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領地に到着
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馬車内でエルは熟睡していた。先ほどの攻撃で興奮状態だったので、また公爵が目の力を行使した。
「おやすみ、エメラルド。もっと休め」
反論も言わせずにエルは眠りに落ちていった。
そのあと、マティアスと交替し、彼を車内で休ませる。
「大丈夫ですか? ギデオン公爵様、あ、もう名前解禁でいいですよね」
エルに会う前に用心の為に、名前を伏せさせていた。
「ああ、大丈夫だ。あと、もうお前は休め。心臓に悪いからな……」
「でも、あれって、前にギデオン様が言っていたヤツですか?」
マティアスが例の黒い闇人と呼ばれていたものについて話しているのだと公爵は思った。
「多分、そうだ。そして、俺らがこれからまた戦っていく相手なんだ」
「そう考えると、この薄汚いどら猫使えますね。あいつらの姿を見なくても、正確な人数とかわかるなんてすごい能力だ」
「……そうだな。果たしてそれを本人がすごいと思うかわからないが、これでお前も彼女が今回の役に適役とわかっただろう」
二人はそこで交代し、ギデオンが手綱を引きながらようやく公爵家の領地に入った。
凸凹道がようやく終わり、平らな、かなり状態のいい道を馬車は進んでいった。
門を通り抜け、長いまっすぐな舗装されている道を行くと、真っ暗な中に、我が主人を迎えるかのように松明の火が周りを囲み、ギデオン・ボイド・マクレーン公爵のマスターハウスが堂々と存在感を露わにした。
馬車の音を聞いて、慌てて従者やメイド、執事のリトが館から出てきた。
彼らは馬車の悲惨な状況と御者が負傷している様子に唖然としながらも、自分達ができることをしようと動き始めた。
まずは体が大きい従者が、マティアスの代わりに御者を公爵の研究室に運び込んだ。
研究室は別棟にあった。すぐに部屋に入ったマティアスは治療の準備を始めていた。研究室は色々な計器や入れ物、実験器具、本や何かのハーブなどがいたるところに置かれていた。エルをドア近くのソファに置く。
マティアスが機材を運び込み、用意をする。
「……マティアス、もうこれでいい」
ちょうど夜遅いの帰宅であって腹もすいていたのだが、今晩はまだ仕事が残っていた。
老齢だが、背筋がいつもピシっと立っている執事リトに話しかける。
「リト、悪いな。私は研究室で食べる。あとで軽めな食事となにか飲み物を頼む。この者が起きると何をしでかすか分からんからな……」
リトは、御者のことを言っているのかと思い、よく理解した表情を見せた。
ふっとギデオンは微笑みながら、エルを見る。
問題はこっちの方なのだが。
心配している明るい茶色の髪の毛のマティアスが声をあげた。
「ギデオン様、大丈夫ですか? 私が一緒に見張りましょうか。それとも、交代で……」
「マティアス。お前をまた蘇生したくないぞ。今日はお前は安静にして寝ろ。エメラルドはしばらく起きないはずだ。でも、一応のことがある。俺が一緒にいるのがやはり一番良いかもしれない」
マティアスは礼を言って下がっていった。ソファの上で寝ているエルを見下ろす。
彼女の無造作に結んでいた灰色の薄汚れた髪がソファから少し垂れ下がっていた。
今やっと研究室は静寂に包まれた。
エルは近くのソファで寝息を立てており、御者は意識はないにしろ、診察台に横になっていた。全ての従者がいなくなったので、いつもの研究室が戻ってきた。
さあ、食事がここに来る前に一仕事しなければと公爵は思う。
ポコポコとお湯が沸いているような音と、ところどころスチームが沸き立つ音がする。機械仕掛けようなカチカチという音も静かさと共によく聞こえてくる。
公爵は立ち上がり、窓側の棚から瓶を取り出した。
中に入っていた何か緑色のペースト状のものをおもむろに人差し指ですくい、御者のあの闇人に噛まれた場所に直接塗りこんだ。
