24 / 46
魔女との契約
しおりを挟む
「カイル殿下……」
「イーサンの秘密を教えよう……」
カイル殿下が話す内容は衝撃だった。
「魔女と契約ですか?」
「なぜ、あいつが大陸一の魔法師になれたのか、わかるか?」
「生まれつきなのかと……」
「はたして、そうか? ガイザー。君は幼い日の思い出があるはずだ。あいつにそんな、ものすごい魔力があったか?」
今度はガイザーが愕然とする番だ。
確かに、昔のイーサンは、剣術、魔術の素養はあった。だが、今ほどになるとは、友人としては全く予想外だったのだ。
そして、真面目だったと思ったいたイーサンの変貌……。
ディアナの社交界デビューの時、幼馴染のディアナを無視して、どこかに行ってしまう態度……。
また彼の女性関係の悪さを数年前から入隊した騎士団で知ったのだ。
イーサンは前とは違った?
剣も互角だったし……。
優しくて生真面目だった。
魔法は?
あれ、おれは、奴が魔法を使ったこと、見たことがあるか?
いや、多少はあったはずだ。
でも、あれっとか、おーーっとか感動した覚えがまったくないのだ。
みんなで森の中で戯れた日々。
普通の子供として、ただ落ち葉などで遊んでいた。
やはり、そこには、魔法を使えるイーサンの思い出はなかった。
カイル殿下はこの世界には魔女と言われる魔法使いと、魔法師と呼ばれる二種類の者がいることをまず、ガイザーに説明した。
魔力を持ち合わせないものには、寝耳に水の話だった。
そして、違いをも話す。
魔法師は人間だが、魔法使いは、人間らしき者だと……。
ただ魔法使いの全容はこの国ではよくわかっていなかった。
さらに、カイルは説明する。
あの英雄戦争と呼ばれるものは、本当は戦争ではない。
英雄とは、ほど遠いものだったと……。
ただ、恐怖に怯える国の民を鎮めさせるために、古代の英雄がイーサンに力を与えて、我が国が悪しきものから我が国を救ったということになっていた。
始まりは未だ不明だが、何かのきっかけで、我々の領土と隣国の間で、冥界のドアが開いてしまったのだ。
両国間に緊張が走った。
これはすぐに国の存亡に関わると……。
無数のわけわからない死霊やら化け物が漂い、それぞれの国境付近を襲った。
最初それがお互いの国が攻めてきたと勘違いしたのだ。
ただ世界が闇の力に乗っ取られそうだった。
とてもじゃないが、騎士団を総結しても無理だった。
だが、隣国も諦めかけ、我が国の滅亡をも予見するほど、戦況は危ぶまれた。
が、その時に、気まぐれな魔法使いが現れたと……。
「これは千載一遇のチャンスと思い、魔女に助けを求めたんだ……」
カイルは目を伏せがちに説明する。
「見た目も戦闘にも優れたイーサンに目をつけたんだ」
アレは私にこう言ったんだっとカイルは思い出す。
「わかった……。あの冥界からの野郎ども、やっつけて助けてやるよ。代償として……もし私の挑戦をのむのなら……」
あの男を一人で来させろと、騎士団の先頭で闘っていたイーサンを指名したのだ。
そうしたら、この悪の使いも全て滅ぼしてやろうと。
カイル自身も抵抗し、なぜ自分ではダメなのかと魔女に問う。
本来なら、全て自分が負う責任だった。
魔女はなぜかイーサンに固執したと、カイルはなぜか悲しそうに話した。
自分の国と一人の兵士の運命を天秤にかけたのは自分だった。
イーサンに私は言ったのだ。
「あの渦の中心に魔法使いの女がいる。どうやら力を貸してくれるみたいだが、交渉人として、お前を指名してきた」
「え? 私をですか?」
無言でカイルは頷いた。
まんまと魔法使いの女とわたしに騙されて一人でイーサンが魔女と対峙した。
よく来たねっと言いながら、魔女はこうイーサンに訪ねた。
「ああ、わたしは愛など信じられない! 人間は欲の塊だ。私は愛と欲がどちらが勝つか知りたい。お前に選択をやる。お前が淫魔に取りつかれるか、それかこの世界で一番大切とお前が想う人が淫魔に取り憑かれるかどちらがいい?」
純粋なディアナを一途に想うイーサンは速攻で答えた。
「わたしだ、彼女に指一本でも触れさせん……!」
魔女がニヤリと微笑んだ。そして、その指先から光と文字が現れて、契約の呪文が鳴り響く中、ただ一言の魔女の言葉が、彼を引き裂く。
