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振り返る三十路の乙女は初恋の男を二度見した。
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月曜の朝になったと気が付いたのは、大気にある少しの蒸し暑さのせいだった。
カーテンの隙間から強く刺すような日の帯と外から鳴り響いている蝉の声で、さらに覚醒した。七月の初めの季節はまだ梅雨を完全に開けきっていないような思い切りのなさが空には現れていた。
─あれは夢?
金曜日の出来事が今だに信じられないと振り返りながら、目の前のあきら様のクッションを抱きしめた。やはり数日経っても、自分が腐女子としてバレてしまったということにかなりショックを受けていた。正直、月曜日に会社に行くのが大変に恐ろしい。
あれから悶々としながらも土日をなんとかやり過ごした。
ちょっと買い物もしたり、柳さんに頼まれたことをこなしながら、時間を過ごした。
申し込んだ結婚紹介所からはすでに『申し込みありがとうございます』とご丁寧な確認のメールさえ届いていた。土曜日の配達に間に合ってしまったらしい。
なぜかそのメールが自分を凹ませる。
正直気分は、冴えない。
土曜日には社長からは珍しくメールがきていた。
すでに使わなくなっていたと思っていた海斗という名前のアカウントからだった。
社長は自分が今のポジションになってから、自分とやり取りをしていたアカウントをセキュリティの理由で閉じたと言っていたのに。
これは意外だった。
でも、内容がたったの数行程度。
『昨晩は大変申し訳なかった。箍が外れたみたいだ。これから最善の努力をする』
まるで他人行儀な謝りかたに笑いが溢れた。最善な努力って、何もなかったふりを最善なフリで過ごそうとするものなのだろうかと思った。
─ああ、本当にあの人には振り回せられている。
ただ、それは野球のルールも知らないで、自分を怒らせた海斗を思い出す。
『だから、あれだとファールなの。わかる? 海斗』
『は、はい、あの線を超えてしまうとルールが変わるんですね。わかりました』
『ルールが変わるじゃなくて、それがルールなの!』
『すみません…でした』
『それ、謝るところじゃないから。知らないことについて謝るっておかしいよ』
『そうで…しょうか』
『当たり前でしょ。だから、うちらは学校に行ってるし、子供なんじゃん…』
『あ、当たり前ですか…』
なぜか年下の自分に丁寧な言葉を使う海斗は可愛かった。
だがやはり天才なのか秀才なのかよくわからないが、その後すぐにルールを海斗は理解した。
懐かしい思い出だ。
もうあのような関係は消滅してしまった。無理やり年月が自分たちを大人にしてしまった。恋心というヤマシイ感情を抱えながら、社会の常識という厄介なお荷物を背負う。
自分の年齢がまるでなんらかの記号にしか見えない。
二十七歳なんて、小学生の自分はともかく、中学や高校生だった自分から見たら、ものすごく大人の女性だった。しかも、今のような専属秘書なんて、憧れにもなりそうだった。
二十七歳の社会的にも立派に働いているような女が、まさか彼氏もいたことがなく、唇に触るだけのキスでこんなにも気が動転してしまうようなどと自分も含めて誰が想像が出来ただろうか。
その点、木原社長は完璧だ。
社長のようななんでもある人に恋心を打ち明けることでさえ罪のように見えた。勘違いも甚だしい。
自分の身分をわきまえろと叱りたかった。
気持ちを入れ替えて会社に赴いた。
いつものようにラッシュアワーよりもはるかに早い時間に出社する。人混みに揉まれる満員電車が苦手だからだ。いつもかなり早い出勤なので正面からは入らずに必ず裏の守衛さんが通る通用口を使わせてもらう。
多分定年を過ぎた年である守衛のおじさんがいつものように挨拶の一言をかけた。
「おお、いつもお早いですね。朝からミーティングですか」
と言葉が返ってきた。
「いいえ、違いますけど」と言いながら、軽く会釈を済ます。
なぜ朝からミーティングと言われたのだろうかと考えた。
そんな差し迫った顔をしているのだろうかとちょっと頬をもんだ。
確かに金曜日は人生で失恋して以来の最悪な日だったとため息をついた。
初キスもしてしまった。
いい年してそれを思い出すとドキドキして足元が揺らぎそうだ。
最上階のオフィスにつく。ピーンッとエレベーターのドアが開いた先は、ツンとした朝の静寂さがあった。出社しているものがこの階ではほとんどいない。塵がキラキラと舞っている。遠くで清掃員の朝の掃除機をかける音が廊下に響いた。
カツカツと気を張りながら、靴を鳴らしてガラス張りのドアの開く。すぐに左脇に自分のデスクがある。その奥は木製のシンプルだが高級感溢れる、社長室へと繋がる観音開きのドアがあった。
コンピューターを立ち上げて朝の簡単なメールの点検をする。月曜日には海外のメールが届いている場合が多いからだ。だが、少し違和感を感じた。それはメールにではない。
向かい側の後輩の高槻はあとで出社するはずだ。その証拠に彼のコンピューターはオフになっている。
だが、社長室からごそごそと音がするのだ。
─ど、泥棒?
セキュリテイーが厳しいのでそんなことはありえない。
自分と、高槻、そして社長しかこの部屋を開けられないように指紋と番号でしっかりとこの奥の部屋は管理されているのだ。
こんな早くに…まさか。
恐る恐るドアを叩いた。
なぜなら施錠されていないのが明白だからだ。
「─入れ」
「…っ!」
壁にかかっている時計を見直した。
七時十分をさしている。
社長が出勤までまだ約二時間もあるではないか。それなのに、なぜこんな時間に出社しているのだろうかと困惑した。でも、もしかして、海外で何かあってそれの対処のためかもしれないと思い、気を取り直して「失礼いたします」と入室した。
「…何か海外の支社で問題でもございましたでしょうか? 今コーヒーをお持ち…えっ?」
最初は何か気恥ずかしくて、目をあげられなかった。懸命に週末で生まれた羞恥心と秘書としてのプライドとが戦い、その結果、思い切って目線をあげるととんでもない風景が目の前に入ってきた。
「…ああ、よかった。那月、君はやはりこんな早く出社していたのか?」
「…あ、え、はい。ちょっと、そんな本こんなところで…」
目の前の社長が、なぜかあのあきら様シリーズの漫画を手にしているのだ。
『俺様シリーズ』と呼ばれるもので、七巻まで出ている。
そして、表紙からわかる。彼は今第三巻を手元に持っていた。
社長が漫画を凝視しながら、口元に手を当てながら考え込んでいた。持っているものがこんなエッチなBL漫画でなければ、まるで経済誌を真剣に読んでいるかのような図だ。
「ど、どうしてそんな物を…こんなところで」
「え、だって那月が言ったじゃないか。趣味をわかり会える相手がいいと…。なかなか時間がなくて、この朝の時間なら誰にも邪魔されずに読めるし、那月にも感想が言える…」
「か、感想?」
「趣味を分かち合うなら、感想を聞いてもらおうかと」
「感想なんて…い、いらないです!!」
「そ、そうか?ちょっと楽しみにしていたのに」
しゅんとしている社長がいた。
何かそれに同情してしまう。BLの友を三次元で見つけ出すのはかなり至難の技だ。しかも、社長はイケメンだし、ほぼBLファンの同性の友達を見つけるのは無理に近かった。彼の立場もある。
「…いいですよ。感想くらいは聞きます」
パッと目の前のいい年の男の目が輝いた。
なんでそんなに嬉しそうなの!と思うが、「本当か? ありがとう」とだけ言われた。
焦りながら、コーヒーを淹れに給湯室へと向かう。
戻ってきてやはり社長を見ると、同じように漫画を読み耽っていた。
コーヒーを出しながら、ちょっと聞いてみた。
なぜなら、これらをどう手に入れたのか疑問だったからだ。
「社、社長、これネットで購入されたんですか?」
「あ、これか? 違う。池袋の専門店まで。週末な」
ガーンッと大きな音が頭の中で鳴りひびく。
ま、まずいでしょ。
こんなすごい御曹司がまさか腐女子の聖地に降臨しては、ちょっと半端なくいけないことのように思えた。
「どうしてそこなんですか…」
「色々調べた結果、そこで店員さんに聞いてみてオススメを探したほうが良いかなと思ってな」
「…店員さんと? オススメを?」
「ああ、ちょっと最初は疑いの目を向けられたが、このなんだ、このキャラクターのポスターがあったから、名前を言い当てたら、すごい驚いていた。これのシリーズと他のオススメも一緒に購入した。とても親切だったよ」
いやいや親切でしょうよ。
腐男子は数は少ないものの、存在はしている。
だが、このようなハイスペックの男があそこに入っただけどれだけの女性が慄いたか、双方に同情した。
「ごめん。那月、これ集中したいんだ」
「え?」
「悪い。この全シリーズをもう一回読み直すから…大丈夫だ。高槻がくる前には全て見えないところにしまうから」
「わ、わかりました。失礼します。あとで、今週のご予定を持って参ります」
下がりながら、何か大変なことになってしまったと足になぜか力は入らなくなっていた。ドアを閉めるまえにまた漫画を読み耽る社長を見返した。
木原社長がbl好きになったの?
やはり彼はゲイなの?
気を静めようとパソコンを見つめるが何も頭に入らない。
仕方がないので、携帯を取り出した。朝できなかった自分へのメールの返信をし出した。中にはあの結婚相談所からの日時の確認のメールがあった。
それに短く返信をする。
『大丈夫です。お伺いします』
社長の奇行や戯れに心を揺さぶられてはならない。
返信し終わった携帯が何故か少し重く感じた。そして、訳もわからずに退社時間が待ち遠しくなった。
暑い夏はまだ始まったばかりだった。
カーテンの隙間から強く刺すような日の帯と外から鳴り響いている蝉の声で、さらに覚醒した。七月の初めの季節はまだ梅雨を完全に開けきっていないような思い切りのなさが空には現れていた。
─あれは夢?
金曜日の出来事が今だに信じられないと振り返りながら、目の前のあきら様のクッションを抱きしめた。やはり数日経っても、自分が腐女子としてバレてしまったということにかなりショックを受けていた。正直、月曜日に会社に行くのが大変に恐ろしい。
あれから悶々としながらも土日をなんとかやり過ごした。
ちょっと買い物もしたり、柳さんに頼まれたことをこなしながら、時間を過ごした。
申し込んだ結婚紹介所からはすでに『申し込みありがとうございます』とご丁寧な確認のメールさえ届いていた。土曜日の配達に間に合ってしまったらしい。
なぜかそのメールが自分を凹ませる。
正直気分は、冴えない。
土曜日には社長からは珍しくメールがきていた。
すでに使わなくなっていたと思っていた海斗という名前のアカウントからだった。
社長は自分が今のポジションになってから、自分とやり取りをしていたアカウントをセキュリティの理由で閉じたと言っていたのに。