それから、今度は手袋をはめ、次にガラス製の長方形の何かの飼育機から、小さな子供の人差し指程度の大きさの黒いヌメヌメ小さな物体を取り出した。それは何かの生き物だった。動きが全く鈍かった生き物も、公爵がそれを緑色のペーストが塗られたところに置くと、見る見るうちに活動的になってきて、己の体が膨れ上がってきた。なにかを食べているようだった。
ある程度その様子を見ていた公爵だったが、その生き物が大人の指程度に膨らんだ時点で、ぴっと肌からその生き物を外し、近くのガラス容器に手際よくいれ、蓋を入念に閉めた。
「うん、いい感じだ。悪くない」
傷口をたしかめながら、公爵が呟く。
そして、またおもむろに他のデスクまで行き、机の引き出しをポケットから出した鍵で開けて、小さな袋を取り出した。そのなかには小さな種が入っていた。
御者の先ほどの傷口にその小さな種を埋めこんだ。そして、また側から菱形の変わった形のスタンドランプを持ってきて、その傷口に当たるようにした。
「ふー、まあこれで様子見だ」
ちろっとエルを見た。あのまだボロボロの囚人をきていた。自分が破ってしまったため、裾を上手く何箇所か結びつけて、前が見えないようしているが、それでもその間から女性らしい曲線が見えていた。
しばらくして執事リトが食事を運んできた。だが、入って食事の盆を置きながら溜息をついていた。
「なんだ。リト……。お前がそんなため息をつくとは……」
「……申し訳ございません。ただ言わせていただきますと、こうやって女性を抱いて入られるのが、研究室。しかもそれがその奥方様になられる方ではなくて、このような泥にまみれた……」
「リト……」
ギデオンの苛立ちがそれだけで執事リトに伝わったらしい。
「大変申し訳ございません。差し出がましい事を言いました」
「……いや、お前の言っていることは正しい。この泥つきのままでソファに乗せるのは良くないな……。メイドに温かい湯を入れる容器とタオル、そして何か綺麗な寝衣を持ってくるように言ってくれ……」
「ギデオン様、そんなこと下々が致します」
「今日、うっかり手を出した俺の従者がこいつに殺されかけた。一応、連れて来た責任で俺がやる。他の者はいらない」
わずかだが主人の秘めた炎をその目に見たように執事リトは錯覚した。
ギデオンは軽めの夕食を手早く済ませると、今度はメイド達からお湯を入れる容器やら、タオル、着替えを持って来させた。メイド達は温かいお湯が入っているポットを置いて退出した。質問さえメイド達はしなかった。
ちょうどいいお湯加減のお湯がギデオンによって容器に注がられる。タオルを浸し、ゆっくりとそれを絞った。
「エル、悪いな、脱がせるぞ」
そう言いながら、結び目を解いていく。それさえ解けてしまえば、あとは簡単だ。ゆっくりとタオルを肌に寄せる。温かいお湯を含んだタオルが元々あるキメの細かい白い肌を露わにしてゆく。そして、本来ある輝きをそのタオルの一拭き一拭きが教えてくれた。汚れたタオルをまた洗面器で洗い、その滑らかな女性らしい曲線に合わせて下に落ちていく。
エルは全ての着ているのも脱がされた後、生まれたままの状態で元のソファに寝かされた。
髪の毛でさえも多少綺麗にと、拭いてみたが、これ以上は出来ないと諦めて、ある程度、綺麗になったエルを寝衣に着替えさせ、今度は研究室の真隣りの仮眠室に寝かせた。そして、自分は今晩の湯浴みは諦めて、肩苦しい上着を脱ぎ捨てて、シンプルな白地のシャツにゆったりとしたトラウザーズに着替えた。そして、ソファーで寝始めた。
しかし、三刻を過ぎた時点でエルの様子がおかしかった。
「や、もう、いや、お願い!!」
眠りながら、声を発している。
隣続きの研究室のソファで寝ていたギデオンが、急いでやってきた。
「エメラルド、大丈夫か?」
悪夢にうなされているエルの肩を揺する。
すると、いきなり腕がギデオンの肩に回された。
「……い、行かないで」
エルが誰かと勘違いして抱きつかれたとギデオンは察知する。
「エメラルド……起きろ、勘違いしてるぞ」
「キリウス……お、お願い」
その名前に聞き覚えがあるように、ギデオンがぴくっと身体を反応させた。
「……」
