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2話
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「んっ、んん、んーっ」
モゾモゾとシーツの上を泳ぎ大きく背伸びをして櫂海は目を覚ました。
「はぁ、ダリぃ」
起きて早々にそんなことを口にするのは昨日、機会に好き勝手やられた後で発情が始まったからである。櫂海は発情が始まったからといって特に気にすることはなかった。
レムリナだからなのか、元々の性質なのか、発情が始まっても普段と変わりがないため、特別何かをするということはなかった。だから番を必要としたり、パートナーを必要としたりはしなかったのだ。発情中であっても普段と変わりなく過ごす。それが櫂海の発情中の過ごし方だった。
「はぁ、このフェロモンの香りさえなければ普通にバイトに行くんだけどなぁ。はぁ、今週も金欠か…」
自分の頭をバリバリと掻きながら溜め息をつく。
レムリナであるオメガには定期的に政府が指定した病院での検査が義務づけられていた。50年前に政府の研究が終わり、人工的にオメガを作り出すことはなくなったが、その代償として生まれたレムリナはいまだに謎が多く解明できていない部分があった。政府の研究機関がずっとレムリナの謎の解明をしようと研究を続けているが、レムリナが生まれてくる理由も存在の意味も解明できないでいた。だからこそ、政府はレムリナを管理するために定期的な検査を受けさせていたのだ。だが、政府はその検査費を負担することはなく、検査費はほぼレムリナ自身が負担していた。3年前までの櫂海なら学生という盾があり金額が大幅に減額されていたが、成人してしまうとその減額はなくなり、全額、自分で負担することになった。一度の検査で20万は持っていかれるので、大学生の櫂海には痛い出費である。
特に櫂海は政府の検査対象に認定されているため、月に2回は検査を受けなくてはならない。その理由は櫂海の痣にあった。レムリナである証の痣。ハッキリと蒼い痣があるために検査対象に認定されたのである。前例のないことが櫂海には多かったのだ。
「相変わらずなんも食いたくねぇし…」
櫂海は時計を見て時間を確認しる。時刻は11時少し前。お昼に近い時間だが、お腹が空いたという概念がなかった。いつもそうだ、発情の時はまとも食事をとらない。お腹が空いたとか、食べたいとか、そんな感情が全く浮かばないのである。だから、水分だけ取って1日を終えることなんてざらである。酷ければ水分ですら取らないときがある。大抵、そういう時は1日中ずっと寝ているときだが…。何が原因でそういう状態になるのかも解明されていなかった。
「まぁ、食べなくても平気だし、もう一回寝る」
毎度のことなので、櫂海はもう一度寝るために横になった。
「いっ」
横になった瞬間ズキリと首の痣が痛んだ。
「またか…」
最近、首の痣がなにかを訴えるかのように痛むのだ。ズキズキと痛みが続くわけじゃなく、ズキリと痛みが走るだけで、ずっと痛みが続くわけではない。大抵、その痛みがするときは痣の色がより濃くなっているときである。色が濃くなっているのは数人の友人に言われて知った。
「なんだってんだよ一体…」
櫂海は呟きごろりと寝返りを打ち考えを遮断するかのように目を閉じた。
モゾモゾとシーツの上を泳ぎ大きく背伸びをして櫂海は目を覚ました。
「はぁ、ダリぃ」
起きて早々にそんなことを口にするのは昨日、機会に好き勝手やられた後で発情が始まったからである。櫂海は発情が始まったからといって特に気にすることはなかった。
レムリナだからなのか、元々の性質なのか、発情が始まっても普段と変わりがないため、特別何かをするということはなかった。だから番を必要としたり、パートナーを必要としたりはしなかったのだ。発情中であっても普段と変わりなく過ごす。それが櫂海の発情中の過ごし方だった。
「はぁ、このフェロモンの香りさえなければ普通にバイトに行くんだけどなぁ。はぁ、今週も金欠か…」
自分の頭をバリバリと掻きながら溜め息をつく。
レムリナであるオメガには定期的に政府が指定した病院での検査が義務づけられていた。50年前に政府の研究が終わり、人工的にオメガを作り出すことはなくなったが、その代償として生まれたレムリナはいまだに謎が多く解明できていない部分があった。政府の研究機関がずっとレムリナの謎の解明をしようと研究を続けているが、レムリナが生まれてくる理由も存在の意味も解明できないでいた。だからこそ、政府はレムリナを管理するために定期的な検査を受けさせていたのだ。だが、政府はその検査費を負担することはなく、検査費はほぼレムリナ自身が負担していた。3年前までの櫂海なら学生という盾があり金額が大幅に減額されていたが、成人してしまうとその減額はなくなり、全額、自分で負担することになった。一度の検査で20万は持っていかれるので、大学生の櫂海には痛い出費である。
特に櫂海は政府の検査対象に認定されているため、月に2回は検査を受けなくてはならない。その理由は櫂海の痣にあった。レムリナである証の痣。ハッキリと蒼い痣があるために検査対象に認定されたのである。前例のないことが櫂海には多かったのだ。
「相変わらずなんも食いたくねぇし…」
櫂海は時計を見て時間を確認しる。時刻は11時少し前。お昼に近い時間だが、お腹が空いたという概念がなかった。いつもそうだ、発情の時はまとも食事をとらない。お腹が空いたとか、食べたいとか、そんな感情が全く浮かばないのである。だから、水分だけ取って1日を終えることなんてざらである。酷ければ水分ですら取らないときがある。大抵、そういう時は1日中ずっと寝ているときだが…。何が原因でそういう状態になるのかも解明されていなかった。
「まぁ、食べなくても平気だし、もう一回寝る」
毎度のことなので、櫂海はもう一度寝るために横になった。
「いっ」
横になった瞬間ズキリと首の痣が痛んだ。
「またか…」
最近、首の痣がなにかを訴えるかのように痛むのだ。ズキズキと痛みが続くわけじゃなく、ズキリと痛みが走るだけで、ずっと痛みが続くわけではない。大抵、その痛みがするときは痣の色がより濃くなっているときである。色が濃くなっているのは数人の友人に言われて知った。
「なんだってんだよ一体…」
櫂海は呟きごろりと寝返りを打ち考えを遮断するかのように目を閉じた。
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