「楔はいまここに打たれた! ああ、淫魔に取り憑かれたような男は、まあ絶対に好きな女とは一緒にはなれないぞ……。それだけでは、覚えておけ。その欲望で、その女を殺すまで抱き続けるぞ」
その言葉を聞いたイーサンは、煮えたぎるディアナの想いで爆発してしまう。
「ああ、嘘だ! そんなのは!!」
その時、地平線に閃光が走った。
「イーサンの秘密を教えよう……」
カイル殿下が話す内容は衝撃だった。
「魔女と契約ですか?」
「なぜ、あいつが大陸一の魔法師になれたのか、わかるか?」
「生まれつきなのかと……」
「はたして、そうか? ガイザー。君は幼い日の思い出があるはずだ。あいつにそんな、ものすごい魔力があったか?」
今度はガイザーが愕然とする番だ。
確かに、昔のイーサンは、剣術、魔術の素養はあった。だが、今ほどになるとは、友人としては全く予想外だったのだ。
そして、真面目だったと思ったいたイーサンの変貌……。
ディアナの社交界デビューの時、幼馴染のディアナを無視して、どこかに行ってしまう態度……。
また彼の女性関係の悪さを数年前から入隊した騎士団で知ったのだ。
イーサンは前とは違った?
剣も互角だったし……。
優しくて生真面目だった。
魔法は?
あれ、おれは、奴が魔法を使ったこと、見たことがあるか?
いや、多少はあったはずだ。
でも、あれっとか、おーーっとか感動した覚えがまったくないのだ。
みんなで森の中で戯れた日々。
普通の子供として、ただ落ち葉などで遊んでいた。
やはり、そこには、魔法を使えるイーサンの思い出はなかった。
カイル殿下はこの世界には魔女と言われる魔法使いと、魔法師と呼ばれる二種類の者がいることをまず、ガイザーに説明した。
魔力を持ち合わせないものには、寝耳に水の話だった。
そして、違いをも話す。
魔法師は人間だが、魔法使いは、人間らしき者だと……。
ただ魔法使いの全容はこの国ではよくわかっていなかった。
さらに、カイルは説明する。
あの英雄戦争と呼ばれるものは、本当は戦争ではない。
英雄とは、ほど遠いものだったと……。
ただ、恐怖に怯える国の民を鎮めさせるために、古代の英雄がイーサンに力を与えて、我が国が悪しきものから我が国を救ったということになっていた。
始まりは未だ不明だが、何かのきっかけで、我々の領土と隣国の間で、冥界のドアが開いてしまったのだ。
両国間に緊張が走った。
これはすぐに国の存亡に関わると……。
無数のわけわからない死霊やら化け物が漂い、それぞれの国境付近を襲った。
最初それがお互いの国が攻めてきたと勘違いしたのだ。
ただ世界が闇の力に乗っ取られそうだった。
とてもじゃないが、騎士団を総結しても無理だった。
だが、隣国も諦めかけ、我が国の滅亡をも予見するほど、戦況は危ぶまれた。
が、その時に、気まぐれな魔法使いが現れたと……。
「これは千載一遇のチャンスと思い、魔女に助けを求めたんだ……」
カイルは目を伏せがちに説明する。
「見た目も戦闘にも優れたイーサンに目をつけたんだ」
アレは私にこう言ったんだっとカイルは思い出す。
「わかった……。あの冥界からの野郎ども、やっつけて助けてやるよ。代償として……もし私の挑戦をのむのなら……」
あの男を一人で来させろと、騎士団の先頭で闘っていたイーサンを指名したのだ。
そうしたら、この悪の使いも全て滅ぼしてやろうと。
カイル自身も抵抗し、なぜ自分ではダメなのかと魔女に問う。
本来なら、全て自分が負う責任だった。
魔女はなぜかイーサンに固執したと、カイルはなぜか悲しそうに話した。
自分の国と一人の兵士の運命を天秤にかけたのは自分だった。
イーサンに私は言ったのだ。
「あの渦の中心に魔法使いの女がいる。どうやら力を貸してくれるみたいだが、交渉人として、お前を指名してきた」
「え? 私をですか?」
無言でカイルは頷いた。
まんまと魔法使いの女とわたしに騙されて一人でイーサンが魔女と対峙した。
よく来たねっと言いながら、魔女はこうイーサンに訪ねた。
「ああ、わたしは愛など信じられない! 人間は欲の塊だ。私は愛と欲がどちらが勝つか知りたい。お前に選択をやる。お前が淫魔に取りつかれるか、それかこの世界で一番大切とお前が想う人が淫魔に取り憑かれるかどちらがいい?」