ギデオンは仕方がなく、そのままエルが落ち着くまで、そのベッドの横でエルを抱きしめながら、溜息を漏らした。
「おやすみ、エメラルド。もっと休め」
反論も言わせずにエルは眠りに落ちていった。
そのあと、マティアスと交替し、彼を車内で休ませる。
「大丈夫ですか? ギデオン公爵様、あ、もう名前解禁でいいですよね」
エルに会う前に用心の為に、名前を伏せさせていた。
「ああ、大丈夫だ。あと、もうお前は休め。心臓に悪いからな……」
「でも、あれって、前にギデオン様が言っていたヤツですか?」
マティアスが例の黒い闇人と呼ばれていたものについて話しているのだと公爵は思った。
「多分、そうだ。そして、俺らがこれからまた戦っていく相手なんだ」
「そう考えると、この薄汚いどら猫使えますね。あいつらの姿を見なくても、正確な人数とかわかるなんてすごい能力だ」
「……そうだな。果たしてそれを本人がすごいと思うかわからないが、これでお前も彼女が今回の役に適役とわかっただろう」
二人はそこで交代し、ギデオンが手綱を引きながらようやく公爵家の領地に入った。
凸凹道がようやく終わり、平らな、かなり状態のいい道を馬車は進んでいった。
門を通り抜け、長いまっすぐな舗装されている道を行くと、真っ暗な中に、我が主人を迎えるかのように松明の火が周りを囲み、ギデオン・ボイド・マクレーン公爵のマスターハウスが堂々と存在感を露わにした。
馬車の音を聞いて、慌てて従者やメイド、執事のリトが館から出てきた。
彼らは馬車の悲惨な状況と御者が負傷している様子に唖然としながらも、自分達ができることをしようと動き始めた。
まずは体が大きい従者が、マティアスの代わりに御者を公爵の研究室に運び込んだ。
研究室は別棟にあった。すぐに部屋に入ったマティアスは治療の準備を始めていた。研究室は色々な計器や入れ物、実験器具、本や何かのハーブなどがいたるところに置かれていた。エルをドア近くのソファに置く。
マティアスが機材を運び込み、用意をする。
「……マティアス、もうこれでいい」
ちょうど夜遅いの帰宅であって腹もすいていたのだが、今晩はまだ仕事が残っていた。
老齢だが、背筋がいつもピシっと立っている執事リトに話しかける。
「リト、悪いな。私は研究室で食べる。あとで軽めな食事となにか飲み物を頼む。この者が起きると何をしでかすか分からんからな……」
リトは、御者のことを言っているのかと思い、よく理解した表情を見せた。
ふっとギデオンは微笑みながら、エルを見る。
問題はこっちの方なのだが。
心配している明るい茶色の髪の毛のマティアスが声をあげた。
「ギデオン様、大丈夫ですか? 私が一緒に見張りましょうか。それとも、交代で……」
「マティアス。お前をまた蘇生したくないぞ。今日はお前は安静にして寝ろ。エメラルドはしばらく起きないはずだ。でも、一応のことがある。俺が一緒にいるのがやはり一番良いかもしれない」
マティアスは礼を言って下がっていった。ソファの上で寝ているエルを見下ろす。
彼女の無造作に結んでいた灰色の薄汚れた髪がソファから少し垂れ下がっていた。
今やっと研究室は静寂に包まれた。
エルは近くのソファで寝息を立てており、御者は意識はないにしろ、診察台に横になっていた。全ての従者がいなくなったので、いつもの研究室が戻ってきた。
さあ、食事がここに来る前に一仕事しなければと公爵は思う。
ポコポコとお湯が沸いているような音と、ところどころスチームが沸き立つ音がする。機械仕掛けようなカチカチという音も静かさと共によく聞こえてくる。
公爵は立ち上がり、窓側の棚から瓶を取り出した。
中に入っていた何か緑色のペースト状のものをおもむろに人差し指ですくい、御者のあの闇人に噛まれた場所に直接塗りこんだ。
それから、今度は手袋をはめ、次にガラス製の長方形の何かの飼育機から、小さな子供の人差し指程度の大きさの黒いヌメヌメ小さな物体を取り出した。それは何かの生き物だった。動きが全く鈍かった生き物も、公爵がそれを緑色のペーストが塗られたところに置くと、見る見るうちに活動的になってきて、己の体が膨れ上がってきた。なにかを食べているようだった。
