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step3 頬にキスを
3話
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「で?今日のご飯は何ですかぁ?」
勝手知ったるとはこいうことを言うんだろう。
「お前、俺が壬生に付き合うようになってから余計に図々しくなったな」
大樹の言葉に溜め息が出た。そう、壬生のやりたいことに付き合い、一緒に(強制的に)ご飯を食べるようになってからこいつは前以上に人の部屋に来ては飯を食ってくようになった。勿論、椥込みでだ。
「えぇ、だって人数が多い方が楽しいし、美味しいじゃん」
なんて笑う。が、ただ単に壬生を揶揄って遊ぶためだ。反応が初心で大樹にとっては面白いのだ。
「たのもう!!」
なんて言葉と共に壬生と椥がやってきた。
「いらっしゃ~い」
大樹が笑いながら出迎えてるし。この部屋の主は俺なんだが…。
「どうした?」
溜め息をついた俺をジッと壬生が見てるから聞いてみたんだが、ジッと見たままでなにも言わない。
「壬生、どうした?」
もう一度、同じように聞けば
「佐久間はやっぱり長谷部と付き合ってるのか?」
なんて聞かれた。
「お前、壬生…仮にも恋人がいる前でそんなことを聞くか?こいつの恋人はお前の隣に立ってる椥だぞ?」
壬生の言葉に呆れた。本気で呆れたのだ。
「いや、それはわかってる。だけど、部屋で二人でいることが多いだろう?だから…」
確かに壬生の言ってることは正しい。俺と大樹はよく俺の部屋にいる。不良の頂点に立つのが大樹だから、その日の報告を俺のとこに言いに来るのだ。それが風紀委員と不良との約束。些細な出来事でも報告すると…。一般生徒に被害がいかないようにするための処置だ。
「ん~、壬生は俺が悠久を取っちゃうって心配してるんだねぇ♪」
なんていう大樹の言葉に壬生が素直に頷く。それを見てキラリンって大樹の目が輝いた。
「やだなぁ~壬生ったら。もしかしていつの間にか悠久に恋しちゃったのかなぁ~??」
なんてふざけ始めた。
「なっ、ちがっ、そうじゃなくて…」
大樹の言葉に壬生がワタワタし始めた。
「えぇ~じゃぁ、どうしてそんなに心配になるのかなぁ~??」
ったく、大樹のやつ本当に壬生を揶揄って遊んでやがる。
「…わかんない…」
暫く黙り込んでいたがポツリとそんなことを呟く。自分の気持ちがよくわからないと言ったところだろうか?
「心配するな壬生。大樹が俺の部屋に入り浸ってるのは、不良の長として風紀委員長である俺に報告義務があるから来てるだけだ。まぁ、幼馴染だし、飯を食いにも来るけどな」
俺がそう説明してやれば少しは納得するだろう。
「報告?」
不思議そうな顔をして首を傾げる。
「不良どもがやらかした出来事とかを報告するように言ってあるんだ。じゃないと後々、一般生徒を巻き込むことがあったら困るからな」
これは風紀と、いや、俺とあいつらたちとの約束だからな。一般生徒に手を出さなきゃ大概のことは目をつぶると…。ただ、やらかしたら容赦はしないと言ってある。
まぁ、バカが壬生を侮辱したときに最下層のやつら、特にバカよりのやつらにはきっちり叩き込んでやったが、これは壬生は知らない。
俺と牧野と幹部たちが揃って行ったから、壬生には告げてないし、思い出してほしくないので言ってない。
あの後で、本当に壬生は酷い状態だったからな。俺と牧野がフォローしてたから教室では平気だったんだが…。
「本当にそれだけなのか?」
相変わらず信用されてないなぁ。
「お前、俺に恋人がいるのにお前のやりたいことに付き合ってるって思ってるのか?」
だから壬生にもう一度聞いてみる。何度か俺は言ったはずなんだが。付き合ってるやつも好きな奴もいないと。
「だって、わからないだろ?あの時はいなかったかもしれないけど今は違うかもしれないだろ?」
なんともまぁ、情けない顔で言ってくれるなこいつ。
「あー、ないない。壬生には悪いけど悠久そんなことしないから。ちゃんとした相手がいたら悠久は壬生のこと見向きもしないから」
「あー、それは言えてますね。悠久さんてこう見えても自分の好きな相手にはすっごい紳士的だし、大事にするんですよ」
壬生の言葉を否定するように大樹と椥がいう。その言葉を聞き壬生がビックリした顔をしながらも
「俺に対しても結構、紳士的なんだが?俺は佐久間に揶揄われてるのか?」
思い当たることがあるのか少しだけ膨れっ面になる。
「お前、そんなに俺は酷い男なのか?」
酷い奴だといわれると傷付くけどな。
「それは…だけど、たまに俺のこと揶揄うじゃないか」
と掴みかからん勢いで言ってくる。
「それは~悠久が悪いよねぇ~風紀委員室でのこともあるもんねぇ~」
なんて、大樹が昼間のことをぶり返す。その言葉を聞き壬生の顔がムスッとなった。
おいおい、またあの話をしなきゃいけないのか??