純粋なディアナを一途に想うイーサンは速攻で答えた。
「わたしだ、彼女に指一本でも触れさせん……!」
魔女がニヤリと微笑んだ。そして、その指先から光と文字が現れて、契約の呪文が鳴り響く中、ただ一言の魔女の言葉が、彼を引き裂く。
「楔はいまここに打たれた! ああ、淫魔に取り憑かれたような男は、まあ絶対に好きな女とは一緒にはなれないぞ……。それだけでは、覚えておけ。その欲望で、その女を殺すまで抱き続けるぞ」
その言葉を聞いたイーサンは、煮えたぎるディアナの想いで爆発してしまう。
「ああ、嘘だ! そんなのは!!」
その時、地平線に閃光が走った。
0
お気に入りに追加
3,442
あなたにおすすめの小説
【R18】利害一致のお飾り婚だったので初夜をすっぽかしたら大変なことになった
春瀬湖子
恋愛
絵に描いたような美形一家の三女として生まれたリネアだったが、残念ながらちょっと地味。
本人としては何も気にしていないものの、美しすぎる姉弟が目立ちすぎていたせいで地味なリネアにも結婚の申込みが殺到……したと思いきや会えばお断りの嵐。
「もう誰でもいいから貰ってよぉ~!!」
なんてやさぐれていたある日、彼女のもとへ届いたのは幼い頃少しだけ遊んだことのあるロベルトからの結婚申込み!?
本当の私を知っているのに申込むならお飾りの政略結婚だわ! なんて思い込み初夜をすっぽかしたヒロインと、初恋をやっと実らせたつもりでいたのにすっぽかされたヒーローの溺愛がはじまって欲しいラブコメです。
【2023.11.28追記】
その後の二人のちょっとしたSSを番外編として追加しました!
※他サイトにも投稿しております。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
性欲の強すぎるヤクザに捕まった話
古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。
どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。
「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」
「たまには惣菜パンも悪くねぇ」
……嘘でしょ。
2019/11/4 33話+2話で本編完結
2021/1/15 書籍出版されました
2021/1/22 続き頑張ります
半分くらいR18な話なので予告はしません。
強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。
誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。
当然の事ながら、この話はフィクションです。
【R18】国王陛下はずっとご執心です〜我慢して何も得られないのなら、どんな手を使ってでも愛する人を手に入れよう〜
まさかの
恋愛
濃厚な甘々えっちシーンばかりですので閲覧注意してください!
題名の☆マークがえっちシーンありです。
王位を内乱勝ち取った国王ジルダールは護衛騎士のクラリスのことを愛していた。
しかし彼女はその気持ちに気付きながらも、自分にはその資格が無いとジルダールの愛を拒み続ける。
肌を重ねても去ってしまう彼女の居ない日々を過ごしていたが、実の兄のクーデターによって命の危険に晒される。
彼はやっと理解した。
我慢した先に何もないことを。
ジルダールは彼女の愛を手に入れるために我慢しないことにした。
小説家になろう、アルファポリスで投稿しています。
今日も殿下に貞操を狙われている【R18】
毛蟹葵葉
恋愛
私は『ぬるぬるイヤンえっちち学園』の世界に転生している事に気が付いた。
タイトルの通り18禁ゲームの世界だ。
私の役回りは悪役令嬢。
しかも、時々ハードプレイまでしちゃう令嬢なの!
絶対にそんな事嫌だ!真っ先にしようと思ったのはナルシストの殿下との婚約破棄。
だけど、あれ?
なんでお前ナルシストとドMまで併発してるんだよ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる