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step1 手を繋ごう
8話
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それなりに、時間を作っては壬生に付き合って、あっちにフラ~こっちにフラ~と手を繋ぎながら行ったり来たりとしていた。
好奇心旺盛でやりたいとか、行きたいとか、思ったことを直ぐに実行してきた壬生にしては大人しく俺との約束を守って行動する前にちゃんと連絡をよこしてきた。
さっきも連絡をいれてきたので俺は待ち合わせ場所へと向かった。
待ち合わせ場所に近づくに連れて言い争う声が聞こえて、俺は気配を消しながらそっと近づいて物陰にかくれて様子をみた。
「どうしてですか会長!なんであんな人となんですか!僕だって…僕だって会長が好きなんです!」
「あんな危険な不良みなたいな人となんて考え直してください」
「会長!」
俺と一緒にいるのが気に入られねぇ連中が言い寄ってる。中には告白してるのもいるな。
なんてぼんやりと考えながら様子を見ていれば
「うるさい!俺が誰と一緒にいようがお前たちには関係ないだろ!俺は自分がしたいと思ったことをやらせてくれるあいつの傍にいるのがいいんだよ!」
珍しく感情的に反論してる壬生に驚いた。
「そんなの俺だってさせてあげます!」
「行きたいところだって連れてってあげますよ!」
「そうですよ!」
その反論に反論し返す奴ら。
「だったら…だったらお前らは今すぐ俺を最下層まで連れってて案内してくれるのか?」
意外な言葉に言い寄ってた奴らが黙り込む。そりゃ誰も思わねぇよな。
行きたい場所が最下層で、しかも案内しろって…。
そんなこと考えるのはこいつか、よっぽど変なやつぐらいだ。
「そんな危険な場所じゃなくてもっと他の場所にしましょうよ会長」
「そうですよ」
「楽しい場所は他ないもあります」
行き先を変えようと言うが、こいつらはわかっちゃねぇな。
「断る。お前らは会長としての俺の仕事を取り上げるってことだな。俺にただのお飾りの会長でいろってことだな」
壬生のはっきりとした言葉。好奇心旺盛で色んな場所にふらっと行くが、実は生徒会長としての役目を果す為にフラフラしてるんだと、一緒に行動するようになって初めて知った。
「だとしても、あの人と一緒じゃなくてもいいじゃないですか!」
「そうですよ、あんな危険な人じゃなくても」
「あの人が最下層たちのボスなんでしょ!会長が危険です!」
話を聞いてれば好き放題言ってくれやがる。
「お前たちに佐久間の何がわかる?あいつがいるからこの学園が平和になってるのを知らないとは言わないよな?」
壬生が珍しく怒りを露にしてやがる。
しょうがねぇな。
俺は溜め息一つつき、ゆっくりと物陰から出て壬生の方へと向かう。
「わりぃ、壬生、遅くなった。ん?何してんだお前ら?壬生にケンカ吹っ掛けてるんじゃねぇよな?」
今この場所に来たと言わんばかりに声をかければ
「佐久間」
壬生のほっとしたような顔とバツが悪そうな顔をした奴ら。
「壬生に言い寄るのは勝手だけどよぉ、会長様の仕事の邪魔するってんなら、それなりに対応させてもらうんだけど?」
壬生が無言で色んなことを訴えてきやがる。
ここから離れたい、こいつらから逃げたい、約束の場所に行きたい、なんて全部を無言で訴え隠れるように俺の後ろに立ち目の前の奴らにわからないように制服を掴んできやがる。
携帯を取り出し、牧野を呼び出すために操作し始めれば、そそくさと何も言わずに逃げていった。
「行っちまったぞ」
後ろにいる壬生に声をかければ
「ありがとう」
小さくそんな言葉が返ってきた。
どうしようか考えたが俺は壬生に手を差し出し
「最下層に行くんだろ?あいつらのせいで時間くっちまったし、大樹のやつからソロソロ怒りのイタ電が来そうなんだが?」
あいつらとのことを深く追求せずに約束を果すぞと言えば
「そうしたら俺が長谷部に謝るから大丈夫だ」
とはっきりと言って俺の手を握り返してきた。
「まぁ、あいつのことだから何か違う話題を持ってきてからかいそうだがな。今日は本当に連れてくだけだからな」
壬生の手を握り歩き出せば
「わかってる」
不満げに返事が返ってきて笑ってしまう。
ホント、こういうところは素直だな。
自分の興味を持ったことに対してすぐ行動するが、最近は俺と言う制限ができた分だけ少し不満があるのはわかってる。その不満を最近は隠さずに出すようにもなった。それだけ信用されたということなだろうけどな。
「まぁ、また時間作って連れてってやるから今日は我慢しろ」
不満がってる壬生を喜ばせれる言葉を告げれば
「絶対だからな!約束だからな!」
すぐ食いついた。本当にわかりやすい。
「あぁ、わかった。ほら行くぞ」
今度こそ本当に向かうために歩き出せば
「うん」
嬉しそうに返事が返ってきた。そんな壬生を見て
本当に俺がこいつの相手をしてて大丈夫なんだろうか?