これは意外だった。
でも、内容がたったの数行程度。
『昨晩は大変申し訳なかった。箍が外れたみたいだ。これから最善の努力をする』
まるで他人行儀な謝りかたに笑いが溢れた。最善な努力って、何もなかったふりを最善なフリで過ごそうとするものなのだろうかと思った。
─ああ、本当にあの人には振り回せられている。
ただ、それは野球のルールも知らないで、自分を怒らせた海斗を思い出す。
『だから、あれだとファールなの。わかる? 海斗』
『は、はい、あの線を超えてしまうとルールが変わるんですね。わかりました』
『ルールが変わるじゃなくて、それがルールなの!』
『すみません…でした』
『それ、謝るところじゃないから。知らないことについて謝るっておかしいよ』
『そうで…しょうか』
『当たり前でしょ。だから、うちらは学校に行ってるし、子供なんじゃん…』
『あ、当たり前ですか…』
なぜか年下の自分に丁寧な言葉を使う海斗は可愛かった。
だがやはり天才なのか秀才なのかよくわからないが、その後すぐにルールを海斗は理解した。
懐かしい思い出だ。
もうあのような関係は消滅してしまった。無理やり年月が自分たちを大人にしてしまった。恋心というヤマシイ感情を抱えながら、社会の常識という厄介なお荷物を背負う。
自分の年齢がまるでなんらかの記号にしか見えない。
二十七歳なんて、小学生の自分はともかく、中学や高校生だった自分から見たら、ものすごく大人の女性だった。しかも、今のような専属秘書なんて、憧れにもなりそうだった。
二十七歳の社会的にも立派に働いているような女が、まさか彼氏もいたことがなく、唇に触るだけのキスでこんなにも気が動転してしまうようなどと自分も含めて誰が想像が出来ただろうか。
その点、木原社長は完璧だ。
社長のようななんでもある人に恋心を打ち明けることでさえ罪のように見えた。勘違いも甚だしい。
自分の身分をわきまえろと叱りたかった。
気持ちを入れ替えて会社に赴いた。
いつものようにラッシュアワーよりもはるかに早い時間に出社する。人混みに揉まれる満員電車が苦手だからだ。いつもかなり早い出勤なので正面からは入らずに必ず裏の守衛さんが通る通用口を使わせてもらう。
多分定年を過ぎた年である守衛のおじさんがいつものように挨拶の一言をかけた。
「おお、いつもお早いですね。朝からミーティングですか」
と言葉が返ってきた。
「いいえ、違いますけど」と言いながら、軽く会釈を済ます。
なぜ朝からミーティングと言われたのだろうかと考えた。
そんな差し迫った顔をしているのだろうかとちょっと頬をもんだ。
確かに金曜日は人生で失恋して以来の最悪な日だったとため息をついた。
初キスもしてしまった。
いい年してそれを思い出すとドキドキして足元が揺らぎそうだ。
最上階のオフィスにつく。ピーンッとエレベーターのドアが開いた先は、ツンとした朝の静寂さがあった。出社しているものがこの階ではほとんどいない。塵がキラキラと舞っている。遠くで清掃員の朝の掃除機をかける音が廊下に響いた。
カツカツと気を張りながら、靴を鳴らしてガラス張りのドアの開く。すぐに左脇に自分のデスクがある。その奥は木製のシンプルだが高級感溢れる、社長室へと繋がる観音開きのドアがあった。
コンピューターを立ち上げて朝の簡単なメールの点検をする。月曜日には海外のメールが届いている場合が多いからだ。だが、少し違和感を感じた。それはメールにではない。
向かい側の後輩の高槻はあとで出社するはずだ。その証拠に彼のコンピューターはオフになっている。
だが、社長室からごそごそと音がするのだ。
─ど、泥棒?
