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月光に煌めく金のたてがみ-10年目の再会と約束-
act 7
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-明後日-
タマキ王子の誕生祝パーティが開催される会場にミズキが姿を現せば少し騒がしくなる。それもそのはずだ。ミズキは王子としての地位を剥奪され国王に幽閉されていたのだ。
それがこの会場に姿を現せば誰もが驚く。ヒソヒソと噂をする者たちもいた。
「本来ならあなたはこの場所に来ることなんて出来なんだから、キルズワーヌ王国の国王に感謝なさい」
「本当だよ」
ミズキの姿を見つけた第二王妃とその息子が嫌味たっぷりに言ってくる。
「そうですね、感謝いないといけないですね」
ミズキはその嫌味を気にしないで自分の父である国王の元へ足を運んだ。
「国王、お招きありがとうございます」
「約束通りちゃんと出てきたんだね」
国王の前に姿を現せばそう言われ
「えぇ、今そこで嫌味を言われましたけどね」
つい先ほどの出来事を口にすれば
「あのクソ女」
とボソリ国王が呟く。
「口が悪いですよ国王」
ミズキは国王からポロっと出た言葉に苦笑を浮かべる。
「他の方が聞いたら卒倒するぞ」
そんな言葉と共に現れた人物に会場が騒がしくなる。キルズワーヌ王国、国王一家が姿を現したからだ。
国王一家は迷うことなくアスラヌーク王国の国王とミズキの傍に来る。
「ミズキ王子、ミズキ王子に紹介したい子がいるのよ」
キルズワーヌ王国の王妃が小さな子を自分の身体の前に出しながら告げてくる。
「この子は?」
ミズキは小さな子の目線に合うように膝をつく。
「第二王子、ヒナタです。ミズキ王子にお会いするのは初めてですのでご紹介したかったんです」
王妃は第二王子の頭を撫でてミズキに紹介する。
「初めまして、ヒナタ王子。俺の名はミズキです。よろしく」
そっとヒナタ王子の頭を優しく撫でる。ヒナタ王子は躊躇うことなく嬉しそうにミズキに抱き着いた。
「あら」
「おやおや」
国王と王妃はやっぱりこうなるのかと思いながら二人を見つめていた。ミズキは小さく笑みを浮かべその小さな身体を抱きしめた。ヒナタ王子は嬉しそうに擦り寄った。
「ミズキ」
そして、後ろからもう一人の声が聞こえるとヒナタ王子はミズキから離れるともう一人の人物の足に抱き着いた。
「あらあら」
「これはまた…」
国王と王妃はまたやっぱりかと思う。ミズキは立ち上がりヒナタ王子が抱き着いた人物を見る。
足に抱き着いたヒナタを抱き上げるとミズキに向き合い
「久しぶりだな。元気だったか?」
もう一度、声を掛ける。
「えぇ、今日という日に再会できて幸いですよタマキ王子。彼は良く懐いてるんですね」
ミズキは小さな笑みを浮かべながらヒナタ王子を見る。
「国王や王妃がいない間は俺がこの子を見てたからな」
抱き上げたことで首に抱き着いたヒナタ王子の背をあやす様に撫でる。
「そうなんだ」
ミズキがポツリ呟いく。
「髪が紅くなってきた…変化の時か?」
ミズキの前髪をさらりと梳きながら撫でる。その仕草にドキリとミズキの鼓動が高鳴る。
「えっ?嘘だ…まだのはず…」
まだ発情期に入るはずがないとミズキは驚きが隠せなかった。だが現にミズキの髪は紅くなり始めていた。
『これは…タマキ王子の色香に反応して厄介なことが起きるかもしれないな…』
ミズキの様子を見ていたトモキ国王は内心でそんなことを考えていた。
「国王さま、そろそろ皆様に誕生のパーティーの開始を告げてくださいな」
第二王妃がシビレを切らしたのか会話に飛び込んできた。
「今ここにタマキ王子の誕生の祝いパーティーを開始する」
