幼馴染やからかな。せやけど・・・・
「そっか。そうだよね。ごめんね変な事いって。今の忘れてもいいからさ」
彼女の目元に光るものが浮かぶ。あ~もう!!!!男榊雄介!!!はっきりさせるでぇ!!!!
「仲本話があるねん。ちゃんと聞いてくれへん」
ここで決めへんでいつ決めるねん。
「何?」
おし。覚悟は決まったで。
「俺な仲本が好きやねん。仲本が迷惑やなかったら付きおうてくれへん?」
えっと・・・もしも~し・・・
「・・・・・・」
返事がこうへん。迷惑やったやろか???
「仲本?・・・いきなり過ぎだよな・・・堪忍な。迷惑なんやったら断ってくれへん?」
そうしてくれた方が気分的に楽なんやけど・・・・。
「あの・・・今のって・・・・本気?それとも冗談???」
えっと・・・冗談に聞こえたんやろうか???
「冗談やないで。本気やって!!!」
俺ってそんなに軽い男に見えるんやろか???
「ごめん。だって知り合って1ヶ月しか経てないのにいきなり告白されて驚いちゃって・・・」
そらそうやな。
「信じられへんよな。」
男榊雄介玉砕や。
「あの・・・そうじゃなくて・・・その・・・・」
ん?
「そうやなくて?」
じゃぁ一体なんなんやろうか?
「あのね・・・私も・・・榊君のこと・・・好きなの・・・」
へ?今なんちゅうた???
「嘘?ほんまなん??」
冗談やなくて???
「…うん。…でも榊君の傍っていつも遠野さんがいるから付き合ってるのかなって…」
あんのボケ~。あいつのせいでへんな誤解されとるやんけ!!!
「ほんまに真奈美は幼馴染や。で俺が好きなんは仲本楓お前や。これでも信用できへん?」
俺が好きなんはほんまに仲本なんやで???
「嬉しい。ありがとう」
俺はそっと仲本を抱き締めた。
「好きや。仲本が好きや」
俺の背に仲本の腕が回された。
気が付いたら君を目で追っていた。
気が付いたら君を探していた。
気が付いたら君に恋をしていた。
気が付いたら君を好きになっていた。
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