勝手知ったるとはこいうことを言うんだろう。
「お前、俺が壬生に付き合うようになってから余計に図々しくなったな」
大樹の言葉に溜め息が出た。そう、壬生のやりたいことに付き合い、一緒に(強制的に)ご飯を食べるようになってからこいつは前以上に人の部屋に来ては飯を食ってくようになった。勿論、椥込みでだ。
「えぇ、だって人数が多い方が楽しいし、美味しいじゃん」
なんて笑う。が、ただ単に壬生を揶揄って遊ぶためだ。反応が初心で大樹にとっては面白いのだ。
「たのもう!!」
なんて言葉と共に壬生と椥がやってきた。
「いらっしゃ~い」
大樹が笑いながら出迎えてるし。この部屋の主は俺なんだが…。
「どうした?」
溜め息をついた俺をジッと壬生が見てるから聞いてみたんだが、ジッと見たままでなにも言わない。
「壬生、どうした?」
もう一度、同じように聞けば
「佐久間はやっぱり長谷部と付き合ってるのか?」
なんて聞かれた。
「お前、壬生…仮にも恋人がいる前でそんなことを聞くか?こいつの恋人はお前の隣に立ってる椥だぞ?」
壬生の言葉に呆れた。本気で呆れたのだ。
「いや、それはわかってる。だけど、部屋で二人でいることが多いだろう?だから…」
確かに壬生の言ってることは正しい。俺と大樹はよく俺の部屋にいる。不良の頂点に立つのが大樹だから、その日の報告を俺のとこに言いに来るのだ。それが風紀委員と不良との約束。些細な出来事でも報告すると…。一般生徒に被害がいかないようにするための処置だ。
「ん~、壬生は俺が悠久を取っちゃうって心配してるんだねぇ♪」
なんていう大樹の言葉に壬生が素直に頷く。それを見てキラリンって大樹の目が輝いた。
「やだなぁ~壬生ったら。もしかしていつの間にか悠久に恋しちゃったのかなぁ~??」
なんてふざけ始めた。
「なっ、ちがっ、そうじゃなくて…」
大樹の言葉に壬生がワタワタし始めた。
「えぇ~じゃぁ、どうしてそんなに心配になるのかなぁ~??」
ったく、大樹のやつ本当に壬生を揶揄って遊んでやがる。
「…わかんない…」
暫く黙り込んでいたがポツリとそんなことを呟く。自分の気持ちがよくわからないと言ったところだろうか?
「心配するな壬生。大樹が俺の部屋に入り浸ってるのは、不良の長として風紀委員長である俺に報告義務があるから来てるだけだ。まぁ、幼馴染だし、飯を食いにも来るけどな」
俺がそう説明してやれば少しは納得するだろう。
「報告?」
不思議そうな顔をして首を傾げる。
「不良どもがやらかした出来事とかを報告するように言ってあるんだ。じゃないと後々、一般生徒を巻き込むことがあったら困るからな」
これは風紀と、いや、俺とあいつらたちとの約束だからな。一般生徒に手を出さなきゃ大概のことは目をつぶると…。ただ、やらかしたら容赦はしないと言ってある。
まぁ、バカが壬生を侮辱したときに最下層のやつら、特にバカよりのやつらにはきっちり叩き込んでやったが、これは壬生は知らない。
俺と牧野と幹部たちが揃って行ったから、壬生には告げてないし、思い出してほしくないので言ってない。
あの後で、本当に壬生は酷い状態だったからな。俺と牧野がフォローしてたから教室では平気だったんだが…。
「本当にそれだけなのか?」
相変わらず信用されてないなぁ。
「お前、俺に恋人がいるのにお前のやりたいことに付き合ってるって思ってるのか?」
だから壬生にもう一度聞いてみる。何度か俺は言ったはずなんだが。付き合ってるやつも好きな奴もいないと。
「だって、わからないだろ?あの時はいなかったかもしれないけど今は違うかもしれないだろ?」
なんともまぁ、情けない顔で言ってくれるなこいつ。
「あー、ないない。壬生には悪いけど悠久そんなことしないから。ちゃんとした相手がいたら悠久は壬生のこと見向きもしないから」
「あー、それは言えてますね。悠久さんてこう見えても自分の好きな相手にはすっごい紳士的だし、大事にするんですよ」
壬生の言葉を否定するように大樹と椥がいう。その言葉を聞き壬生がビックリした顔をしながらも
「俺に対しても結構、紳士的なんだが?俺は佐久間に揶揄われてるのか?」
思い当たることがあるのか少しだけ膨れっ面になる。
「お前、そんなに俺は酷い男なのか?」
酷い奴だといわれると傷付くけどな。
「それは…だけど、たまに俺のこと揶揄うじゃないか」
と掴みかからん勢いで言ってくる。
「それは~悠久が悪いよねぇ~風紀委員室でのこともあるもんねぇ~」
なんて、大樹が昼間のことをぶり返す。その言葉を聞き壬生の顔がムスッとなった。
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