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月光に煌めく金のたてがみ-10年目の再会と約束-

act 9

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「…んっ…ここは…」
目を覚ましたミズキが身体を起こす。周りを見渡しそこが自分の部屋だと理解した。そっと寝台から降り部屋を出た。足が勝手に進んでいく。

ドキドキと胸が高鳴る。何かを期待するように高揚するように高鳴る。

ダメだと思う。このまま進んじゃいけないと…。

それでも自分の意思とは関係なく足が進んでいく。


足が止まった瞬間、コツリと音が鳴った。


窓辺で外を見てる金糸の王の姿を見てミズキの心臓がドクンと強く脈打つ。

「うっ…あっ…」

ヤバいとミズキは思う。金糸の王を見ただけで発情期が強くなってくる。ゆっくりと金糸の王が振り返る。

金糸の王を正面から見た瞬間に、全身が激しく脈打つ。

「うっ…あっ…」

全身の血が沸騰してるみたいに熱くなる。ミズキはその場に崩れ落ちるように座り込んだ。ミズキにとって大きな発情期がきた瞬間だった。

ミズキは金糸の王が見れず下を向いたままだ。だが、ミズキの周りには着飾るような色香が溢れ出す。
ゆっくりと金糸の王はミズキの傍による。傍に寄れば寄るほど色香は強くなる。

カツリと音を立ててミズキの前で立ち止まる。その音に反応するようにミズキが顔を上げた。

その姿は完全に変化しており、紅琥珀の髪と瞳になっていた。そして纏わりつくように強くなる色気。ふわりと香るのはフェロモンの香りか。

国王が言っていた意味をタマキは目の当たりにする。確かにこれだけ強い色気は自分の意志が強くなければミズキに飲み込まれるだろう。

「はぁ…タマキ…キス…して…」

ミズキは金糸の王に腕を差し出しその首に抱き着きキスをせがむ。

獣の姿をしている自分にタマキと呼んだことにタマキは驚いていた。だから一瞬、反応が遅れた。ミズキは金糸の王の戸惑いなど気にすることなくキスをしようとしてくる。
流石にそれにタマキは
「ちょ…ちょっと待って…」
慌てて声を出すが
「ヤダ…キス…して…くれ…」
ミズキはイヤイヤと首を振る。
「少しだけ待てって」
タマキの言葉に不服そうな顔をして金糸の王の首に回していた腕を離す。その瞬間に金糸の王の姿から本来の姿に戻るタマキ。
その姿を見た瞬間にミズキの姿がより一層、変化する。もっと色濃くなる紅琥珀の髪と瞳。そして溢れかえる色気とフェロモン。
「…あっ…タマキぃ…」
ミズキがタマキに抱き着こうと腕を差し出す。
「…ミズキ…好きだ」
タマキはそんな言葉と共にミズキの身体を抱き寄せ奪うように唇を重ねた。

繰り返される口付けは次第に深いものへと変わる。タマキはミズキを抱き上げると寝台へと運びそっとおろし自分の下に組み敷く。
「いいのか?」
自分勝手な思いでこの先に進みたくはない。だから、ちゃんと確かめたかった。
「あぁ、タマキだから許すんだ」
頬に添えた手をギュッと握り返しながら言われる言葉に小さく笑う。
「そりゃ光栄だ。俺はミズキが好きだ。だからお前が欲しい」
じっと目を見て言えば
「10年待ったんだ。責任取れよ」
少しだけ拗ねた顔になる。
「当たり前だ」
もう一度、小さく笑い唇を重ねた。


もう止まらなかった。止めることが出来なかった。


お互いがお互いを求め、求められ限界を超えるまで肌を重ね合った。

「っ、ぁ、もぉ、だめっ、ぁぁぁ」
「っ、くっ」

もう何度目かわからぬ絶頂を迎え吐き出される性は白ではなく透明に近くなっていた。

「…っ…はぁ…タマ…キぃ…キス…」
荒い息のままミズキがキスをせがむ。それに答えるようにタマキはそっとキスを贈る。
「少し寝ろ。空が明るくなってきてるし、キレイにしておいてやる」
タマキが言えば
「傍に…いてくれないのか?」
少しウトウトし始めた状態でミズキが聞く。
「じゃぁ、腕枕してやるから寝ろ」
そんなミズキにタマキは自然と笑みが零れ腕枕をしてその細い身体を抱き寄せた。
「…ん…起きても…いろよ…」
そんな言葉を残しミズキはタマキの腕に抱かれ泡沫の中へと誘われていった。
「いなくならねぇし、放さねぇよ」
タマキはミズキの額にキスを落とし、ミズキを抱きしめたまま自分も眠るために眼を閉じた。



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