トモキ国王は開始の宣言を口にした。
その言葉を聞ききパーティーが始まり招待されている客たちが騒ぎ出した。
タマキ王子の誕生祝パーティが開催される会場にミズキが姿を現せば少し騒がしくなる。それもそのはずだ。ミズキは王子としての地位を剥奪され国王に幽閉されていたのだ。
それがこの会場に姿を現せば誰もが驚く。ヒソヒソと噂をする者たちもいた。
「本来ならあなたはこの場所に来ることなんて出来なんだから、キルズワーヌ王国の国王に感謝なさい」
「本当だよ」
ミズキの姿を見つけた第二王妃とその息子が嫌味たっぷりに言ってくる。
「そうですね、感謝いないといけないですね」
ミズキはその嫌味を気にしないで自分の父である国王の元へ足を運んだ。
「国王、お招きありがとうございます」
「約束通りちゃんと出てきたんだね」
国王の前に姿を現せばそう言われ
「えぇ、今そこで嫌味を言われましたけどね」
つい先ほどの出来事を口にすれば
「あのクソ女」
とボソリ国王が呟く。
「口が悪いですよ国王」
ミズキは国王からポロっと出た言葉に苦笑を浮かべる。
「他の方が聞いたら卒倒するぞ」
そんな言葉と共に現れた人物に会場が騒がしくなる。キルズワーヌ王国、国王一家が姿を現したからだ。
国王一家は迷うことなくアスラヌーク王国の国王とミズキの傍に来る。
「ミズキ王子、ミズキ王子に紹介したい子がいるのよ」
キルズワーヌ王国の王妃が小さな子を自分の身体の前に出しながら告げてくる。
「この子は?」
ミズキは小さな子の目線に合うように膝をつく。
「第二王子、ヒナタです。ミズキ王子にお会いするのは初めてですのでご紹介したかったんです」
王妃は第二王子の頭を撫でてミズキに紹介する。
「初めまして、ヒナタ王子。俺の名はミズキです。よろしく」
そっとヒナタ王子の頭を優しく撫でる。ヒナタ王子は躊躇うことなく嬉しそうにミズキに抱き着いた。
「あら」
「おやおや」
国王と王妃はやっぱりこうなるのかと思いながら二人を見つめていた。ミズキは小さく笑みを浮かべその小さな身体を抱きしめた。ヒナタ王子は嬉しそうに擦り寄った。
「ミズキ」
そして、後ろからもう一人の声が聞こえるとヒナタ王子はミズキから離れるともう一人の人物の足に抱き着いた。
「あらあら」
「これはまた…」
国王と王妃はまたやっぱりかと思う。ミズキは立ち上がりヒナタ王子が抱き着いた人物を見る。
足に抱き着いたヒナタを抱き上げるとミズキに向き合い
「久しぶりだな。元気だったか?」
もう一度、声を掛ける。
「えぇ、今日という日に再会できて幸いですよタマキ王子。彼は良く懐いてるんですね」
ミズキは小さな笑みを浮かべながらヒナタ王子を見る。
「国王や王妃がいない間は俺がこの子を見てたからな」
抱き上げたことで首に抱き着いたヒナタ王子の背をあやす様に撫でる。
「そうなんだ」
ミズキがポツリ呟いく。
「髪が紅くなってきた…変化の時か?」
ミズキの前髪をさらりと梳きながら撫でる。その仕草にドキリとミズキの鼓動が高鳴る。
「えっ?嘘だ…まだのはず…」
まだ発情期に入るはずがないとミズキは驚きが隠せなかった。だが現にミズキの髪は紅くなり始めていた。
『これは…タマキ王子の色香に反応して厄介なことが起きるかもしれないな…』
ミズキの様子を見ていたトモキ国王は内心でそんなことを考えていた。
「国王さま、そろそろ皆様に誕生のパーティーの開始を告げてくださいな」
第二王妃がシビレを切らしたのか会話に飛び込んできた。
「今ここにタマキ王子の誕生の祝いパーティーを開始する」
トモキ国王は開始の宣言を口にした。
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