って、俺はまた自問自答をすることになる。
最下層の奴らみたいにひでぇことはしないが、俺が本当に悪魔だっていわれてる理由を知ってくれ。と、願わずにいられない。
まぁ、壬生のやりたいことに付き合うといったのは俺自身なので、こればっかりは諦めるかないんだろうな。
大樹からのイタ電が来る前に目的の場所に行くために俺は少しだけ歩みを早めた。
好奇心旺盛でやりたいとか、行きたいとか、思ったことを直ぐに実行してきた壬生にしては大人しく俺との約束を守って行動する前にちゃんと連絡をよこしてきた。
さっきも連絡をいれてきたので俺は待ち合わせ場所へと向かった。
待ち合わせ場所に近づくに連れて言い争う声が聞こえて、俺は気配を消しながらそっと近づいて物陰にかくれて様子をみた。
「どうしてですか会長!なんであんな人となんですか!僕だって…僕だって会長が好きなんです!」
「あんな危険な不良みなたいな人となんて考え直してください」
「会長!」
俺と一緒にいるのが気に入られねぇ連中が言い寄ってる。中には告白してるのもいるな。
なんてぼんやりと考えながら様子を見ていれば
「うるさい!俺が誰と一緒にいようがお前たちには関係ないだろ!俺は自分がしたいと思ったことをやらせてくれるあいつの傍にいるのがいいんだよ!」
珍しく感情的に反論してる壬生に驚いた。
「そんなの俺だってさせてあげます!」
「行きたいところだって連れてってあげますよ!」
「そうですよ!」
その反論に反論し返す奴ら。
「だったら…だったらお前らは今すぐ俺を最下層まで連れってて案内してくれるのか?」
意外な言葉に言い寄ってた奴らが黙り込む。そりゃ誰も思わねぇよな。
行きたい場所が最下層で、しかも案内しろって…。
そんなこと考えるのはこいつか、よっぽど変なやつぐらいだ。
「そんな危険な場所じゃなくてもっと他の場所にしましょうよ会長」
「そうですよ」
「楽しい場所は他ないもあります」
行き先を変えようと言うが、こいつらはわかっちゃねぇな。
「断る。お前らは会長としての俺の仕事を取り上げるってことだな。俺にただのお飾りの会長でいろってことだな」
壬生のはっきりとした言葉。好奇心旺盛で色んな場所にふらっと行くが、実は生徒会長としての役目を果す為にフラフラしてるんだと、一緒に行動するようになって初めて知った。
「だとしても、あの人と一緒じゃなくてもいいじゃないですか!」
「そうですよ、あんな危険な人じゃなくても」
「あの人が最下層たちのボスなんでしょ!会長が危険です!」
話を聞いてれば好き放題言ってくれやがる。
「お前たちに佐久間の何がわかる?あいつがいるからこの学園が平和になってるのを知らないとは言わないよな?」
壬生が珍しく怒りを露にしてやがる。
しょうがねぇな。
俺は溜め息一つつき、ゆっくりと物陰から出て壬生の方へと向かう。
「わりぃ、壬生、遅くなった。ん?何してんだお前ら?壬生にケンカ吹っ掛けてるんじゃねぇよな?」
今この場所に来たと言わんばかりに声をかければ
「佐久間」
壬生のほっとしたような顔とバツが悪そうな顔をした奴ら。
「壬生に言い寄るのは勝手だけどよぉ、会長様の仕事の邪魔するってんなら、それなりに対応させてもらうんだけど?」
壬生が無言で色んなことを訴えてきやがる。
ここから離れたい、こいつらから逃げたい、約束の場所に行きたい、なんて全部を無言で訴え隠れるように俺の後ろに立ち目の前の奴らにわからないように制服を掴んできやがる。
携帯を取り出し、牧野を呼び出すために操作し始めれば、そそくさと何も言わずに逃げていった。
「行っちまったぞ」
後ろにいる壬生に声をかければ
「ありがとう」
小さくそんな言葉が返ってきた。
どうしようか考えたが俺は壬生に手を差し出し
「最下層に行くんだろ?あいつらのせいで時間くっちまったし、大樹のやつからソロソロ怒りのイタ電が来そうなんだが?」
あいつらとのことを深く追求せずに約束を果すぞと言えば
「そうしたら俺が長谷部に謝るから大丈夫だ」
とはっきりと言って俺の手を握り返してきた。
「まぁ、あいつのことだから何か違う話題を持ってきてからかいそうだがな。今日は本当に連れてくだけだからな」
壬生の手を握り歩き出せば
「わかってる」
不満げに返事が返ってきて笑ってしまう。
ホント、こういうところは素直だな。
自分の興味を持ったことに対してすぐ行動するが、最近は俺と言う制限ができた分だけ少し不満があるのはわかってる。その不満を最近は隠さずに出すようにもなった。それだけ信用されたということなだろうけどな。
「まぁ、また時間作って連れてってやるから今日は我慢しろ」
不満がってる壬生を喜ばせれる言葉を告げれば
「絶対だからな!約束だからな!」
すぐ食いついた。本当にわかりやすい。
「あぁ、わかった。ほら行くぞ」
今度こそ本当に向かうために歩き出せば
「うん」
嬉しそうに返事が返ってきた。そんな壬生を見て
本当に俺がこいつの相手をしてて大丈夫なんだろうか?
って、俺はまた自問自答をすることになる。
最下層の奴らみたいにひでぇことはしないが、俺が本当に悪魔だっていわれてる理由を知ってくれ。と、願わずにいられない。
まぁ、壬生のやりたいことに付き合うといったのは俺自身なので、こればっかりは諦めるかないんだろうな。
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