ある程度その様子を見ていた公爵だったが、その生き物が大人の指程度に膨らんだ時点で、ぴっと肌からその生き物を外し、近くのガラス容器に手際よくいれ、蓋を入念に閉めた。
「うん、いい感じだ。悪くない」
傷口をたしかめながら、公爵が呟く。
そして、またおもむろに他のデスクまで行き、机の引き出しをポケットから出した鍵で開けて、小さな袋を取り出した。そのなかには小さな種が入っていた。
御者の先ほどの傷口にその小さな種を埋めこんだ。そして、また側から菱形の変わった形のスタンドランプを持ってきて、その傷口に当たるようにした。
「ふー、まあこれで様子見だ」
ちろっとエルを見た。あのまだボロボロの囚人をきていた。自分が破ってしまったため、裾を上手く何箇所か結びつけて、前が見えないようしているが、それでもその間から女性らしい曲線が見えていた。
しばらくして執事リトが食事を運んできた。だが、入って食事の盆を置きながら溜息をついていた。
「なんだ。リト……。お前がそんなため息をつくとは……」
「……申し訳ございません。ただ言わせていただきますと、こうやって女性を抱いて入られるのが、研究室。しかもそれがその奥方様になられる方ではなくて、このような泥にまみれた……」
「リト……」
ギデオンの苛立ちがそれだけで執事リトに伝わったらしい。
「大変申し訳ございません。差し出がましい事を言いました」
「……いや、お前の言っていることは正しい。この泥つきのままでソファに乗せるのは良くないな……。メイドに温かい湯を入れる容器とタオル、そして何か綺麗な寝衣を持ってくるように言ってくれ……」
「ギデオン様、そんなこと下々が致します」
「今日、うっかり手を出した俺の従者がこいつに殺されかけた。一応、連れて来た責任で俺がやる。他の者はいらない」
わずかだが主人の秘めた炎をその目に見たように執事リトは錯覚した。
ギデオンは軽めの夕食を手早く済ませると、今度はメイド達からお湯を入れる容器やら、タオル、着替えを持って来させた。メイド達は温かいお湯が入っているポットを置いて退出した。質問さえメイド達はしなかった。
ちょうどいいお湯加減のお湯がギデオンによって容器に注がられる。タオルを浸し、ゆっくりとそれを絞った。
「エル、悪いな、脱がせるぞ」
そう言いながら、結び目を解いていく。それさえ解けてしまえば、あとは簡単だ。ゆっくりとタオルを肌に寄せる。温かいお湯を含んだタオルが元々あるキメの細かい白い肌を露わにしてゆく。そして、本来ある輝きをそのタオルの一拭き一拭きが教えてくれた。汚れたタオルをまた洗面器で洗い、その滑らかな女性らしい曲線に合わせて下に落ちていく。
エルは全ての着ているのも脱がされた後、生まれたままの状態で元のソファに寝かされた。
髪の毛でさえも多少綺麗にと、拭いてみたが、これ以上は出来ないと諦めて、ある程度、綺麗になったエルを寝衣に着替えさせ、今度は研究室の真隣りの仮眠室に寝かせた。そして、自分は今晩の湯浴みは諦めて、肩苦しい上着を脱ぎ捨てて、シンプルな白地のシャツにゆったりとしたトラウザーズに着替えた。そして、ソファーで寝始めた。
しかし、三刻を過ぎた時点でエルの様子がおかしかった。
「や、もう、いや、お願い!!」
眠りながら、声を発している。
隣続きの研究室のソファで寝ていたギデオンが、急いでやってきた。
「エメラルド、大丈夫か?」
悪夢にうなされているエルの肩を揺する。
すると、いきなり腕がギデオンの肩に回された。
「……い、行かないで」
エルが誰かと勘違いして抱きつかれたとギデオンは察知する。
「エメラルド……起きろ、勘違いしてるぞ」
「キリウス……お、お願い」
その名前に聞き覚えがあるように、ギデオンがぴくっと身体を反応させた。
「……」
ギデオンは仕方がなく、そのままエルが落ち着くまで、そのベッドの横でエルを抱きしめながら、溜息を漏らした。
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