セキュリテイーが厳しいのでそんなことはありえない。
自分と、高槻、そして社長しかこの部屋を開けられないように指紋と番号でしっかりとこの奥の部屋は管理されているのだ。
こんな早くに…まさか。
恐る恐るドアを叩いた。
なぜなら施錠されていないのが明白だからだ。
「─入れ」
「…っ!」
壁にかかっている時計を見直した。
七時十分をさしている。
社長が出勤までまだ約二時間もあるではないか。それなのに、なぜこんな時間に出社しているのだろうかと困惑した。でも、もしかして、海外で何かあってそれの対処のためかもしれないと思い、気を取り直して「失礼いたします」と入室した。
「…何か海外の支社で問題でもございましたでしょうか? 今コーヒーをお持ち…えっ?」
最初は何か気恥ずかしくて、目をあげられなかった。懸命に週末で生まれた羞恥心と秘書としてのプライドとが戦い、その結果、思い切って目線をあげるととんでもない風景が目の前に入ってきた。
「…ああ、よかった。那月、君はやはりこんな早く出社していたのか?」
「…あ、え、はい。ちょっと、そんな本こんなところで…」
目の前の社長が、なぜかあのあきら様シリーズの漫画を手にしているのだ。
『俺様シリーズ』と呼ばれるもので、七巻まで出ている。
そして、表紙からわかる。彼は今第三巻を手元に持っていた。
社長が漫画を凝視しながら、口元に手を当てながら考え込んでいた。持っているものがこんなエッチなBL漫画でなければ、まるで経済誌を真剣に読んでいるかのような図だ。
「ど、どうしてそんな物を…こんなところで」
「え、だって那月が言ったじゃないか。趣味をわかり会える相手がいいと…。なかなか時間がなくて、この朝の時間なら誰にも邪魔されずに読めるし、那月にも感想が言える…」
「か、感想?」
「趣味を分かち合うなら、感想を聞いてもらおうかと」
「感想なんて…い、いらないです!!」
「そ、そうか?ちょっと楽しみにしていたのに」
しゅんとしている社長がいた。
何かそれに同情してしまう。BLの友を三次元で見つけ出すのはかなり至難の技だ。しかも、社長はイケメンだし、ほぼBLファンの同性の友達を見つけるのは無理に近かった。彼の立場もある。
「…いいですよ。感想くらいは聞きます」
パッと目の前のいい年の男の目が輝いた。
なんでそんなに嬉しそうなの!と思うが、「本当か? ありがとう」とだけ言われた。
焦りながら、コーヒーを淹れに給湯室へと向かう。
戻ってきてやはり社長を見ると、同じように漫画を読み耽っていた。
コーヒーを出しながら、ちょっと聞いてみた。
なぜなら、これらをどう手に入れたのか疑問だったからだ。
「社、社長、これネットで購入されたんですか?」
「あ、これか? 違う。池袋の専門店まで。週末な」
ガーンッと大きな音が頭の中で鳴りひびく。
ま、まずいでしょ。
こんなすごい御曹司がまさか腐女子の聖地に降臨しては、ちょっと半端なくいけないことのように思えた。
「どうしてそこなんですか…」
「色々調べた結果、そこで店員さんに聞いてみてオススメを探したほうが良いかなと思ってな」
「…店員さんと? オススメを?」
「ああ、ちょっと最初は疑いの目を向けられたが、このなんだ、このキャラクターのポスターがあったから、名前を言い当てたら、すごい驚いていた。これのシリーズと他のオススメも一緒に購入した。とても親切だったよ」
いやいや親切でしょうよ。
腐男子は数は少ないものの、存在はしている。
だが、このようなハイスペックの男があそこに入っただけどれだけの女性が慄いたか、双方に同情した。
「ごめん。那月、これ集中したいんだ」
「え?」
「悪い。この全シリーズをもう一回読み直すから…大丈夫だ。高槻がくる前には全て見えないところにしまうから」
「わ、わかりました。失礼します。あとで、今週のご予定を持って参ります」
下がりながら、何か大変なことになってしまったと足になぜか力は入らなくなっていた。ドアを閉めるまえにまた漫画を読み耽る社長を見返した。
木原社長がbl好きになったの?
やはり彼はゲイなの?
気を静めようとパソコンを見つめるが何も頭に入らない。
仕方がないので、携帯を取り出した。朝できなかった自分へのメールの返信をし出した。中にはあの結婚相談所からの日時の確認のメールがあった。
それに短く返信をする。
『大丈夫です。お伺いします』
社長の奇行や戯れに心を揺さぶられてはならない。
返信し終わった携帯が何故か少し重く感じた。そして、訳もわからずに退社時間が待ち遠しくなった。
暑い夏はまだ始まったばかりだった。
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